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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 H7
管理番号 1288630 
審判番号 不服2013-20608
総通号数 175 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2014-07-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2013-10-23 
確定日 2014-05-13 
意匠に係る物品 機械式駐車場用コントロールパネル 
事件の表示 意願2012- 26527「機械式駐車場用コントロールパネル」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品に表示される物品の操作の用に供される画像の部分について意匠登録を受けようとし,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする平成24年(2012年)10月31日の意匠登録出願で,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は,「機械式駐車場用コントロールパネル」であり,その形態は,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりのものであり,「実線で表した部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(以下,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願意匠部分」という。)(別紙第1参照)

すなわち,本願意匠は,機械式駐車場に対する車両の入庫動作又は出庫動作の開始指示をするための機能を発揮できる状態にするために行われる操作に用いられる画像であり,本願意匠部分は,車両の格納場所に対応した格納場所表示部(以下「格納場所表示ボタン」という。)のうちの一部分であり,その用途・機能は,車両の格納場所を表示し,希望する格納場所表示ボタンを選択操作することによって,車両の入庫動作又は出庫動作の開始指示を行うことである。

本願意匠部分の位置,大きさ,及び範囲は,横長長方形画面中央付近に,同形同大の格納場所表示ボタンを縦に5個ずつ左右2列,具体的には,この左右2列の格納場所表示ボタンは,横長長方形画面の,左右方向はやや右寄り,上下方向は僅かに上寄りに位置し,左右列の間には格納場所表示ボタン2個分弱程度の間隔を設け,上下段の間にはごく僅かな間隔しかないものであるが,本願意匠部分は,その2列の格納場所表示ボタンのうちの上から3番目の左右に配置された2つの格納場所表示ボタンの部分である。

本願意匠部分の形態は,左右に離れて配置した二つの格納場所表示ボタンを,それぞれ同形同大の,四隅をごく小さく切り欠いた隅切正方形状としたものである。

第2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであって,具体的には,この意匠登録出願に係る機械式駐車場用コントロールパネルの分野に限らず,広く画像を利用して物品の操作を行う物品分野において,略正方形のアイコンをやや離間させて横に並べることは,画像1,画像2にみられるように本願出願前より極普通に行われているありふれた手法であるところ,この意匠登録出願の意匠は,上記ありふれた手法に基づき,周知の略正方形状のアイコンをやや離間させて並べ,機械式駐車場用コントロールパネルの画像として表したに過ぎないので,容易に創作できたものと認められる,というものである。

【画像1】 (別紙第2参照)
特許庁発行の意匠公報記載,意匠登録第1393276号の意匠
(クレーン車テンションロープアーム操作用表示機の意匠)の表示部に表された画像(「正面図」に表された画像)

【画像2】 (別紙第3参照)
特許庁意匠課が2005年5月13日に受け入れたカタログ『タッチディスプレイ』第2頁所載 LCDパネルに表示された画像
(特許庁意匠課公知資料番号第HC17007547号)
(平成17年度内国カタログNO.58)

第3 請求人の主張の要点
本願の表示部拡大図に表した画像は,画像1及び画像2で示されたメニュー画面やON・OFFボタンが羅列された操作画面と異なり,機械式駐車場独自の操作のため,「機械式駐車場」の「車両格納場所」に対応したボタンが表示されたものである。すなわち,本願の「意匠登録を受けようとする部分」は,現物の上下方向に並行に2列に配置された複数の車両格納場所のうち,ある1段の「車両格納場所」に対応している。また,本願の「意匠登録を受けようとする部分」の二つの略正方形は,本願の表示部参考図に表した「リフト」が通過する部分に相当する間隔が空けられて配置されている。
そのため,本願意匠は,「機械式駐車場」という物品の知識を用いて創作されたものであり,特定の物品の知識を用いないでメニュー画面や操作画面が創作されたというものではない。したがって,「広く画像を利用して物品の操作を行う物品分野」における通常の知識を有する者では,本願意匠の創作をすることが困難である。
また,上下方向に並行に2列に車両格納場所が配置されている「機械式駐車場」では,一定面積の敷地に対して格納車両数を増加させるため,「車両格納場所」は,本願の表示部拡大図に表した画像のように,上下5段では少なく,5段を超えて「車両格納場所」が設けられていることが一般的である。そして,「機械式駐車場」分野における通常の知識を有する者は,「機械式駐車場用コントロールパネル」を創作する際,「機械式駐車場」に設けられている全ての段(5段を超えた数)を一つの画像内に納めて画像を創作すると思われる。
一方,本願の創作者は,全ての段を一つの画像内に納めて,全体が確認可能な一覧表示をさせるのではなく,あえて,限られた段のみ(本願の表示部拡大図に表した画像では5段)を抽出して表示するという手法を採用している。
さらに,従前の「機械式駐車場用コントロールパネル」に係る意匠では,画面上にリフトが通過する部分に相当する間隔を空けて配置する発想がなく,「略正方形のアイコンをやや離間させて横に並べるという手法」はありふれた手法といえない。
よって,本願意匠は,当業者にとって斬新であり,当業者では容易に創作することが困難であると思料する。したがって,本願意匠は,当業者が容易に意匠の創作をすることができたものとは認められない。

