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審決分類 審判 査定不服  意7条一意匠一出願 取り消して登録 D3
管理番号 1301626 
審判番号 不服2015-1812
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-01-29 
確定日 2015-06-09 
意匠に係る物品 天井吊下げ灯具本体 
事件の表示 意願2014- 3737「天井吊下げ灯具本体」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成26年(2014年)2月25日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,出願当初の願書の【意匠に係る物品】の欄の記載によれば,意匠に係る物品を出願当初「照明器具」とし,その後「天井吊下げ灯具本体」とし,その形態は,願書及び願書添付の図面に記載したとおりのものであって,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を実線で表し,一点鎖線で意匠登録を受けようとする部分とそれ以外の部分との境界を示したものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)。(別紙参照)

第2 原審における拒絶の理由
原審の拒絶の理由は,以下のとおりである。
「この意匠登録出願は,経済産業省令で定める物品の区分又はそれと同程度の区分により意匠ごとにされているものとは認められませんので,意匠法第7条に規定する要件を満たしていません。」
そして,以下のとおり付記をした。
「この意匠登録出願は,部分意匠による出願ですが,願書及び添付図面の記載によると,一つの物品の中に形態的又は機能的な一体性の認められない物理的に分離した二以上の部分意匠を表したものを二つ(添付図面中,平面斜視図において一点鎖線で囲われた範囲及び底面斜視図において一点鎖線で囲われた範囲の二つの部分),表したものですから,二つ以上の意匠を一つの出願で行ったものと認められます。」

第3 請求人の主張の要点
本願意匠については,本願意匠は既存のソケットに取り付けることを可能にした有機EL等のフラットな透光部を有するものである。
1.形態的一体性
本願部分は,平面側から見た外形は正方形で,底面側から見た外形も正方形であって,これらの正方形は寸分の狂いなく同一形態であり,このことから,本願部分の形態的一体性は充分であると考える。
2.機能的一体性
本願部分は,仮に「物理的に分離した二以上の「意匠登録を受けようとする部分」であっても,全体として一つの機能を果たすことから一体的に創作される関係にあるもの(意匠審査基準 第7部 第1章 71.7.1.2.1)」と言うことができ,すなわち,給電部分と,発光部分とは,「発光させるためには給電することが必要不可欠」であり,全体として一つの機能を果たすことからすると本願部分の機能的一体性は充分であると考える。
上記理由から,本願意匠は「意匠法第7条に規定する要件を満たしていません」とした原査定は解消されるものと確信する。

第4 当審の判断
本願が,意匠法第7条の要件を満たす意匠ごとの出願であるか否かについて,以下検討する。
(1)本願意匠
本願意匠は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,意匠に係る物品が天井吊下げ灯具本体に係るものであって,具体的には,添付図面において,本願部分を含む全体は,下面に発光部が設けられた略正方板状の発光部外装部の上面側に,略伏せた朝顔状の外装部を接合してなだらかに形成されたものであって,本願部分は,その高さ方向,上から約三分の一の周面を一周する一点鎖線と,その下方,該略正方板状の発光部外装部の上面の,該略伏せた朝顔状の外装部円縁に接する正方形状の一点鎖線とによって区画し,その間の形状を実線で表した範囲と,さらに下面の発光部を同様の正方形状に一点鎖線によって区画した範囲からなるものであって,外観においては,前記2つの範囲が表されているが,添付図面を仔細に見ると、本願意匠を縦断する「内部機構を省略したA-A断面図」において,該略伏せた朝顔状の外装部と接合されて一体となっている該略正方板状の発光部外装部と,該下面の発光部は,該略正方板状の発光部外装部の上面を正方形状に区画し,下面の発光部を同様の正方形状にそれぞれ区画した一点鎖線部の位置より内側で一体に接合されている。
(2)本願意匠が一意匠として認められるか否かの判断
そこで本願意匠を見ると,前記(1)で認定したとおりのものであるから,天井吊下げ灯具本体の上から約三分の一の周面を一周する一点鎖線と,その下方,該略正方板状の発光部外装部上面の,該略伏せた朝顔状の外装部円縁に接する正方形状の一点鎖線とによって区画した範囲とさらに下面の発光部を正方形状に一点鎖線によって区画した範囲は,外観上2つの区画された範囲に見えるとしても,「内部機構を省略したA-A断面図」に表された接合部位を経て,互いに接続され一体となったものであるから,本願意匠は,物理的に分離した二つの意匠登録を受けようとする部分からなるものとはいえず,一体のものであるというべきである。
また,本願意匠が物理的に分離した二つの部分からなるものとはいえず,一体のものである以上,形体的一体性及び機能的一体性については,判断を要するものではない。
したがって,本願は,意匠法第7条に規定する意匠ごとになされた出願であると認められる。

第5 むすび
以上のとおり,本願は,意匠法第7条に規定する要件を満たしていないとの原審拒絶理由により,拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-05-28 
出願番号 意願2014-3737(D2014-3737) 
審決分類 D 1 8・ 52- WY (D3)
最終処分 成立  
前審関与審査官 佐々木 朝康 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 渡邉 久美
清野 貴雄
登録日 2015-06-19 
登録番号 意匠登録第1529338号(D1529338) 
代理人 稲葉 忠彦 
代理人 松井 重明 
代理人 倉谷 泰孝 
代理人 松井 重明 
代理人 倉谷 泰孝 
代理人 村上 加奈子 
代理人 村上 加奈子 
代理人 稲葉 忠彦 

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