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審決分類 審判 査定不服  意10条1号類似意匠 取り消して登録 C3
管理番号 1288628 
審判番号 不服2013-12761
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-07-04 
確定日 2014-05-15 
意匠に係る物品 ケース付洗浄ブラシ 
事件の表示 意願2012- 18660「ケース付洗浄ブラシ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成24年(2012年)8月3日付けで出願された,本意匠を意願2012-18658号(意匠登録第1463918号)とする関連意匠の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,本願の願書の記載によれば,意匠に係る物品を「ケース付洗浄ブラシ」とし,形態を,願書の記載及び願書に添付された図面代用写真に現されたとおりとしたものである。(別紙参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び本意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は,願書に記載した本意匠に類似する意匠と認められないから,意匠法第10条第1項の規定に該当しないとしたものである。本意匠の意願2012-18658号(意匠登録第1463918号)は,平成24年(2012年)8月3日付けで意匠登録出願され,平成25年(2013年)1月23日付けで登録料の納付と同時に,意匠法第14条第1項の規定により本願に係る意匠を秘密にすることを請求(秘密の期間は36月。)され,その後,同年2月8日に意匠権の設定登録がされ,同年3月11日に意匠公報が発行されて,同法第20条第4項の規定により同法同条第3項第4号を除く事項が同公報に記載されたものである。
なお,本意匠は,本意匠の出願の願書の記載によれば,意匠に係る物品を「ケース付洗浄ブラシ」とし,形態を,願書の記載及び願書に添付された図面代用写真に現されたとおりとしたものである。

第3 当審の判断
そこで,当審において,本願意匠が意匠法第10条第1項の規定に該当するか否かを判断するため,本願意匠と本意匠(以下「両意匠」という。)が類似するか否かについて検討する。
1 両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「ケース付洗浄ブラシ」であり,本意匠の意匠に係る物品も「ケース付洗浄ブラシ」であるので,両意匠の意匠に係る物品は同一である。
(2)両意匠の形態
両意匠の形態には,主として,以下の共通点と差異点が認められる。
ア 共通点
基本的構成態様として,以下の共通点が認められる。
(A)基本的構成態様について
全体が,洗浄ブラシ及び略筒状ケース(以下,単に「ケース」という。)であって,ケースの上面中央孔から洗浄ブラシの柄である把持部(以下,単に「把持部」という。)が突出して,同孔の周縁にケースを持つための取手部(以下,単に「取手部」という。)が突設されたものである。
また,具体的態様として,以下の共通点が認められる。
(B)把持部,取手部,及びケースの構成態様について
把持部と取手部は,正面から見て,ケース上面中央から外開き状に広がっており,その広がりの最大幅はケースの横幅とほぼ同じである。そして,把持部と取手部の高さの比は約3:2で把持部の方が高くなっている。また,側面から見ると,把持部と取手部は,横幅がほぼ同じでケースの横幅の約2/7を占めており,把持部とケースの高さの比が約9:11となっている。
(C)把持部と取手部の形状について
把持部と取手部は,共に内側が開いた略半円筒状に形成されており,側面から見ると,上端が先細り状に表れている。正面から見ると,取手部は外側に反り返っており,取手部の外側の稜線と内側の稜線は,共に弧状線に表れて,先端が先細り状になっている。そして,把持部は,右上方に伸びて,下端付近が取手部に覆われており,先端寄りを除く把持部の外側の稜線と内側の稜線は,共に略直線状にほぼ平行に表れて,先端付近は外側に反り返って先端が先細り状になり,内側の稜線の下端付近がやや上側に膨らんでいる。また,取手部の左側面部下端付近には,上端が先細りの縦長係止孔が設けられており,洗浄ブラシの把持部下方に設けられた係止突起が嵌合されている。
(D)ケースの態様について
正面から見て,ケースの縦横比は,約2:1であり,上端中央から真下方向に伸びて,下端寄りで弧を描いて右に曲がる略L字状の分割線が形成されており,分割線左側のケース本体部の下部右端を支点として,この分割線から,右側のケース蓋部が右に開く。また,左側面から見ると,ケースの中央上端寄りに五つの同大の小円形通気孔が縦に並んで配されている。
(E)縦長係止孔と小円通気孔の構成態様について
左側面から見て,縦長係止孔の最下端の横幅と,小円通気孔の直径が,ほぼ同じ大きさであり,縦長係止孔の縦幅と,五つの小円通気孔が並んだ縦幅も,ほぼ同じ大きさである。
イ 差異点
一方,両意匠には,具体的態様として,以下の差異点が認められる。
(ア)ケースの形状について
本願意匠のケースの形状は,側面の角部を丸面状にした略縦長直方体であるのに対して,本意匠のケースの形状は,中央やや上が括れた略縦長円柱であり,上面が正面視(及び背面視)凸弧状に,側面視凹弧状に表れた,いわゆる鞍形状に形成されている。