第4 当審の判断
本願意匠は,物品に表示される,物品の操作の用に供される画像の,部分についての創作であるところ,部分意匠における意匠法第3条第2項の適用においては,「意匠登録を受けようとする部分」の形態が,意匠登録出願前に公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて,その意匠の属する分野における通常の知識を有する者であれば容易に創作することができたものであるか否かを考慮することはもちろん,当該部分の用途及び機能,また当該部分の位置,大きさ,範囲について,当該物品全体の形態の中で,当該部分の具体的なその位置,大きさ,範囲が当業者にとってありふれているか否かを考慮する必要がある。以下,これを踏まえて,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性を検討する。

本願意匠は,機械式駐車場への車両の入庫又は出庫動作の開始指示をするための機能を発揮できる状態にするために行われる操作に用いられる画像であるところ,まず,本願意匠を構成する各格納場所表示ボタンの形態そのものは四隅をごく小さく切り欠いた隅切正方形状という例示するまでも無くありふれた形状である。また,同形同大の略正方形状格納場所表示ボタンを,縦に数個ずつ左右を離間させた状態で2列に整列配置した態様は,画像2に見られるように,本願出願前に公然知られた態様である。
しかしながら,本願意匠部分の位置,大きさ,範囲,なかんずくその位置については,まず,横長長方形画面中央付近に,同形同大の格納場所表示ボタンを縦に5個ずつ左右2列並べた,本願意匠部分を含む格納場所表示ボタン2列の位置が,横長長方形画面の,左右方向はやや右寄り,上下方向は僅かに上寄りであり,格納場所表示ボタン左右列の配置態様も,左右列間に格納場所表示ボタン2個弱程度の間隔を設け,上下段の間にはごく僅かな間隔しかない態様を採用し,そのうちの上から3番目の左右に配置された2つの格納場所表示ボタンの部分が本願意匠部分であるが,本願意匠部分の具体的な位置,大きさ,範囲は,拒絶理由通知において例示した画像1及び同2のいずれにも表れておらず,本願出願前に公然知られたこの種操作画像における表示ボタンの配置態様においても,この具体的な配置態様を認めることができない。
本願意匠を,その形態のみならず本願意匠部分の位置,大きさ,範囲を含めて,本願意匠の創作が容易であるか否かについて考察するとき,本願意匠部分の具体的な位置,大きさ,範囲といった配置態様は,画像1及び画像2に表された各部の形状は配列手法をほとんどそのまま用いた,あるいは,この種物品分野においてよく見られる多少の改変を加えた程度とは言えないものであって,本願意匠の形態を本願意匠部分の配置態様で表すことは,本願意匠の特徴的な着想によるものと言うべきであり,本願意匠は,存在する公知の態様に多少の改変を加えた程度の創作によるものであるということはできない。
したがって,本願意匠の態様は,画像1及び画像2の存在を前提として,容易に導き出せるものではなく,当業者であれば,本願意匠を容易に創作することができたということはできない。

第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しないものであり,原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2014-04-24 
出願番号 意願2012-26527(D2012-26527) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (H7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木村 智加 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 綿貫 浩一
江塚 尚弘
登録日 2014-06-20 
登録番号 意匠登録第1502855号(D1502855) 
代理人 上田 邦生 
代理人 藤田 考晴 
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