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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 D5 |
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管理番号 | 1228221 |
審判番号 | 不服2010-13200 |
総通号数 | 133 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2011-01-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-06-16 |
確定日 | 2010-11-24 |
意匠に係る物品 | コンロ付き流し台 |
事件の表示 | 意願2008- 6514「コンロ付き流し台」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成20年3月17日の意匠登録出願(意匠に係る物品「コンロ付き流し台」)であって、その意匠は、願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照) それに対して、原審は、拒絶の理由について、この意匠登録出願の意匠は、下記に示すように、出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められ、意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものである。 記 この種、「コンロ付き流し台」の属するシステムキッチン分野においては、その流し台に組みこまれる「コンロ部」は、購入者の選択に応じてガス調理器、電磁調理器等を組み替えられるものでありますが、この出願の意匠は、公然知られた「コンロ付き流し台」(参考意匠1)の「コンロ部」に現された「ガス調理器」を、同じカタログに記載された「電磁調理器」(参考意匠2)に組み替えたに過ぎず、実際にそのような組み合わせの製品を選択できることもあわせて考えれば、この意匠の属する分野における通常の知識を有する者が参考意匠1、2をもとに容易に創作できたものと認められる。 参考意匠1(別紙第2参照) 電気通信回線の種類 インターネット 掲載確認日(公知日) 2007年3月17日 受入日 特許庁意匠課受入2007年4月13日 掲載者 トステム株式会社 表題 【トステム】システムキッチン プラータ/プラン のご紹介 PLAN05 掲載ページのアドレス http://www.tostem.co.jp/lineup/kitchen/prata/plan/05.htm に掲載された「システムキッチン」の側板を除いた「コンロ付き流 し台」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HJ18036185号) 参考意匠2(別紙第3参照) 電気通信回線の種類 インターネット 掲載確認日(公知日) 2007年3月17日 受入日 特許庁意匠課受入2007年4月13日 掲載者 トステム株式会社 表題 【トステム】システムキッチン プラータ/プラン のご紹介 PLAN07 掲載ページのアドレス http://www.tostem.co.jp/lineup/kitchen/prata/plan/07.htm に掲載された「システムキッチン」の「電磁調理器」部の意匠 (特許庁意匠課公知資料番号第HJ18036187号) そこで、原審が拒絶の理由とした本願意匠の創作容易性について検討する。 本願意匠は、横方向に三つに分割された直方体状の収納部と、その各収納部の上部を通して、グリル付き電磁調理器とシンク部を備えた天板部を配したものであるが、本願意匠のグリル付き電磁調理器を除く収納部及び天板部の形状について、公然知られた参考意匠1と対比してみると、本願意匠の収納部の中段及び上段の引き出しの前板上部の形状が、側面視略「J」字状にして、その前面側の短片部分を溝状に抉る引き手部としたものであるのに対して、参考意匠1は、側面視略「C」字状の金具を設けて、その上端が略鉤状の引き手部としたものであり、両意匠の引き手部の構成態様は異なり、また、本願意匠のグリル付き電磁調理器の形状についても、公然知られた参考意匠2と対比して、本願意匠の正面側の操作部の形状が、グリル部の右側に設けられて、下部を軸として上部が回転して引き出されてくるものであるのに対して、参考意匠2は、操作部の形状が不明である。そして、本願意匠の「J」字状の引き手部を伴った収納部と回転する操作部を備えたグリル付き電磁調理器との組み合わせた形状は、本願意匠出願前にこの種コンロ付き流し台等の分野において従来見られない特徴的な形状である。そうとすれば、本願意匠は、参考意匠1のグリル付きガス調理器を、参考意匠2のグリル付き電磁調理器に組み替えたとしても、その組み替えられた形状が本願意匠の特徴を有するものではなく、かつ、本願意匠がこの組み替え形状にこの種コンロ付き流し台の分野において常套的な形状変更を加えた意匠とは言い切れないことから、本願意匠は、その出願前にこの種コンロ付き流し台等の分野において公然知られた意匠に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものとすることはできない。 以上のとおりであり、本願意匠は、意匠法第3条第2項の規定に該当し、同条の規定により意匠登録をすることができないものであるとした原審の拒絶の理由によって、本願について拒絶すべきものとすることはできない。 また、他に本願について拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-11-05 |
出願番号 | 意願2008-6514(D2008-6514) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(D5)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 植山 陽子、淺野 雄一郎 |
特許庁審判長 |
遠藤 行久 |
特許庁審判官 |
市村 節子 杉山 太一 |
登録日 | 2010-12-03 |
登録番号 | 意匠登録第1404650号(D1404650) |