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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
不服2013989 審決 意匠
不服20137764 審決 意匠
不服200922780 審決 意匠
不服20137763 審決 意匠
不服20137765 審決 意匠

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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 J3
管理番号 1262909 
審判番号 不服2011-27936
総通号数 154 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2012-10-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-12-26 
確定日 2012-09-14 
意匠に係る物品 デジタル一眼レフカメラ 
事件の表示 意願2010- 4084「デジタル一眼レフカメラ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成22(2010)年2月22日の意匠登録出願であって,その意匠は,願書及び願書添付の図面によれば,意匠に係る物品を「デジタル一眼レフカメラ」とし,その形態を願書及び願書添付の図面に記載されたとおりのものであって,「実線で表した部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下,本願について,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願意匠」という。)(別紙第1参照)。

2.原査定における拒絶の理由
本願意匠に対する原査定の拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであって,具体的には,以下のとおりである。

この意匠登録出願の意匠は,意匠に係る物品を「デジタル一眼レフカメラ」とし,当該カメラの表示部右端の枠近傍の,円弧状に曲がった線状のガイドと,当該ガイド上の円形状のポインタからなるインジケーターの役割を担う画像部分について,意匠登録を受けようとするものであるが,本願物品の属するカメラの分野においては,表示部の枠近傍に,線状のガイドと,当該ガイド上の円形状のポインタからなるインジケーターの役割を担う画像を,近接した表示枠の一辺の長さの略半分程度の大きさであらわすことは,本願の出願前から一般的に見受けられるところである(例えば下記の意匠1?意匠2)。
また,種々の物品の表示部に表された,線状ガイドと当該ガイド上のポインタからなる画像について,当該ガイドの形状を,円弧状のものとしたものは,本願の出願前より一般的に見受けられるところである(例えば下記の意匠3?意匠5)。
そうすると,本願の意匠登録を受けようとする部分の画像は,線状のガイドと,当該ガイド上のポインタからなるインジケーターの役割を担う画像を,本願の出願前より一般的に見受けられる手法により,カメラの表示部の枠近傍に,近接する枠の略半分程度の大きさに設け,本願の出願前より一般的に見受けられるように,線状のガイドの形状を円弧状のものとしたにすぎず,容易に創作することができたものと言わざるを得ない。
なお,平成22年8月17日に意見書(当審注:平成22年7月5日付けの,第1回目の拒絶の理由の通知に対するもの。原査定は第2回目の拒絶の理由の通知に基づくもの。)を提出され,本願部分は,ジョグダイヤルの回転に応じてポインタがガイドに沿って上下するものであり,ガイドの円弧を延長してなる円とジョグダイヤルの円が略同心円になるものである点は,容易に創作することができたものではないとの旨の主張をされた。
本願の添付図面に表された当該カメラのジョグダイヤルについては,破線により表されており,意匠登録を受けようとする部分以外の部分であるが,かかる点についてみると,各種機器において回転操作を行うダイヤル等に対応して,表示画面上の画像等を,弧を描く態様としたものは,本願の出願前より周知のものであり(例えば下記の意匠3(なお,意匠3については,表示画像のみを表した図に加え,当該画像が表されたウェブページの,その余の部分も表したものを,本通知の以下の添付図面の冒頭に添付する),意匠6?9),また,当該ダイヤルと,表示画面上の円弧とを同心円としたものも,本願の出願前より一般的に見受けられるところである(例えば下記の意匠10?11)。
よって,上記主張の点についても,意匠の創作としてほとんど評価することができないものと言わざるを得ない。

意匠1(別紙第2参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2007年5月8日
受入日 特許庁意匠課受入2007年 5月11日
掲載者 株式会社リコー
表題 製品情報 / 使用説明書PDFダウンロード | Ricoh Japan
掲載ページのアドレス http://www.ricoh.co.jp/dc/support/manual_pdf/400g/Caplio400G_Jp.pdf
に掲載された「デジタルカメラ」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ19011522号)

