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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 B7
管理番号 1299388 
審判番号 不服2011-25213
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2011-11-22 
確定日 2012-03-21 
意匠に係る物品 化粧用フェイスマスク 
事件の表示 意願2011- 7111「化粧用フェイスマスク」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は、登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,2011年(平成23年)3月29日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品が「化粧用フェイスマスク」であり,その形態が願書及び願書添付の図面に記載されたとおりのものであり,「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(別紙第1参照)

第2 原審の拒絶の理由
本願意匠に対する原審の拒絶の理由は,本願意匠が,本願意匠出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであって,具体的には,以下のとおりである。
この意匠登録出願の意匠は,化粧用フェイスマスクに係るものであるが,この種物品の分野に於いて被覆面に,突起を設けたり,模様を表したりすることが普通に行われている(例えば,意匠1,意匠2,意匠3,意匠4)ところ,この出願の意匠は,日本国内において広く知られた化粧用フェイスマスク(意匠5)の目にあたる部分を挟んで上,下の被覆面,鼻にあたる部分の脇の被覆面,即ち顔のツボとして従来より知られた陽白,承泣,迎香にあたる部分に,左右対称に計6個の略Cの字状を細線で表し,部分意匠として登録を受けようとする部分の意匠としたにすぎない。

意匠1(別紙第2参照)
特許庁発行の登録実用新案公報記載 実用新案登録第3077263号 [図面]1マスクの意匠
意匠2(別紙第3参照)
特許庁発行の公開特許公報記載 特開2000-201734
[図2]マスクの意匠
意匠3(別紙第4参照)
特許庁発行の公開特許公報記載 特開2007-222367
[図1]美容パック用シートの意匠
意匠4(別紙第5参照)
特許庁発行の公開特許公報記載 特開2005-211425
[図5]フェイスシートの意匠
意匠5(別紙第6参照)
特許庁発行の公開特許公報記載 特開2010-142263
[図2]No30フェイスマスクの意匠

第3 請求人の主張の要点
本願意匠は「化粧用フェイスマスク」に係る意匠であって,薄いシートの目と口にあたる部分を開口部,鼻にあたる部分を切れ込みとし,C字を90度反時計回りに回転させたマスク表面から裏面を貫通する略C字状の切れ込み部を計6個設けている。
審査官の挙げた引用意匠1?4の模様や突起は,本願意匠のように「略C字状」に形成されているものでもなく,表面から裏面を貫通する「切れ込み」からなるものでもない。
また,本願意匠に係る物品分野において切れ込み形状を略C字状とすることがありふれた手法であるとの証拠も一切提示されていない。
更に,略C字状の切れ込み部の位置及び配列においても,本願意匠は略C字状部分が目にあたる部分の上側に各1個,鼻にあたる部分の両脇に縦に各2個の計6個設けられている。
略C字状部分は,需要者が着用時に指で押してマッサージすることも考えられるが,顔面においてツボとなる部分は多数存在しており,仮にその全てに略C字状部分を配置すると,例えば引用意匠2のように外観のうえで煩雑に見えてしまい,需要者に美感を起こさせない。
そこで,本願意匠は,当該部分を上記の数,配置とするようにし,左右対称かつ上下に亘っても目にあたる部分上側の各1個,鼻にあたる部分両脇の縦2個をできるだけ位置を接近させほぼ縦一列になるように配置するなど,全体としてまとまりがあり,すっきりと見せるよう工夫している。
よって,本願意匠は,略C字状の切れ込み部の形状,配列・位置において引用意匠1?4とは異なるものであり,これらが相俟って独自の創作性を発揮する意匠であるといえ,その出願前に当業者が公知の形状等に基づいて容易に創作をすることができた意匠には当たらず,原査定を取り消す,この出願の意匠はこれを登録すべきものとする,との審決を求める。

