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審判番号(事件番号) データベース 権利
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不服201312378 審決 意匠
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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 A1
管理番号 1282281 
審判番号 不服2013-11668
総通号数 169 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-06-19 
確定日 2013-11-19 
意匠に係る物品 キャンディ 
事件の表示 意願2011- 29668「キャンディ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠

本願は,平成23年(2011年)6月30日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,物品の部分について意匠登録を受けようとした,平成23年(2011年)12月21日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「キャンディ」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)は,願書の記載及び願書に添付した図面に記載のとおりとしたもので,その記載内容によると,「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を実線で,それ以外の部分を破線で示している。」(以下,意匠登録を受けようとする部分を,「本願実線部分」という)としたものである。(別紙第1参照)

すなわち,本願意匠に係る物品は「キャンディ」であり,本願意匠は,全体形状を略四角柱状の透明体とし,その上部を,略中央部から四方に向かって緩やかに下る湾曲凸面状の傾斜面を有する形状とし,4つの垂直角部を角丸状としたものであって,本願実線部分は,その内部略中心部に配され,形態は,略釣鐘状で,その上部は略半球状とし,周側部は下部に向かって緩やかに広がり,下部寄り4分の1程度から下端部にかけて急激にラッパ状に広がる形状としたものである。


第2 原査定における拒絶の理由

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであって,具体的には,以下のとおりである。


製造食品の分野において,本体を透明の食材とし,内部に種々の形状の食材を配置することは,本願出願前より極普通に行われているありふれた手法であり(例えば,意匠2,意匠3,意匠4),この意匠登録出願の意匠は,本願出願前に公然知られたものと認められる略立方体の菓子の意匠(意匠1)の内部に,ありふれた手法で,本願出願前より公然知られたものと認められる菓子の意匠(意匠5)をほとんどそのまま配置した程度に過ぎないので,容易に創作できたものと認められます。

【意匠1】(別紙第2参照)
1983年6月5日に(株)製菓実験社が発行した「製菓製パン」595巻第94頁左上隅に記載
菓子の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第J58015321号)

【意匠2】(別紙第3参照)
独立行政法人工業所有権総合情報館が2003年2月13日に受け入れた
家庭画報 2003年3月1日3号 第127頁所載
菓子の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HA14028991号)

【意匠3】(別紙第4参照)
独立行政法人工業所有権総合情報館が2003年6月10日に受け入れた
和樂 2003年7月1日7号 第166頁所載
菓子の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HA15009959号)

【意匠4】(別紙第5参照)
独立行政法人工業所有権総合情報館が2004年7月1日に受け入れた 家庭画報2004年8月1日8号 第194頁所載
菓子の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HA16014109号)

【意匠5】(別紙第6参照)
特許庁総合情報館が1993年 7月 9日に受け入れた
大韓民国意匠公報 1993年 3月20日 第1頁所載
菓子の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH05034599号)


第3 当審の判断

1.本願実線部分の形態
本願実線部分の形態は,「第1 本願意匠」で述べたとおりである。

2.原審が引用した意匠の形態
【意匠1】意匠1は,菓子であって,全体形状を略四角柱状の透明体とし,内部略中心部に略楕円球状の別物品を配置したものである。

【意匠2】意匠2は,菓子であって,全体形状を略半球状の透明体とし,内部に花形状の別物品を配置したものである。

【意匠3】意匠3は,菓子であって,全体形状を略半球状の透明体とし,内部に略球状の別物品を配置したものである。

【意匠4】意匠4は,菓子であって,全体形状を略半球状の透明体とし,内部に金魚形状の別物品を配置したものである。

【意匠5】意匠5は,菓子であって,上部が丸みを帯びた略円錐状の下端部寄りの周側面をを緩やかに拡張した略釣鐘状を呈したもので,上部には穿孔が施された吊り提げ部を有するものである。

3.本願意匠の創作容易性について
請求人の主張を踏まえ,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,すなわち,本願意匠が容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。

(1)本願意匠の基本的な構成について
製造食品の分野において透明な食材の内部に種々の形態の物品を配置するすることは,【意匠1】,【意匠2】,【意匠3】及び【意匠4】に見られるように公然知られている態様であって,透明食材の内部に別途物品を配置することに創作としての困難性は見あたらない。

(2)本願実線部分の形態について
本願実線部分は,その形態を略釣鐘状とするもので,具体的構成態様としては,上部を略半球状とし,周側部は下部に向かって緩やかに広がり,下部寄り4分の1程度は下端部にかけて急激にラッパ状に広がるものであって,吊り提げ部や突起部といった要素は有さない。このような形態のものは,本願出願前には見あたらず,本願意匠は,直ちに容易に創作ができたものということはできない。

(3)本願実線部分の位置,大きさ及び範囲について
本願実線部分のように,略四角柱状の食材の内部略中央に別物品を配置することは,製造食品において【意匠1】に見られるように公然知られた態様であって,本願実線部分の位置,大きさ及び範囲について意匠の創作として特段の困難性を見ることはできない。

(4)小括
以上のように,(1)及び(3)によって,透明食材の内部略中心部に,別物品を配置した態様は,この種製造食品においてはいずれも本願出願前に公然知られた態様であるが,(2)本願実線部分の形態については,基礎となる公然知られた具体的態様が本願出願前に見あたらず,本願意匠の特徴的な創作によるものというべきであるから,本願意匠は,本願出願前に公然知られた意匠に多少の改変を加えた程度であるということはできず,本願実線部分の態様は,【意匠1】ないし【意匠5】から,容易に導き出せるものではないから,当業者であれば,容易に創作することができたということはできない。


第4 むすび

以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項が規定する,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状の結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたときに該当しないので,原査定の拒絶の理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。


よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2013-11-06 
出願番号 意願2011-29668(D2011-29668) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (A1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 上島 靖範 
特許庁審判長 原田 雅美
特許庁審判官 富永 亘
橘 崇生
登録日 2013-12-27 
登録番号 意匠登録第1489262号(D1489262) 
代理人 藤田 和子 
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