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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 F4 |
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管理番号 | 1229919 |
審判番号 | 不服2010-16383 |
総通号数 | 134 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2011-02-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-07-21 |
確定日 | 2011-01-12 |
意匠に係る物品 | 包装用容器 |
事件の表示 | 意願2009-20403「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,平成21年9月4日の意匠登録出願に係り,その意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,形態を願書及び願書に添付した図面の記載のとおりとしたものである(別紙第1参照)。 2.原査定の拒絶理由 本願は,原査定において,「この意匠登録出願に係る包装用容器の分野において,容器外周に種々の模様等をあらわすことは本願出願前より極普通に行われているのでありふれた手法であり,この意匠登録出願の意匠は,本願出願前に公然知られたものと認められる包装用容器の意匠(意匠1)の肩部と外周を覆う溝で仕切られた胴部に,本願出願前に公然知られたものと認められる形状(意匠2の胴部底面部側にあらわされた略平行四辺形状を等間隔に敷設することで外周を覆ったパネル群)を単にあらわしたに過ぎないので,容易に創作できたものと認められます。 <意匠1> 特許庁発行の意匠公報記載 意匠登録第1203260号の意匠 <意匠2> 特許庁普及支援課が2008年10月9日に受け入れた 大韓民国意匠商標公報 2008年9月10日08-17号 飲料容器(登録番号30-0505383)の意匠 (特許庁意匠課公知資料番号第HH20438224号)」との理由で,意匠法第3条第2項の規定に該当するとして,拒絶すべき旨の査定がなされたものである。 3.当審の判断 (1)本願意匠 本願意匠は,包装用容器であって,その形態は,基本的構成態様において,細い円筒形口部を持った有底略円筒状の物であって,具体的態様においては,本体高さが,本体直径の約2倍であって,本体上半分はドーム状の肩部で,溝を介して,本体下半分は垂直周面の胴部になっており,口部はつば(鍔)を設け,その直下にわずかな垂直の周面があって,肩部につながっており,肩部は,全体的に緩やかな曲線で構成され,上から約3分の2の所で最大幅となり,その下は少しすぼまっている。そして,1条の台形状の溝を経て,垂直周面の胴部があり,その周面には,縦長平行四辺形を斜めに引き延ばしたような略S字状のリーフ形パネル部を均等に8つ設け,そのパネル部の水平断面形状は,緩やかな凹曲面となっている。 (2)引用意匠 (a)意匠1(別紙第2参照) 意匠1は,基本的構成態様は,本願意匠と同じであり,具体的態様は,本体高さが,本体直径の約2倍であって,本体上部約3分の1はドーム状の肩部で,溝を介して,本体下部は約3分の2の胴部になっており,口部はつば(鍔)を設け,その直下にわずかな垂直の周面があって,肩部につながっており,肩部は,上から約5分の3までが半球状で,その下に約5分の2高さの垂直状円筒壁面があって,小さなRを介して溝につながり,1条の略倒レ字状の溝を経て,6枚の縦長長方形状パネルを設けた垂直周面の胴部となっている。 (b)意匠2(別紙第3参照) 意匠2は,基本的構成態様は,本願意匠と同じであり,具体的態様は,本体高さが,本体直径の約3倍であって,2分の1強ある本体上部は略円すい台状の肩部で,溝を介して,2分の1弱の本体下部の胴部につながっており,口部はつば(鍔)を設け,その直下にわずかな垂直の周面があって,肩部につながっており,肩部には,6枚の縦長台形状パネルを設け,1条の台形状の溝を経て,略縦長平行四辺形状のパネルが8枚設け,そのパネル部の水平断面形状は,台形状となっている。 (3)検討 肩部の形状につき,本願意匠は,上から約3分の2の所で最大幅となり,その下は少しすぼまっているのに対し,「意匠1」は,上から約5分の3の所から下が垂直状円筒壁面として構成されており,胴部のパネル形状につき,本願意匠は,断面形状が緩やかな凹曲面となっている略S字状のリーフ形パネル部を設けているのに対し,「意匠2」は,断面形状が台形の略縦長平行四辺形状のパネルを設けており,これらの態様が異なり,なおかつ,上記引用意匠のどちらにも本願意匠の肩部及び胴部の具体的構成態様が表されていない。 そうすると,本願意匠は上記引用意匠と,基本的構成態様に共通する点があったとしても,本願意匠の肩部及び胴部形状は公然知られた形状であったとは言えず,全体として本願意匠の形状にまとめ上げることは困難と認められ,一定の創作行為があったと言わざるを得ず,これらの意匠を基に容易に想到することができたとは言えない。 以上のとおりであって,本願意匠は,その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものということはできない。 4.むすび したがって,本願の意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原査定の拒絶理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。また,他に本願を拒絶すべき理由を発見することができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2010-12-28 |
出願番号 | 意願2009-20403(D2009-20403) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(F4)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 樫本 光司 |
特許庁審判長 |
関口 剛 |
特許庁審判官 |
樋田 敏恵 橘 崇生 |
登録日 | 2011-01-21 |
登録番号 | 意匠登録第1407851号(D1407851) |