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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C6 |
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管理番号 | 1239770 |
審判番号 | 不服2010-16799 |
総通号数 | 140 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2011-08-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2010-07-26 |
確定日 | 2011-04-12 |
意匠に係る物品 | 冷蔵庫 |
事件の表示 | 意願2007- 34182「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。 |
理由 |
本願は、平成19(2007)年12月13日の秘密意匠の意匠登録出願であり、その意匠は、意匠に係る物品を「冷蔵庫」とし、形態は願書の記載及び願書に添付した図面に記載のとおりとしたのものである(別紙第1参照)。 これに対し、原審が拒絶の理由として引用した意匠は、特許庁特許情報課が2006年2月9日に受け入れた、2005年11月29日発行の大韓民国意匠商標公報に記載された、意匠登録第30-0399630号の冷蔵庫の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH17552439号)であり、その形態は同公報に表されたとおりのものである(別紙第2参照)。 そこで、本願意匠と引用意匠との類否を検討すると、両意匠は意匠に係る物品が一致し、形態においても、外形全体を横幅が奥行きより長い縦長の直方体状とし、正面に、やや左寄りの位置で観音開き状に分割された開閉扉を配し、それぞれの開閉扉の上下一杯に、この分割部を挟んで隣り合うように、握り棒部とその上下に配置される支持部とで構成された、側面視略アーチ状の握りハンドルを左右一対に配した基本的な構成等が共通する。 しかし、各部の具体的な態様を観察すると、差異として、左右一対の握りハンドルは、本願意匠が、上下それぞれ左右の支持部上に、縦長の帯状を呈する握り棒部正面の内側辺(開閉扉の分割部側の辺)が、そのまま延伸したような印象の稜線を形成し、その稜線の内側(開閉扉の分割部側)部分を拡幅して、左右の支持部が、分割部を挟んでほとんど接するように配置すると共に、左右の握り棒部の間に形成された握り空間を縦長の略トラック形にし、握りハンドル全体が、この略トラック形の握り空間を中心に一塊状に形成された印象をもたらすものとしているのに対し、引用意匠は、上下それぞれ左右の支持部の外側辺を、わずかに内側(開閉扉の分割部側)に湾曲させているものの、支持部の内側辺は、握り棒部の内側辺をそのまま一直線状に延伸させ、左右それぞれの握りハンドルを縦に1本の棒状とし、分割部を挟んで、握りハンドルを2本、分離した態様で並置したもので、握りハンドル全体としては、本願意匠の一塊状に形成された印象とは大きく異なるものとなっている。また、握りハンドルの直下となる開閉扉のベース面の形状についても、本願意匠は、分割部に沿って、開閉扉の上下一杯に幅広の縁枠部を形成し、この左右の縁枠部に跨るように、上下に一直線状に抜ける円弧状の凹溝を設けて、握りハンドルの扉面からの突出寸法を最小に保ちながら一定の握り空間を確保させたのに対し、引用意匠はベース面に縁枠部を形成せず、扉面全体を平坦なままのシンプルな構成として、握りハンドルの突出寸法をハンドルの高さとした差異が認められ、このうち本願意匠に形成された縁枠部の外形状は、冷蔵庫全体としてやや離隔した状態で観察する場合には、縦長の帯状区画として、握りハンドルを取り囲む態様で開閉扉の上下一杯に表れていることにより、握りハンドルが表す一塊状の印象を補完するものとなっており、また、凹溝を設けている点も、この種の大型冷蔵庫においては、開閉時に看者の標準的な目の高さで近接して観察される部位にあること、開閉操作の感覚に影響を与える部位であることから看者の注目を浴びる部分と考えられること、観察方向も常に正面に正対する方向に限られているわけではないこと、等を考慮すると、これらベース面の形状の差異を、握りハンドルの直下にあることを理由に一律的に軽微な差異と断ずることはできず、その類否判断に与える影響を過小に評価することはできない。そして、両意匠には、上述の握りハンドル及びベース面の形状の差異の他にも、表示部の配置態様や開閉扉の分割部を除いた他の縁部形状等の差異が認められ、これらの差異が相俟った視覚効果は、既に上記共通点を凌いで、生起する美感を異にしていると認められる。 以上のとおりであって、両意匠は意匠全体として類似するとはいえず、本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当し、同項柱書の規定により意匠登録を受けることができないとした原審の拒絶の理由によっては、本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また、本願について、他に拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2011-03-28 |
出願番号 | 意願2007-34182(D2007-34182) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(C6)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 前畑 さおり |
特許庁審判長 |
遠藤 行久 |
特許庁審判官 |
杉山 太一 市村 節子 |
登録日 | 2011-05-13 |
登録番号 | 意匠登録第1416101号(D1416101) |
代理人 | ポレール特許業務法人 |