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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 B3
管理番号 1253434 
審判番号 不服2010-17433
総通号数 148 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2012-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2010-08-04 
確定日 2012-02-22 
意匠に係る物品 コンタクトレンズ 
事件の表示 意願2009-15557号「コンタクトレンズ」拒絶査定不服審判事件について,平成23年3月28日付けの審決に対し,知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(平成23年(行ケ)10159号,平成23年11月30日判決言渡)があったので,さらに審理し,その結果,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願意匠は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする,平成21(2009)年7月8日の意匠登録出願であって,願書及び願書添付の写真によれば,意匠に係る物品が「コンタクトレンズ」であり,その形態が願書及び願書添付の写真に現されたとおりのものである(別紙第1参照)。

2.経緯
(1)審査において,本願意匠は,平成17(2005)年9月28日に特許庁特許情報課が受け入れた2005年5月30日発行の大韓民国意匠商標公報(CD-ROM番号:2005-27)に掲載の「コンタクトレンズ」(意匠登録第30-0382481号)の意匠(特許庁意匠課公知資料番号HH17530881号)(別紙第2参照)に類似するものであり意匠法第3条第1項第3号の意匠に該当するから,同条同項柱書の規定により意匠登録を受けることができないとして,平成22年4月21日付けで拒絶の査定を受けた。
(2)請求人は,拒絶の査定を不服として,平成22年8月4日に審判を請求したところ,審判において,この請求を査定不服2010-17433号事件として審理し,平成23年3月28日付けで本件審判の請求は成り立たない旨の審決をした。
(3)これに対し,請求人は,平成23年5月9日に同審決の取り消しを求める訴えを知的財産高等裁判所に提起し,同裁判所は,平成23年(行ケ)第10159号審決取消請求事件としてこれを審理し,平成23年11月30日に同審決を取り消すとの判決を言い渡し,その後,同判決が確定した。

3.判決の理由の要旨
(1)類否についての判断
1)「内周部」及び「内周縁部」について
本願意匠は,(ア)「内周部」及び「内周縁部」の全体に,下地として,淡い灰色に着色された直交する直線により,全体に格子状模様が施されているが,下地に施された模様は強い印象を与えないこと,(イ)「内周部」には,灰色に着色され外周部から中心部に向けて延出した「棒状形状」が存在し,「内周縁部」には,濃黒色又は灰色に着色され,内周部から中心に向かって収束する方向に延伸する「棒状形状」(上記各棒形状は,太さ,長さが一様ではなく,また,やや曲がっているものもみられる。)が描かれていること,(ウ)「棒状形状」は,長短さまざまであるが,いずれも,中心点から,放射状に配置されている点において共通していること,(エ)「棒状形状」のうち長いものは,内周部の棒状形状と連結して,あたかも一本の棒のように描かれている部分があることに,特徴がある。
これに対して,引用意匠は,(オ)「内周部」及び「内周縁部」に,色彩及び大きさにおいて相違はあるものの,いずれも「小円」が配置されており,全体が「小円」の集合によって形成された図形であるとの印象を強く与えること,(カ)特に「内周部」には,薄墨色に着色された小さめの小円が,縦横に等距離をおいて,正確に規則正しく描かれていること,(キ)「内周縁部」は,中心部との境界部分は,大きめの濃黒色の「小円」が,ほぼ例外なく配置されており,「中心部」との境界は,真円を描くように明確に区別されていること,(ク)「内周縁部における濃黒色小円からなる上記山形形状」と「内周部における濃黒色小円からなる山形形状」とは,距離を置いて離隔して描かれていることに,特徴がある。
上記のとおり,本願意匠における「内周部」及び「内周縁部」は,全体的に淡い灰色に配色された下地に,濃黒色及び灰色に着色され,内周部から中心に向かって収束する方向に延伸する「棒状形状」(各棒形状は,太さ,長さが一様ではなく,また,やや曲がっているものもみられる。)が描かれていること,及び「棒状形状」が連結するように描かれていることなどの点に照らすならば,本願意匠は,看者に対して,ヒトの目との比較において,より自然で調和的,かつ穏やかな印象を与えるような美感を有するものと評価できる。これに対して,引用意匠における「内周部」及び「内周縁部」は,規則正しく配置された小円の集合により構成されていること,山形形状部等の全体の模様は,小円の大きさ,濃淡及び配置の相違のみによって表現されていること,山形形状部の高さ等が均一的,画一的であることなどの点において,引用意匠は,看者に対して,ヒトの目との比較において,自然らしさを捨象し,人工的,メカニカルな印象を与えるような美感を有するものと評価できる。
2)その他の部分について
本願意匠と引用意匠とは,(a)全体が球面体の一部を平面によって切り取った透光性を有する曲面体であること,(b)曲面体の中心点を囲む「中央円形部」を有すること,(c)外周部がほぼ黒色で配色されること等において,共通する。しかし,上記各共通点は,ヒトの目に装着するカラーコンタクトレンズとして,全体が球面体の一部を平面によって切り取った透光性を有する曲面体であり,中央円形部を有することは,必然的に選択される形状であること,コンタクトレンズを,虹彩部ないし瞳孔部の外観を変え,大きく際だたせる目的で使用する場合に,外周部がほぼ黒色で配色されることは,必然的に選択される形状であること等から,上記の共通の形状は,意匠の対比に当たり,重要な特徴部分であるとはいえない。
以上のとおりであり,本願意匠は引用意匠と類似しないから,本願意匠は意匠法3条1項3号所定の意匠に該当し意匠登録を受けることができないとした審決の判断は誤りである。原告主張に係る取消事由は,理由がある。

4.当審の判断
したがって,前記判決は,行政事件訴訟法第33条第1項の規定により,当審の審決を拘束するものであり,同判決の主文及び理由に基づき,本願意匠は,原査定で引用した意匠と類似するものとはいえないから,意匠法第3条第1項第3号の意匠には該当せず,その拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審においてさらに審理した結果,本願意匠については,他に拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2011-02-03 
結審通知日 2011-02-09 
審決日 2012-02-10 
出願番号 意願2009-15557(D2009-15557) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (B3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 富永 亘 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 橘 崇生
下村 圭子
登録日 2012-03-02 
登録番号 意匠登録第1437447号(D1437447) 
代理人 ▲高▼山 嘉成 
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