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審判番号(事件番号) データベース 権利
不服20153322 審決 意匠
不服201422102 審決 意匠

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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1
管理番号 1299398 
審判番号 不服2014-21480
総通号数 185 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-05-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-10-23 
確定日 2015-03-20 
意匠に係る物品 ケーブル付きコネクタ 
事件の表示 意願2013- 19982「ケーブル付きコネクタ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,部分意匠として意匠登録を受けようとする,パリ条約による優先権を主張した優先日が2012年12月3日(アメリカ合衆国)であって,原出願を意願2013-12387号とする意匠法第10条の2第1項の規定による分割出願であり,平成25年(2013年)6月3日に出願したものとする意匠登録出願である。その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「ケーブル付きコネクタ」とし,その形態は,願書の記載及び願書添付の図面に記載されたとおりのもので,「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を実線で,それ以外の部分を破線で表している。」(以下,本願において,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願実線部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由および引用意匠
原査定において,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとして,拒絶の理由に引用された意匠(以下,「引用意匠」という。)は,
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日)2009年3月2日
受入日 特許庁意匠課受入2009年3月6日
掲載者 Kohl’s Illinois, Inc.
掲載ページのアドレス http://www.kohls.com/upgrade/webstore/zoom_popup.jsp?productId=845524892419164
に掲載された「コネクター」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HJ20067228号)であって,
本願の意匠登録を受けようとする部分に相当する部分(以下,この部分を「引用相当部分」という。)であり,その形態は,同ページに掲載された写真に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品
両意匠を対比すると,まず,意匠に係る物品については,本願意匠は,「ケーブル付きコネクタ」で,引用意匠は,「コネクター」であるが,両意匠は,いずれも片側にケーブルを接続し,反対側を挿入部として機器などに差し込んで接続できるようにしたコネクタであり,両意匠の意匠に係る物品は共通する。
(2)用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
本願実線部分と引用相当部分(以下,「両部分」という。)は,ともにコネクタのうちケーブル部を除いたケーシングである本体部(以下,「本体部」という。)と,本体部の先端に突出している,機器などに差し込んで用いられるプラグ型のコネクタ端子部(以下,「コネクタ端子部」という。)とその反対側に設けられたケーブル接続用ブッシング部(以下,「ブッシング部」という。)に係るものであり,引用相当部分も同様であるから,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通する。
(3)形態
両部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。
なお,両部分の形態を同じ方向から対比するため,引用相当部分を本願実線部分の向きに揃えたものとして,以下,それぞれ形態を認定,対比する。
(3-1)共通点
(A)全体を偏平な略直方体形状のケーシングである本体部と,本体部の先端に突出している,本体部よりさらに偏平で一回り小さいコネクタ端子部と,その反対側の略円筒形状のブッシング部からなるものとした点,
(B)本体部を平面視略D字形状とし,コネクタ端子部を含め全体を上下対称形状とした点,
において主に共通する。
(3-2)差異点
(ア)本体部の平面視の横と縦の長さ比について,本願実線部分は,長さ比が約1:1.14で正方形状に近いのに対して,引用相当部分は,約1:1.67で縦長長方形状である点,
(イ)本体部の左右側面部について,本願実線部分は,平坦面であるのに対して,引用相当部分は,側面視横長長方形状の薄い突起部を設けている点,
(ウ)本体部の正面視の高さと横幅について,本願実線部分は,偏平で正面視の横幅が広いのに対して,引用相当部分は,高さがあり正面視の横幅が狭い点,
(エ)本体部のコネクタ側の周側面について,本願実線部分は,端部周囲を凸弧状に面取りし,周側面は平坦面であるのに対して,引用相当部分は,細い筋状の凹溝を周側面に1条設けている点,
(オ)コネクタ端子部の平面視の横幅と本体部の横幅の割合の比が,本願実線部分は,約1:5で本体部に対するコネクタ端子部の平面視の横幅の割合が小さいのに対して,引用相当部分は,約1:2.2で本体部に対するコネクタ端子部の平面視の横幅の割合が大きめである点,