意匠2(別紙第3参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2007年5月8日
受入日 特許庁意匠課受入2007年5月11日
掲載者 株式会社リコー
表題 製品情報 / 使用説明書PDFダウンロード | Ricoh Japan
掲載ページのアドレス http://www.ricoh.co.jp/dc/support/manual_pdf/g4/CaplioG4Manual_Jp.pdf
に掲載された「デジタルカメラ」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ19011450号)

意匠3(別紙第4参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2007年3月17日
受入日 特許庁意匠課受入2007年4月13日
掲載者 日産自動車株式会社
表題 日産:シルフィ オーディオ&ナビゲーション
掲載ページのアドレス http://www2.nissan.co.jp/SYLPHY/G11/0512/EQUIP/main4.html
に掲載された「カーナビゲーションの画像」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ18034465号)

意匠4(別紙第5参照)
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2009年1月5日
受入日 特許庁意匠課受入2009年1月9日
掲載者 日産自動車株式会社
表題 日産:キューブ [CUBE] コンパクトカー Webカタログ ホーム
掲載ページのアドレス http://www2.nissan.co.jp/CUBE/Z12/0811/index.html
に掲載された「カーナビゲーションの画面」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ20051450号)

意匠5(別紙第6参照)
特許庁普及支援課が2010年 3月11日に受け入れた 大韓民国意匠商標公報 2010年 2月11日10-03号 自動車用計器盤(登録番号30-0552709)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH22403150号)

意匠6(別紙第7参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2008-147853
図3?4のカメラのモニタ部に,図5(a)及び図5(b)のそれぞれの画像が表示された各カメラの意匠
(およびこれに関連する記載)

意匠7(別紙第8参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2007-041540
図5に表された一眼レフカメラの意匠
(およびこれに関連する記載)

意匠8(別紙第9参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2005-302019
図43,図44のそれぞれの図面に表された,各娯楽システムの意匠
(およびこれに関連する記載)

意匠9(別紙第10参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2000-010548
図8の画像を表示部に表した図2の携帯電話器の意匠
(およびこれに関連する記載)

意匠10(別紙第11参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2006-311067
図1のカメラに図3の画像が表示されたデジタルカメラの意匠
(およびこれに関連する記載)

意匠11(別紙第12参照)
特許庁発行の公開特許公報記載
特開2006-191300
図5において表されたデジタルカメラの意匠
(およびこれに関連する記載)

3.請求人の主張の要旨
(1)意匠1と意匠11の組み合わせ
例えば,試みに意匠1と意匠11を組み合わせてみる(なお,意匠10と意匠11はほぼ同じ内容のものであるため,意匠1と意匠10を組み合わせても,これとほぼ同じ結果となる)。
本願意匠と意匠1との間には,少なくとも次の2つの差異がある。
a.ガイドが直線状か円弧状かの差異
b.ダイヤルの操作によってガイド上をポインタが上下するか否かの差異
意匠11は,確かに円弧状のガイドを構成要素としているようである。しかし,同ガイドは,本願意匠のように上下が閉じられて表示画面内に収まっているものではなく,画面の外にまで飛び出しているものである。したがって,意匠1のガイド部分を意匠11のそれに置き換えても,本願意匠と同じにはならない。
また,意匠11は特許出願の図面に表された意匠であるが,明細書の説明によると,ダイヤルの回転に従ってガイド内のアイコンが回転する内容のものである(意匠11を掲載する特許公開公報の段落0026?0030等参照)。しかし,回転するのはガイド内に並んだアイコン群であって,ポインタ(カーソル)ではない。意匠11のポインタは中央にあって動かない。そればかりか,形態が本願意匠のそれと明確に異なる。つまり,意匠1のポインタを意匠11のそれに置換しても(これに加えて更に意匠1のガイドを円弧状のものに加工したとしても),出来上がるのは,本願意匠と同じではない。
(2)意匠3と意匠11の組み合わせ
次に,意匠3と意匠11の組み合わせを試みる。
本願意匠と意匠3との間には,少なくとも次の2つの差異がある。
a.円弧状ガイドが画面内に収まっているか否か
b.円弧状ガイドの中心にダイヤルが位置するか否か
この点,意匠11の円弧状ガイドは画面の外に飛び出しているから,いくら意匠3のガイドを意匠11のそれに置換しても,b.の差異点が意匠11によって置換可能かを論ずるまでもなく,これらの組み合わせでは本願意匠と同一のものにはならない。
(3)その他の組み合わせ
以上の組み合わせの試みは,考え得る意匠1から同11の組み合わせの中の一部に過ぎない。しかし,比較的本願意匠に近いものが出来上がる例であって(ただし,本願意匠と引用意匠に係る物品の異同は無視している),他の組み合わせの例においても,本願意匠と同一又はほぼ同一のものは出来上がらない。
(4)むすび
以上の通り,法3条2項の適用にあたっては,公知意匠中の一部形態を他の公知形態に置き換えた場合に出願意匠が出来上がるか否かという基準に則った判断がされるべきところ,原審において指摘された全11の公知意匠を如何に組み合わせ,また,如何に一部構成要素を置換しても,本願意匠と同一又はほぼ同一というような意匠は出来上がらないから,本願意匠が同項に規定する意匠に該当するとした原査定の判断は誤りである。

