• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 C1
管理番号 1301628 
審判番号 不服2015-109
総通号数 187 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-01-05 
確定日 2015-06-09 
意匠に係る物品 すだれ 
事件の表示 意願2013- 2146「すだれ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠

本願は,平成25年(2013年)2月4日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付された図面代用写真によれば,意匠に係る物品を「すだれ」とし,その形状,模様,色彩又はそれらの結合(以下,「形態」ともいう。)を願書及び願書に添付された図面代用写真に現されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)


第2 原査定における拒絶の理由,及び引用意匠

原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には以下のとおりである。

「この意匠登録出願の意匠は,すだれに係るものですが,この種物品分野において,すだれを開口部の幅に合わせて広幅の横長長方形状に形成すること(引例意匠1)および,すだれ材の織り紐を二重線にすること(引例意匠2,3)は本願出願前に普通に行われている手法ですから,本願の意匠は,出願前に公然知られたすだれの意匠(引例意匠4)を出願前に普通行われている手法で広幅の横長長方形状に形成し,織り紐を二重線に表したまでのものですから,容易に創作できたものと認められます。

【引例意匠1】 (別紙第2参照)
特許庁発行の登録実用新案公報記載
実用新案登録第3135355号
すだれ用昇降具の【図5】に表された「すだれ」の意匠

【引例意匠2】 (別紙第3参照)
特許庁発行の公開実用新案公報記載
昭和59年実用新案出願公開第141889号
ロールアップすだれの「第4図」に表された「すだれ」の意匠

【引例意匠3】 (別紙第4参照)
特許庁意匠課が2001年 3月 2日に受け入れた内国カタログ「Chikuen No.8」
第67頁所載の「すだれ」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HN12023452号)

【引例意匠4】 (別紙第5参照)
特許庁意匠課が2001年 3月 2日に受け入れた内国カタログ「Chikuen No.8」
第67頁所載の「すだれ」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HN12023450号)」


第3 当審の判断

以下,本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か,すなわち,本願意匠が,この意匠の属する分野における通常の知識を有する者が容易に創作することができたものであるか否かについて検討する。

1 本願意匠の認定

本願意匠の意匠に係る物品は「すだれ」であり,本願意匠の形態は,次のとおりである。

(1) 基本的構成態様
縦横比を約2:3とし,上下端にすだれの横幅と同じ長さの支持部材を設けたものである。
なお,本願意匠の大きさについて,願書及び願書に添付された図面代用写真の記載からは,横長のすだれである本願意匠が,軒すだれのような横幅を半間としたものであるのか,横幅を約一間とした比較的大きなものであるかは不明である。

(2) 具体的態様
ア 上下端の支持部材に黒い丸竹を用い,
イ-1 すだれの織り紐は,二重線の黒い織り紐を24組(合計48本)とし,
イ-2 二重線の間隔と隣り合う二重線との間隔との比を約1:2となるよう織り込んでおり,
ウ すだれ材には着色せず,すだれ材が本来備えている自然の色合いを活かしたものである。

2 創作非容易性の判断

本願意匠の基本的構成態様である縦横比を2:3としたことについて,原査定においては,引例意匠1を示したが,引例意匠1は,縦横比が約1:1のすだれの意匠であり,広幅の横長長方形に形成することが普通に行われている手法であることの根拠として妥当ではない。
そこで,本願意匠の縦横比を約2:3としたことについて,当審において改めて検討したところ,この種のすだれは,通常住宅内外の窓付近に設置されるものであるから,横幅については,半間又は一間に近い幅とされる一方,縦幅については,窓全面を覆うものから軒すだれのように窓の上部のみ覆うものもあって多様であり,すだれの縦横比は固定されたものではないことから,本願意匠の縦横比を約2:3とすることは,本願意匠の横幅が半間であるか一間であるかにかかわらず,本願出願前から普通に行われていた縦横比の構成の範囲内ということができ,ありふれた手法であるということができる。

しかし,一方で,すだれ材の織り紐を二重線にすることについて,引例意匠2及び引例意匠3を示した上で,本願出願前に普通に行われている手法であるとした原査定の判断は,以下の理由により不適切である。

【理由1】
本願意匠の織り紐にかかる形態は,二重線の黒い織り紐を24組(合計48本)とし,二重線の間隔と隣り合う二重線との間隔との比を約1:2となるよう織り込んだものであり,本願出願前に普通に行われている手法として判断するためには,織り紐を二重線とすることのみを示しても,二重線の織り紐を密に配することを示さないままでは,その根拠として不十分であるといわざるを得ない。

【理由2】
また,すだれの形態が看者に与える視覚的効果は,織り紐の形態とすだれ材の形態とがあいまって独特の印象を生じさせているといえるのであって,織り紐の形態のみをもって,本願意匠の創作非容易性を判断することはできない。

そうすると,本願意匠の縦横比を約2:3とすることは,ありふれた手法であるといえるものの,引例意匠2及び引例意匠3の織り紐の形態のみをもって,この意匠の属する分野における通常の知識を有する者が容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。


第4 むすび

以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項が規定する,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に創作をすることができたとはいえないものであるから,原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-05-22 
出願番号 意願2013-2146(D2013-2146) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (C1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木村 恭子内藤 弘樹 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 久保田 大輔
江塚 尚弘
登録日 2015-06-26 
登録番号 意匠登録第1529723号(D1529723) 
代理人 ▲高▼荒 新一 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