(カ)側面視した場合におけるコネクタ端子部の位置について,本願実線部分は,本体部の正面側の上下中央からやや下寄りにかけてコネクタ端子部を設けているのに対して,引用相当部分は,コネクタ端子部の位置が不明である点,
(キ)ブッシング部の形状について,本願実線部分は,蛇腹状に細い凹凸状が表面にあり平面視した縦の長さより横幅が長いのに対して,引用相当部分は,凹凸状が表面になく平面視した縦の長さと同程度の横幅である点,
において主な差異が認められる。

4.類否判断
(1)両意匠の意匠に係る物品及び両部分の意匠の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通する。
(2)両部分の形態について
共通点全体として両部分の類否判断に与える影響を考慮しても,両部分の類否判断を決定付けるに至るということはできない。
これに対して,差異点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両部分の類否判断を決定付けるものである。
(2-1)共通点
まず,共通点(A)については,全体の基本構成であるが,全体を偏平な略直方体形状のケーシングである本体部と,本体部の先端に突出している,本体部よりさらに偏平で一回り小さいコネクタ端子部と,反対側の略円筒形状のブッシング部からなるものとした態様は,この種の物品分野においては他にも見られるもので,両部分のみに認められる格別の特徴とはいえず,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度に留まるものである。
また,共通点(B)についても,本体部を平面視略D字形状とし,コネクタ端子部を含め全体を上下対称形状とした態様について共通しているが,さほど特徴のないもので,両部分のみに共通する態様とはいえず,両部分の類否判断に及ぼす影響は微弱なものに過ぎないものである。
そうして,共通点全体として両部分の類否判断に与える影響を考慮しても,両部分の類否判断を決定付けるに至るということはできない。
(2-2)差異点
これに対して,差異点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両部分の類否判断を決定付けるものである。
すなわち,差異点(ア)については,本体部の平面視の横と縦の長さについては,需要者がプラグ型のコネクタを使用する際には,実際に手で触る部分に係るもので,需要者の注意を惹く本体部の平面視のプロポーションに係るもので,正方形状に近い本願実線部分と,長方形状である引用相当部分とでは,需要者に与える印象を異ならせるものであり,その差異は,両部分の類否判断に影響を与えるものといえる。
次に,差異点(イ)についても,本体部の左右側面部の態様に係るもので,見る者の注意を惹く部分といえるもので,側面視横長長方形状の薄い突起部を設けている引用相当部分と平坦面である本願実線部分とでは,使用時に触った感触も大きく異なるものであるから,需要者に与える印象を異ならせるものであり,その差異は,両部分の類否判断に大きな影響を与えるものといえる。
そして,差異点(ウ)についても,本体部の正面視の高さと横幅に係るもので,全体が偏平で幅広い本願実線部分と高さがあり狭い引用相当部分では,正面視した全体の印象に影響を及ぼすものであるから,前記差異点(ア)及び差異点(イ)と相俟って需要者に与える印象を異ならせるものであり,その差異は,両部分の意匠の類否判断に影響を与えるものといえる。
また,差異点(エ)については,部分的な細部に係る差異ではあるが,面取りや筋状凹溝の有無は明確に認識できるもので,両部分の差異は,需要者に別異な印象を与えるものであり,両部分の類否判断に一定程度の影響を与えるものといえる。
そして,差異点(オ)についても,コネクタ端子部の平面視の横幅の割合に係るもので,使用時に見る者の注意を惹く部分といえるものであって,本体部と比較してコネクタ部の横幅の割合が小さい本願実線部分とコネクタ部の横幅の割合が大きい引用相当部分では,平面視した全体の印象に影響を及ぼすものであるから,前記差異点(ア)と相俟って需要者に与える印象を異ならせるものであり,その差異は,両部分の類否判断に影響を与えるものといえる。
また,差異点(カ)についても,やや下寄りにコネクタ端子部を設けている本願実線部分の態様は,この種のプラグ型のコネクタの分野において,他にはあまり見られない態様であり,使用時に需要者が注意を払う部位に係るものでもあるため,コネクタ端子部の位置が不明である引用相当部分と比較すると,特徴的な印象を与えるものであり,その差異は,両部分の類否判断に一定程度の影響を与えるものといえる。
さらに,差異点(キ)についても,ブッシング部の形状について,この部分の差異については,本体部やコネクタ部の態様に比較すれば部分的な細部に係る差異ではあるが,凹凸状の有無は明確に認識できるもので,両部分の差異は,需要者に別異な印象を与えるものであり,両部分の類否判断に僅かではあるが影響を与えるものといえる。
(3)小括
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が共通し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が共通するものであるが,両部分の形態において,差異点が共通点を凌駕し,それらが両部分全体として需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-03-05 
出願番号 意願2013-19982(D2013-19982) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 宮田 莊平 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 斉藤 孝恵
江塚 尚弘
登録日 2015-04-10 
登録番号 意匠登録第1523516号(D1523516) 
代理人 恩田 誠 
代理人 恩田 博宣 
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