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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 F4
管理番号 1275184 
審判番号 不服2012-23293
総通号数 163 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2013-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2012-11-26 
確定日 2013-05-22 
意匠に係る物品 包装用瓶 
事件の表示 意願2011-23661「包装用瓶」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとした,平成23年(2011年)10月14日付けの意匠登録出願であり,その意匠(以下,「本願意匠」ともいう。)は,意匠に係る物品を「包装用瓶」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載したとおりとするものであり,「実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分の境界のみを示す線である。背面図は正面図と,右側面図は左側面図と同一に表れるので背面図及び,右側面図を省略した。正面図,左側面図,平面図,斜視図,A-A線部分拡大図,B-B線部分拡大図及び,C-C線部分拡大図において,稜線上に表されている破切れた細線は模様を表す線ではなく,立体表面の形状を表す線である」としたもの(以下,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」ともいう。)である。(別紙第1参照)

第2 原審の拒絶の理由
原審における拒絶の理由は,具体的には下記のとおりである。



「この意匠登録出願の意匠は,下記に示すように,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められますので,意匠法第3条第2項の規定に該当します。

この意匠登録出願の意匠は,包装用瓶に係るものですが,この種物品の分野に於いては,瓶本体の周面に凹凸模様を種々の態様で表したものが本願の出願前より普通に見受けられる(例えば,意匠1,意匠2)ところ,この出願の意匠は,日本国内において広く知られた略角丸四角柱状の瓶本体(例えば,意匠3)の対峙する周側2面に,上下に余地を残して縦凹条5本を普通の態様で表し,意匠登録を受けようとする部分としたにすぎませんので,容易に創作できたものと認められます。

意匠1
特許庁総合情報館が1995年11月22日に受け入れた(株)光文社発行の
雑誌『ジェイ・ジェイ』 1996年1月1日1号
第7頁所載
包装用容器の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HA07028791号)

意匠2
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2005年2月7日に受け入れた(US)アメリカ合衆国発行の
外国雑誌『VOGUE』 2号195巻
第33頁所載
包装用瓶の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HB17001436号)

意匠3
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2007年2月23日に受け入れた有限会社九州蜂の子本舗発行の
カタログ『みつばち工房 花の道』
第2頁所載
包装用容器の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HC18068535号)」

なお,拒絶査定においては,下記のとおりの記載がなされていた。
「意見書及び手続補正書を提出し,本願の意匠は,容易に創作することができたものではない旨主張されましたが,本願の意匠登録を受けようとする部分の基本形状は,略角丸四角柱状で先の拒絶理由通知書に例示の意匠3に共通しており,本願の意匠は,その上端部を,四側面にわたって延びる回転曲面とし,上端部を除く四側面の上部は,円弧状としたものですが,本願の意匠と同様のものが,出願前よりみうけられ(例えば,意匠登録第290943号の意匠,意匠登録第1311407号の意匠),そこに評価できるような創作性をみいだすことはできません。また,本願の意匠の対峙する二つの側面の縦長凹条は端部を弧状としていますが,その変形自体ありふれた手法による常套的範囲内のもので,特段の工夫をしたと言える程のものではありません。
したがって,意見書の主張は採用することができません」

第3 当審の判断
以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。

1.本願意匠の形態
本願意匠は,本体とふたからなる包装用瓶であって,本願部分は,その本体の肩部と,本体周面下縁部を除いた本体周面部であって,その部分の意匠(以下,「本願部分意匠」という。)は,本体部は,水平断面形状が,4辺がやや膨出した角丸の略正方形(以下,「角丸三味線胴形」という。)であって,その正面側と背面側には,本体上下端に余地を残した状態で同長の浅い断面略弓形の5本の垂直溝を設けた態様であり,肩部は,本体上端にある首部つけ根から本体周面部までの,略ふたの肉厚分のごく狭い幅の一定角度の(直線的な)傾斜面であって,この肩部と本体各周面は,上向き円弧状稜線で接しているものである。

2.各引用意匠の形態
(1)引用意匠1(別紙第2参照)
拒絶理由で言うところの「意匠1」である「引用意匠1」は,水平断面形状が略倒水滴形の本体の,本体周面における水滴形の先尖側部分にごく細い垂直溝を本体周面上端と下端に余地を残して4本設けた態様である。
(2)引用意匠2(別紙第3参照)
拒絶理由で言うところの「意匠2」である「引用意匠2」は,六角柱の瓶本体の側面一つおきに6本の断面略V字状垂直溝を本体の上下端を貫くように,設けた態様である。
(3)引用意匠3(別紙第4参照)
拒絶理由で言うところの「意匠3」である「引用意匠3」は,略角丸四角柱の瓶であって,その肩部は水平面であって,曲面によって本体周面とつながっている態様である。
(4)引用意匠4(別紙第5参照)
拒絶査定で示された意匠登録第290943号の意匠(以下,「引用意匠4」という。)は,「包装用壜(びん)」に係るものであって,奥行きの長さに対して横幅の長さが約2倍になっている水平断面形状が角丸長方形の本体部を持ったものであり,その肩部の形状は,上方に膨出した曲面であって,首部つけ根から本体上端にかけて,水平断面形状が正円から角丸長方形に徐々に変化している態様である。
(5)引用意匠5(別紙第6参照)
拒絶査定で示された意匠登録第1311407号の意匠(以下,「引用意匠5」という。)は,「化粧品用容器」に係るものであって,本体の正面,背面,右側面及び左側面の上端がすべてアーチ状円弧となっており,その中央の最高地点が,容器の首つけ根と同じ高さであることから,肩部の面のうち,首部中心から(正面側,背面側,右側及び左側の各方向に)放射状に延びる十字路部分は水平であり,その他の肩部の面は本体周面上端のアーチ状円弧の下端になる本体角部分に向けて下がってゆく態様である。

3.本願意匠の創作の容易性について
本願部分意匠の形態のうちの具体的構成態様である,本体周面の上下端に余地を残して,複数本の垂直溝を設けた態様は,引用意匠1に,肩部と本体各周面が上向き円弧状稜線で接している態様は,引用意匠4及び引用意匠5に表れているが,一方で,引用意匠3の本体部水平断面形状は,角丸四角と認定できても,本願部分意匠の様な角丸三味線胴形か否かは不明であり,そして,一定角度の斜面である本願部分意匠の肩部の態様と同様の態様が,上記の引用意匠1ないし5のいずれにも表れていないから,その態様は,本願部分意匠の独自の着想と言え,したがって,本願意匠は,上記引用意匠に基づいて,直ちに容易に創作ができたものということはできない。

4.結び
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-05-09 
出願番号 意願2011-23661(D2011-23661) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 小林 裕和 
特許庁審判長 川崎 芳孝
特許庁審判官 斉藤 孝恵
橘 崇生
登録日 2013-06-07 
登録番号 意匠登録第1474169号(D1474169) 
代理人 熊倉 禎男 
代理人 村社 厚夫 
代理人 井野 砂里 
代理人 弟子丸 健 
代理人 辻居 幸一 
代理人 倉澤 伊知郎 
代理人 松下 満 
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