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審決分類 審判 査定不服  意7条一意匠一出願 取り消して登録 H1
審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1
管理番号 1228224 
審判番号 不服2009-19263
総通号数 133 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2011-01-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2009-10-08 
確定日 2010-11-24 
意匠に係る物品 ブレードヒューズ 
事件の表示 意願2008- 18137「ブレードヒューズ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は、物品の部分について意匠登録を受けようとする、平成20年7月14日の意匠登録出願(パリ条約による優先権主張 2008年1月14日 米国)であって、その意匠(以下、「本願意匠」という。)は、意匠に係る物品が「ブレードヒューズ」であり、その形態は、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を実線で表したものであり(以下、「本願実線部分」という。)、願書及び願書添付の図面に記載されたとおりのものである(別紙第1参照)。

2.引用意匠
原審において、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとして、拒絶の理由として引用された意匠(以下、「引用意匠」という。)は、特許庁発行の意匠公報掲載の意匠登録第1139245号「ヒューズ」の意匠であって、その本願実線部分に相当する部分(以下、「引用意匠の相当部分」という。)の形態は、同公報に掲載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

3.当審の判断
(1)原査定の拒絶の理由に対して
本願には、出願当初の願書及び願書添付の図面の記載によれば、【第1斜視図】ないし【第1底面図】で表されたブレードヒューズと、【第2斜視図】ないし【第2底面図】及び【使用状態を示す参考図】で表されたブレードヒューズ用端子の、2つの意匠が表されている。したがって、出願当初の願書及び添付図面の記載による本願意匠とは、一の意匠ではなく、出願当初の本願は、意匠法第7条に規定する要件を満たしていない。
ところが原審は、2つの意匠が表されている本願意匠に対し、上記の引用意匠を直ちに提示し、本願意匠が引用意匠と類似し、意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとして、本願を拒絶している。
本件審判請求は、この原査定を不服としてなされたものであるが、原査定は、前提となる本願意匠の認定に誤りがあるまま拒絶に至ったものであり、その理由に違法性があるため、原査定の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることはできない。
しかしながら、審判請求された本願には、依然として、ブレードヒューズとブレードヒューズ用端子の2つの意匠が表されている。それゆえ、当合議体において、本願意匠は、願書及び添付図面の記載によると、【第1斜視図】ないし【第1底面図】で表されたブレードヒューズと【第2斜視図】ないし【第2底面図】及び【使用状態を示す参考図】で表されたブレードヒューズ用端子との2つの意匠に係るものと認められ、経済産業省令で定める物品の区分による意匠ごとの出願とは認められず、意匠法第7条に規定する要件を満たしていないとして、拒絶の理由を通知したものである。
これに対し、平成22年6月1日付けの手続補正書により、【第2斜視図】ないし【第2底面図】及び【使用状態を示す参考図】で表されたブレードヒューズ用端子の図面を削除する補正がなされ、当審の拒絶の理由は既に解消され、本願は、意匠法第7条に規定する要件を満たしていないとの理由により、拒絶すべきものとすることはできない。
(2)本願意匠と原査定の引用意匠に対する類否判断
なお、念のため付け加えれば、補正された本願意匠の本願実線部分と原査定の引用意匠の相当部分の類否は、以下のように判断される。
両意匠は、(A)ハウジング部について、略横長直方体状の本体部(以下、「本体部」という。)の上部に薄板状の蓋部を設けて構成されたもので、本体部の正面側と背面側の端子が突出していない部分に矩形状の膨出部を設け、ハウジング部で端子部を覆い、本体部下方に端子をそれぞれ露出して設けた点、(B)蓋部は左右に段部を設け、上段は平面視長円形状、下段は隅丸長方形状とし、上面に端子部の上端部を視認できる孔部を設けた点、(C)端子部は、それぞれが略縦長長方形状の薄板状で、全体が左右対称に設けられ、各端子の下端部左右が斜めに切り欠かれている点において共通するが、(a)端子の数が、本願意匠は、3本であるのに対して、引用意匠は、2本である点、(b)端子部について、本願意匠は、中央に左右の辺の上下が直線状である略縦長長方形状の端子を設け、左右には、正面視左右辺の上方が外側に拡がり、倒台形状部分を有し、その下側が直線状である端子を設けているのに対して、引用意匠は、左右の辺は上下が直線状であり、左右端部寄りに設けられているため、中央の間隔が広い点、(c)本体部について、本願意匠は、正面側と背面側の矩形状膨出部を二箇所設け、底面形状が略隅丸草冠状であるのに対して、引用意匠は、矩形状膨出部を中央部に一箇所設け、底面形状が角張った略十字状である点、(d)本体部の底面寄り付近について、引用意匠は、背面側に浅い切欠部を設け、正面側に底面の嵌合部がわずかに横長長方形状に見えているのに対して、本願意匠は、そのような部位が見られない点、(e)端子部の下端部の形状が、本願意匠は、傾斜部が短く下端部近くまで太いのに対して、引用意匠は、傾斜部が長く、下端部が先細状である点に差異が認められる。
しかし、共通点の態様のうち、略横長直方体状の本体部の上部に薄板状の蓋部を設けて構成され、本体部の正面側と背面側の端子が突出していない部分に矩形状の膨出部としたハウジング部で端子部を覆い、本体部下方に板状端子をそれぞれ露出して設けた態様は、両意匠に共通する特徴ではあるが、この種のヒューズの分野においては、他にも同様の本体部と蓋部を設けたものは多数認められ、それらを有するハウジング部を設けた点のみをもって両意匠の類否判断を左右する共通点ということはできない。これに対し、差異点(a)ないし(c)に係る態様は、端子部の数や外形状と本体部の全体形状であり、需要者の注意を強く惹くもので、その差異は、両意匠の部分の類否判断に重大な影響を与えるものといえる。差異点(d)及び(e)に係る態様も、差異点(a)ないし(c)の端子部及び本体部の差異に係る態様と相俟って、両意匠の部分の類否判断に影響を与えるものであるから、これらの差異点に係る態様が相乗して生じる意匠的な効果は、両意匠の部分の類否判断を左右するに十分のものである。
以上のとおり、両意匠は、意匠に係る物品が一致し、その部分の用途と機能、及び位置、大きさと範囲が共通するものであるが、その部分の形態において、差異点が共通点を凌駕し、両意匠の部分全体として看者に異なる美感を起こさせるものであるから、両意匠は類似しないものである。

4.むすび
したがって、出願当初の本願に対する原査定の拒絶の理由は不当であり、また、本願に対する当審の拒絶の理由も解消されており、これらの理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2010-11-08 
出願番号 意願2008-18137(D2008-18137) 
審決分類 D 1 8・ 52- WY (H1)
D 1 8・ 113- WY (H1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 原田 雅美小林 裕和 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 北代 真一
樋田 敏恵
登録日 2010-12-24 
登録番号 意匠登録第1406354号(D1406354) 
代理人 高柴 忠夫 
代理人 志賀 正武 
代理人 鈴木 博久 
代理人 渡邊 隆 
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