4.当審の判断
本願意匠が,当業者であれば,容易に意匠の創作をすることができたものか否かについて,以下検討する。
(1)本願意匠
本願意匠は,「デジタル一眼レフカメラ」の表示部においてジョグダイヤルの回転に応じて,ポインタがガイドに沿って上下する円弧状のインジケーターの画像であって,その具体的な構成としては,表示部の高さの約半分の長さの円弧状のガイドを表示部の右寄りであるジョグダイヤル近傍の略中央の高さに表示し,ガイドを細幅帯状の略8分の1円弧状とし,ガイドの端部を隅丸状とし,ポインタを小型円形状としてガイドからはみ出す大きさに設け,ガイドの円弧を延長した円とジョグダイヤルの円の中心を略同一として,2つの円が略同心円状になるものとして表されているものである。
(2)本願意匠と意匠1ないし11に表された構成態様の関連性
(a)意匠1には,デジタルカメラの表示画面の左下に縦方向に直線状のガイドと小型円形状のポインタが表されているが,ガイドが本願意匠のような円弧状に表されてはいない。(b)意匠2には,デジタルカメラの表示画面の右下に横方向に直線状のガイドと小型円形状のポインタが表されているが,ガイドが本願意匠のような円弧状に表されてはいない。(c)意匠3には,カーナビゲーションの画像の略中央の縦方向に帯状で円弧状のインジケーターと小型円形状のポインタが表されているが,ポインタがインジケーターの幅より小さく,本願意匠のようにポインタがガイドからはみ出して設けられてはいない。(d)意匠4には,カーナビゲーションの画面の中央よりやや右寄りに縦方向に円弧状のインジケーターが設けられ,その上下に2個ずつ小型円形状の指示ボタンが表されているが,本願意匠のようにポインタがガイドの上下を移動するものではない。(e)意匠5には,自動車用計器盤の暗色の表示部に半円弧状のガイドと小型円形状のポインタが表されているが,ポインタが小さめで,円弧も径が小さく,本願意匠のように円弧状のガイドからポインタが明瞭にはみ出して設けられてはいない。(f)意匠6には,カメラのモニタ部にジョグダイヤルと同心円状の表示部が表されているが,本願意匠のように緩やかな細い円弧状のガイドも小型円形状のポインタも設けられてはいない。(g)意匠7には,一眼レフカメラの表示部に円弧状のインジケーターが表されているが,本願意匠のようにジョグダイヤルと同心円状ではなく,横方向に表されている。(h)意匠8には,ディスプレイに拡張された情報の表示を示す別の代替選択肢となる実施形態に倒U字状のインジケーターが表され,ユーザーによってアーティストモードが選択された実施形態の範例として2重の円弧状の表示が表されているが,本願意匠のようにダイヤルと同心円状に表されていない。(i)意匠9には,携帯電話の表示部に5桁表示の表示部を使用した例として文字が円弧状に配置されているが,本願意匠のように円弧状のガイドも小型円形状のポインタも設けられてはいない。(j)意匠10には,デジタルカメラの画像にジョグダイヤルと同心円状の円弧状の太幅の帯状の表示部の中に小型円形状のアイコンが配されているが,本願意匠のような細幅のガイドもポインタも表されていない。(k)意匠11には,デジタルカメラの画像にジョグダイヤルと同心円状の円弧状の太幅の帯状の表示部の中に小型円形状のアイコンが配されているが,ポインタは横長長方形状で本願意匠のような細幅のガイドも小型円形状ポインタも表されていない。
(3)創作容易性の判断