2 両意匠の類否判断
(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,共に「ケース付洗浄ブラシ」であるので,両意匠の意匠に係る物品は同一である。
(2)形態の共通点の評価
両意匠は取手部によって持ち運びが可能であるから,使用者は,取手部の位置や形状に注意を払い,また,洗浄ブラシを使用する際にも,手でつかむ把持部の位置や形状に注意を払うことになる。したがって,両意匠の類否判断においては,俯瞰した両意匠の全体形状を評価するとともに,特に取手部や把持部の構成態様が醸し出すまとまりについても評価することとなる。
そうすると,両意匠の共通点(A),(B),及び(C)で指摘した,把持部と取手部の共通点は,特に構成比率や形状が同一であることから,一定した美的印象を醸し出しており,看者に対して視覚を通じてまとまった一つの美感を与えているというべきであって,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすものである。
また,両意匠の共通点(D)及び(E)についても,略L字状の分割線や,縦長係止孔と小円通気孔の構成態様が,看者に共通の視覚的印象を与えるものであって,該分割線からケース蓋部が右に開く点は,使用時において特に着目されるものでもあるので,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすといえる。
(3)形態の差異点の評価
これに対して,前記認定した差異点(ア)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,以下のとおり小さいものであって,上記共通点が看者に与える美感を覆すほどのものではない。
先ず,ケースの形状について,本願意匠は略縦長直方体の側面の角部が丸面状であることから,略縦長円柱である本意匠との差異はそれ程目立ず,看者がその差異に注意を払うとはいい難いので,両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
次に,本意匠のケースが括れている点と上面が鞍形状に形成されている点については,括れておらず,鞍形状ではない本願意匠の形状の方がむしろありふれていること,及び,本意匠のようにケースが括れて,上面を鞍形状に形成した意匠が,この種物品において既に見受けられることから,括れや鞍形状の有無の差異は,看者の目を特段惹くものではないので,両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
(4)小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品が同一であり,形態においても,共通点は,看者に対して視覚を通じてまとまった一つの美感を与え,両意匠の類否判断に支配的な影響を及ぼすものと認められるのに対して,差異点は,いずれも両意匠の類否判断に及ぼす影響が小さく,これらがあいまって生じる視覚的効果を考慮しても,共通点が看者に与える美感を覆して,両意匠を別異のものと印象付けるほどのものとはいえないから,本願意匠は,本意匠である意願2012-18658号(意匠登録第1463918号)の意匠に類似するものと認められる。
なお,本願は,出願日が本意匠の出願日と同日であるので,出願日に関して意匠法第10条第1項の要件を充足している。

第4 むすび
以上のとおり,本願意匠は,意匠法第10条第1項に規定する意匠に該当するから,原審の拒絶理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-04-30 
出願番号 意願2012-18660(D2012-18660) 
審決分類 D 1 8・ 3- WY (C3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 杉山 太一 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 小林 裕和
橘 崇生
登録日 2014-06-27 
登録番号 意匠登録第1503695号(D1503695) 
復代理人 太田 隆司 
代理人 北村 修一郎 
復代理人 宮地 正浩 
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