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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M2
管理番号 1243104 
審判番号 不服2011-2389
総通号数 142 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2011-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-02-02 
確定日 2011-08-29 
意匠に係る物品 浄水機能付シャワーヘッド 
事件の表示 意願2008- 32322「浄水機能付シャワーヘッド」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2008年(平成20年)12月19日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「浄水機能付シャワーヘッド」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)


第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため、意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するというものであって,本願意匠に対して引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,その出願前に日本国内または外国において電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった,下記の意匠である(別紙第2参照)。

電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2008年 8月18日
受入日 特許庁意匠課受入2008年 9月 5日
掲載者 株式会社フェリシモ
表題
ワンプッシュで切替えカンタン 節水シャワーヘッド|今月の新商品|今月の特集|ecolor[エコラ]|フェリシモ
掲載ページのアドレス
http://www.felissimo.co.jp/ecolor/v3/cfm/products_detail001.cfm?GCD=336695&WK=12161
に掲載された「シャワーヘッド」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ20021985号)


第3 本願意匠と引用意匠の対比
1.意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,本願意匠は,「浄水機能付シャワーヘッド」であり,引用意匠は,「シャワーヘッド」であり,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

2.本願意匠と引用意匠の形態
本願意匠と引用意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。

(1)共通点
両意匠は,シャワーホース接続部を下端に設けた略縦長円筒形状グリップ部の上部(本願意匠の願書に添付した図面の向きを前提に引用意匠と対比する)に,散水面が平滑な円形状で背面側が略球面状に面変化するヘッド部を設け,ヘッド部とグリップ部の境界部において,正面側または背面側のいずれかで押下可能な略扁平円筒形状止水ボタンを設けている点,

(2)相違点
(A)グリップ部の形状について,本願意匠は,側面視縦方向に直線状とし,グリップ部下方側に,4つの略縦長矩形部を外周面に等間隔に配した回動可能な切替リングを設けているのに対して,引用意匠は,側面視略円弧状に湾曲し,切替リングも設けられていない点,

(B)ヘッド部の形状について,本願意匠は,止水ボタンを境にヘッド部全体を散水面側に傾斜させ,ヘッド部背面側上端に稜線を設け,ヘッド部上端に散水面の外延にそった略帯状外周面部を形成しているのに対して,引用意匠は,ヘッド部背面側がグリップ部の側面視略円弧状湾曲をそのまま引き継いで湾曲するように形成されており,ヘッド部背面側上端にも稜線が設けられておらず,さらに,散水面とグリップ部外周側面の境界部に段差があり,散水面の下方側が略薄円盤状に膨出している点,


第4 類否判断
以上の,共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

両意匠の前記共通点に係る構成態様は,概括的な構成態様を表出しただけであるので,これらが類否判断に及ぼす影響は限定的である。

これに対して,前記相違点(A)については,シャワーヘッドのグリップ部は,シャワーヘッドの形状において大きな比重を占めるものであるからよく目に付くところ,両意匠のグリップ部の態様は,本願意匠が直線状であるのに対して,引用意匠が側面視略円弧状に湾曲しているから,形状が基本的に異なっており,さらに本願意匠の切替リングの態様は,この種物品分野の先行意匠を参酌するところ,本願意匠に特徴的なものであるから,その相違は顕著であり,両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいものというべきである。

また,前記相違点(B)についても,シャワーヘッドのヘッド部は,グリップ部の形状と相俟って,シャワーヘッドの形状の基調を成すものであるから,この種物品において見る者の注意をよく惹く部位であるところ,両意匠のヘッド部の具体的な態様は全く異なるものであるから,その相違は顕著であり,両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいものというべきである。

そうすると,共通点としてあげた構成態様が,両意匠の類否判断に及ぼす影響が限定的であるのに対して,相違点(A)と同(B)はいずれも類否判断に及ぼす影響が大きいものというべきであり,それらの相違点の相乗する意匠的効果も考慮すれば,意匠全体の印象が異なってくることから,もはや相違点が共通点を圧しているというべきであって,本願意匠は引用意匠に類似するということはできないものである。


第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原審の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,さらに審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2011-08-12 
出願番号 意願2008-32322(D2008-32322) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M2)
最終処分 成立  
前審関与審査官 越河 香苗 
特許庁審判長 瓜本 忠夫
特許庁審判官 太田 茂雄
杉山 太一
登録日 2011-09-16 
登録番号 意匠登録第1425315号(D1425315) 

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