まず,(ア)この種のデジタル一眼レフカメラの分野においては,撮影条件に関する各種の数値を調整する際のインジケーターを表示部に設けることは本願出願前より既に行われていることである。本願意匠と意匠1及び意匠2は,細幅帯状のガイド及び移動する小型円形状ポインタを有する点については共通するが,ガイドの形状や位置及び大きさがそれぞれ異なり,ポインタの大きさも各種のものが見受けられ,本願意匠のガイドに対するポインタの大きさ等に係る具体的な態様がこれらの意匠から容易に創出し得るものということはできない。また,(イ)本願意匠と意匠10及び意匠11はジョグダイヤルの円に合わせた円弧状の帯状インジケーターを右寄りに設けた点については共通するが,表示部全体に対する幅や大きさが異なり,上下するポインタの有無や形状も異なり,ガイドの大きさやポインタが必然的に本願意匠のように表されるものでもない。本願意匠の態様は,表示部の右寄りに端部が隅丸状の細幅の円弧状のガイドを設け,ポインタがガイドに沿って上下し,ポインタを小型円形状としてガイドからはみ出す大きさに設け,ガイドの円弧をジョグダイヤルの円と概ね同心円状になるものとしたもので,このような態様のカメラのインジケーターは,前記の例示意匠の他,先行する意匠には見当たらず,意匠1及び意匠2と意匠10及び意匠11の円弧状を組み合わせても,本願意匠の態様が容易に創出し得るものとはいうことができない。次に,(ウ)ガイドの態様について,意匠3ないし意匠5には,円弧状のガイドが表されているが,いずれも円弧の長さや向き及び円弧の曲線が本願意匠のものとは異なり,また,意匠6ないし意匠9には回転操作を行うダイヤルに対応した円弧を有する表示画面が表されているが,いずれにも細幅帯状の円弧状のガイドは表されておらず,本願意匠は,表示部の右側寄りの細幅帯状の略8分の1円弧状としたものであって,この形状を有するガイドの態様は,本願意匠独自のものといえ,意匠1ないし意匠11を組み合わせたとしても本願意匠の態様を導き出すことはできない。
そうすると,本願意匠の表示部の右寄りにジョグダイヤルと略同心円状に設けられた細幅の略8分の1円弧状ガイドの態様及びガイドに沿って上下する小型円形状のポインタからなる態様は,本願意匠の独特の態様といえるもので,このような大きさの円弧状ガイド及びポインタをガイドからはみ出す大きさに設けた態様は,当業者であれば容易に創作することができたとはいえず,本願意匠は,その出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に創作をすることができた意匠に該当しない。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しないものであり,同法同条同項により拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-08-31 
出願番号 意願2010-4084(D2010-4084) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (J3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 下村 圭子 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 瓜本 忠夫
遠藤 行久
登録日 2012-09-28 
登録番号 意匠登録第1453870号(D1453870) 
代理人 五味 飛鳥 
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