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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D7
管理番号 1258134 
審判番号 不服2011-25324
総通号数 151 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2012-07-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-24 
確定日 2012-05-29 
意匠に係る物品 ベンチ 
事件の表示 意願2010- 28908「ベンチ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2010年11月5日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,2010年(平成22年)12月3日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「ベンチ」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,本願出願前,2002年9月19日に特許庁特許情報課が受け入れた,2002年8月30日発行の『国際事務局意匠公報(CD?ROM番号:No.07/2002)』に記載された国際意匠登録 第DM/060809号のソファ(特許庁意匠課公知資料番号第HH14676428号)の意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報の写真版に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断

1.本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「ベンチ」であり,引用意匠の意匠に係る物品は「ソファ」であって,両意匠の意匠に係る物品は,共に休息するための腰掛けであるから共通する。

(2)本願意匠と引用意匠の形態
本願意匠と引用意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。
(なお,対比のため,本願意匠の図面における正面,平面等の向きを,引用意匠にもあてはめることとする。)

共通点として,
(A)全体は,六面の平坦な四角形が二面ずつ対向する構成のやや横長の六面体であって,座面及び底面を平行する水平面とし,下方がやや窄まった態様である点,
(B)座面の四角形は,対向する二角がそれぞれほぼ直角であり,残りの二角は鈍角と鋭角である点,

相違点として,
(ア)側面の形状について,
本願意匠は,四側面が,全て同じ方向にややねじれながら窄まっているのに対して,
引用意匠は,四側面がねじれることなく窄まっている点,
(イ)座面の四角形形状について,
本願意匠は,平面視において,高さ(左辺)は底辺とほぼ同長であり,鋭角が72度,鈍角が108度をなすのに対して,
引用意匠は,高さ(座面の奥行き,右辺)は底辺(座面手前側)よりやや短く,鋭角及び鈍角の正確な角度は不明である点,
(ウ)脚部について,
引用意匠は,底面四隅に略小円柱状の脚部が有るのに対して,
本願意匠は脚部が無い点。


2.本願意匠と引用意匠の類否判断
この種物品は,床に置かれ,腰を掛けて使用されるものであるため,意匠全体として看者の注意を惹くのは,通常観察される斜め上から観た態様を中心とする視覚的効果であると認められる。
この点を踏まえ,共通点及び相違点を総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

共通点について,共通点(B)の,座面の形状がこの種物品の座面形状として一般的とは言えない略不等辺四角形状で,その対角が直角をなしている点は,類否判断において大きな影響を及ぼすものの,共通点(A)は,この種物品の形態としてはごくありふれた態様に関するものであり,共通点全体としては,類否判断に及ぼす影響を,大きいということはできない。
一方,相違点については,相違点(ア)は,本願意匠の四側面が全て同じ方向に,ややねじれながら窄まっている形態は,引用意匠の四側面のねじれの無い形態とは異なるある種の動的な美感を生み出しており,また,比較的目に付きやすい側面部についての相違であるから,相違点(ア)が,類否判断に及ぼす影響は大きく,この点のみで両意匠の類否判断を決定付けているものと言い得る。
相違点(イ)については,本願意匠の四隅の角度が二つの直角と72度,108度であることは,本願意匠の「使用状態を示す参考図1」及び「使用状態を示す参考図2」に示されたように,複数個での使用状態を前提に創作されたものであるから,引用意匠のものとは創作の意図が異なるものであり,また,通常の使用状態において,最も目に付きやすい座面に関する相違であって,この種物品分野では,需要者が選択に際して大きく考慮する点でもあるから,相違点(イ)が類否判断に及ぼす影響は大きい。
相違点(ウ)は,目に付きにくい底面における,意匠全体の中でごく小さな部位における相違であり,しかも,この種物品においては,脚のあるものも無いものも,共にありふれているから,相違点(ウ)が類否判断に及ぼす影響は小さい。
したがって,両意匠は,意匠に係る物品は共通するが,形態においては,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を大きいと言うことができないのに対して,相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きく,相違点が類否判断に及ぼす影響は,共通点が類否判断に及ぼす影響を凌駕するから,意匠全体として観察した場合,本願意匠は引用意匠に類似するということはできない。


第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また,本願意匠について,他に拒絶すべきものとする理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-05-11 
出願番号 意願2010-28908(D2010-28908) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 濱本 文子 
特許庁審判長 遠藤 行久
特許庁審判官 瓜本 忠夫
早川 治子
登録日 2012-06-15 
登録番号 意匠登録第1446186号(D1446186) 
代理人 市川 利光 
代理人 本多 弘徳 
代理人 小栗 昌平 
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