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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 E3 |
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管理番号 | 1224812 |
審判番号 | 不服2010-7333 |
総通号数 | 131 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2010-11-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-04-07 |
確定日 | 2010-09-14 |
意匠に係る物品 | ゴルフティー |
事件の表示 | 意願2008- 32448「ゴルフティー」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願意匠 本願は,2008年(平成20年)12月22日に意匠登録出願されたものであって,その意匠は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「ゴルフティー」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「実線で表された部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である」としたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分の意匠を「本願意匠」という。)。(別紙第1参照) 第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当する(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)としたものであって,原審が拒絶の理由に引用した意匠は,本願出願前,電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠,すなわち,特許庁審査官(原査定官)が2009年 8月13日にオンラインで検索をし,その掲載日(公知日)を2007年 9月29日と確認したところの,株式会社東京ゴルフ商会がインターネットに掲載した,表題を『TOKYO GOLF 東京ゴルフ商会』とし,掲載箇所を「HOME>ゴルフ用品」としたページ(掲載ページのアドレス http://blog.tokyogolf.co.jp/?eid=13869)に所載の「ゴルフティー」の意匠の本願意匠の意匠登録を受けようとする部分に対応する部分であって,その形態は,同サイト掲載ページの写真版に現されたとおりのものである(以下,本願意匠に相当する部分の意匠を「引用意匠」という。)。(別紙第2参照) 第3 本願意匠と引用意匠の対比 1.意匠に係る物品 両意匠の意匠に係る物品は,一致する。 2.本願意匠と引用意匠の用途・機能及び位置・大きさ・範囲 本願意匠と引用意匠は,いずれもゴルフティーの台座部分に関するものであるから,両意匠の用途・機能及び位置・大きさ・範囲はほぼ一致する。 3.本願意匠と引用意匠の形態 両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。 (1)共通点 両意匠の台座部は,平面視中央のボール保持部接合部を中心として略渦巻き状に突出する複数の脚部を,その先端が地面に接するように下方側に向けて形成したものである点, (2)相違点 脚部の具体的態様について,本願意匠は,平面視中央にボール保持部接合部を含む略円板状部をやや大きく形成し,その略円板状部外縁から,先端に向けて漸次細幅となる脚部を,側面視にて略円弧状に湾曲させて突出させ,台座部全体が略お椀状となるように形成したのに対して,引用意匠は,略円板状部が殆どなく,脚部は途中でやや細幅として,先端を若干太幅とし,また,本願意匠の同部位と比べて長く,さらに側面視にて直線状に斜めに形成されており,台座部全体が略扁平円錐状である点。 第4 類否判断 以上の一致点,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。 両意匠は,意匠に係る物品が一致し,部分意匠としての用途・機能及び位置・大きさ・範囲がほぼ一致する。 形態については,両意匠の前記共通点に係る構成態様は,両意匠の形態を概括的に捉えた大掴みな共通性に過ぎないものであるから,前記共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的なものといわざるを得ないのに対して,前記相違点は,台座部全体の具体的な形状について,両意匠がそれぞれに大きく異なるものであるから,この相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいというべきである。 したがって,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,部分意匠としての用途・機能及び位置・大きさ・範囲がほぼ一致するが,形態においては,共通点としてあげた構成態様が,両意匠の類否判断に及ぼす影響が限定的であるのに対して,相違点による印象の相違によって,両意匠全体の印象が異なることとなるので,相違点が共通点を圧しているというべきであって,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできないものである。 第5 むすび 以上のとおりであって,本願意匠は,原査定における引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,さらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-08-30 |
出願番号 | 意願2008-32448(D2008-32448) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(E3)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 兼安 あい、上島 靖範、前畑 さおり |
特許庁審判長 |
瓜本 忠夫 |
特許庁審判官 |
太田 茂雄 市村 節子 |
登録日 | 2010-10-22 |
登録番号 | 意匠登録第1401804号(D1401804) |
代理人 | 特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所 |