第4 当審の判断
1.本願意匠
本願意匠は,意匠に係る物品を「化粧用フェイスマスク」とし,不織布や織布等に化粧水や美容液等を含浸させて使用するものであって,部分意匠として意匠登録と受けようとする部分は,顔のツボの位置を示すための,裏面まで貫通した,目の孔部の幅の約1/5の直径の正円の,上部の一部が切り込まれていない略円形状の切り込み部(以下,「略円形切り込み部」という。)であって,略円形切り込み部は,目の孔部の上側に各1個,鼻の切り込み部の両脇に縦に各2個の,合計6個が,それぞれ左右対称位置に設けられ,裏面にも,各略円形切り込み部が表面と同一に表れている。

2.原審の拒絶の理由に引用された意匠1ないし意匠5について
意匠1は,プラスチック製の磁石装着マスクに係るマスクの表面の形態であって,当該マスクの中央付近に設けられた目,鼻,口の4つの孔部の周囲には,磁石を貼る位置を示す9つの小径の黒点が,顔の中の陽白,引堂,太陽,下関,大迎と呼ばれるツボの位置に表されている。
意匠2は,顔部全体のマッサージを容易にする美顔用のマスクに係るマスクの裏面の形態であって,当該マスク裏面の中央付近に設けられた目,口の3つの孔部及び略カップ型の鼻の切り込み部を除き,マスク裏面ほぼ全面に,顔全体のツボを一度に押すことができる,小径の略半球状突起が散点状に多数設けられている。
意匠3は,美容パック用シートに係るシートの裏面の形態であって,顔面部皮下組織中に存在するリンパ管の位置に相応して,小突起が略水平な列状に7列,裏面のほぼ全面に表されている。
意匠4は,シートタイプの化粧品に係るシートの表面の形態であって,当該マスク表面中央付近に設けられた目,口の3つの孔部及び略カップ型の鼻の切り込み部の周囲に印刷されたやや大きな花柄模様が6つ表されている。
意匠5は,化粧液を保持させたフェイスマスク係るマスクの表面の形態であって,全体は,角丸略三角形状であり,フェイスマスク中央やや上部には,横長楕円形状の目の孔部が2個,また,その下方に,やや浅い略カップ型の鼻の切り込み部が1個所,更にその下方には,横長略楕円形状の口の孔部が1個設けられ,頭部に相当する周縁部には,放射状に短い3本の切り込み部,そして頬及び顎に相当する周縁部には,放射状に4本のやや長い切り込み部が設けられている。

3.本願意匠が容易に創作することができたか否かの判断
検討するに,この種の化粧用フェイスマスクの分野において,被覆面に,顔のツボを刺激するための突起を設けたり,キャラクター等の装飾模様,あるいは,使用方法,キャッチフレーズ,宣伝広告等の文字を表したりすることが,意匠1ないし意匠4に見られるとおり,本願出願前より公然知られているとしても,被覆面に本願意匠のような,顔のツボの位置を示すための,裏面まで貫通した切り込み部を散点状に設けたものは,本願意匠の略円形状とは異なる形状としたものですら,発見することができない。
また,本願意匠の略円形切り込み部が設けられた位置につき,本願意匠の各略円形切り込み部は,従来より知られた顔のツボの位置を示すものではあるが,この種物品においては,顔全面に多数あると言われているツボの中から,どのようなツボをいくつ選択するかは,意匠1及び意匠2にも見られるとおり,様々な態様のものが認められる。
そのような中にあって,本願意匠は,目と鼻の周囲に散点する6個のツボを選択して,意匠5に見られる化粧用フェイスマスクの当該ツボの位置に略円形切り込み部を配置し,形態的に一体性のある独自の美感を生じさせたものであり,そのような態様は,他の意匠には発見しない態様である。
以上のとおりであるので,本願意匠は,その出願前に当業者が日本国内又は外国において公然知られた意匠1ないし意匠5に基づいて容易に創作することができた意匠とはいえない。

第5 むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当せず,原審の拒絶の理由によっては,拒絶すべきものとすることができない。
また,本願意匠について,他に拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2012-03-05 
出願番号 意願2011-7111(D2011-7111) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (B7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 小林 裕和 
特許庁審判長 川崎 芳孝
特許庁審判官 遠藤 行久
斉藤 孝恵
登録日 2012-05-11 
登録番号 意匠登録第1443072号(D1443072) 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
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