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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H1 |
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管理番号 | 1301629 |
審判番号 | 不服2014-25826 |
総通号数 | 187 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2015-07-31 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2014-12-18 |
確定日 | 2015-06-09 |
意匠に係る物品 | 発光ダイオードランプ |
事件の表示 | 意願2013- 13806「発光ダイオードランプ」拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,平成25年(2013年)6月19日付けの,意匠登録第1499072号を本意匠とする,関連意匠の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「発光ダイオードランプ」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照) 2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,独立行政法人工業所有権総合情報館が2004年2月27日に受け入れた,2004年2月25日に発行された,内国雑誌「遊技通信」第1293号の第74頁に所載の「電飾用LEDランプ」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA16000528号)(以下,「引用意匠」といい,本願意匠と引用意匠を併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同雑誌に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照) 3.当審の判断 (1)意匠に係る物品 両意匠を対比すると,意匠に係る物品は,「発光ダイオードランプ」と「電飾用LEDランプ」であって,表記は異なるが,共に発光ダイオードランプであるので,共通する。 (2)形態 両意匠の形態を対比すると,以下に示す共通点と差異点が主に認められる。 (2-1)共通点 略倒立円錐台形の本体部に半球状の透光部を載せ,本体部下端には口金部を設けた,正面視でしゃもじ様のランプとした点,において共通する。 (2-2)差異点 (a)透光部の高さに対する本体部の高さの比に関し,本願意匠は,約2倍としているのに対し,引用意匠は,約1倍としている点, (b)本体部と口金部の間の態様に関し,本願意匠は,径を,本体部の下端の径より僅かに小さめとした,扁平な倒立円錐台を設けているのに対し,引用意匠は,本体部下端と同径の極めて細い輪状のものを設けている点, (c)本体部の下端の径に対する口金の径の比に関し,本願意匠は,約0.6倍と細身にしているのに対し,引用意匠は,ほぼ同じにしている点, (d)本体部の外形状に関し,本願意匠は,本体部の上端から約5分の2の位置まで極めて緩やかな外に張り出す曲線とし,それより下方を直線としているのに対し,引用意匠は,本体部の上端から約8分の7までを外側に凸の円弧状とし,その下端を扁平な円筒状として,略腕状としている点, に差異が認められる。 (3)類否判断 両意匠を比較した場合,共通点は,発光ダイオードランプにおいて,ごく普通の構成の一つであり,この共通性のみをもって両意匠の類否判断を決するものとはいえない。 これに対して,差異点(a)の,透光部の高さに対する本体部の高さの比の差異についても,差異点(c)の,本体部の下端の面の径に対する口金の径の比の差異についても,いずれも,この種物品分野においては,ごく普通に見られる比率であるから,これらの点は,両意匠の類否判断における影響は小さいが,差異点(b)の,丈の短い倒立円錐台を本体部と口金部の間に設けることは,それが小さな範囲におけるものとしても,類否判断に無視できない影響を与えるものであり,さらに,差異点(d)の,本体部の外形状の差異については,引用意匠の態様には見られない直線状の態様が本願意匠の本体部の大半を占めている点を考えると,この目立った差異が見る者の注意を惹き,類否判断に及ぼす影響は大きい。 以上のとおりであって,これらの差異点がもたらす印象は,共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである。 したがって,両意匠は,意匠に係る物品は共通しているが,その形態については,両意匠の共通点及び差異点の視覚的効果を総合的に判断すると,差異点が共通点を圧し,両意匠は,類似しないものと言える。 4.結び 以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当すると言うことはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,本意匠と本願意匠との,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2015-05-26 |
出願番号 | 意願2013-13806(D2013-13806) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(H1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 清水 玲香 |
特許庁審判長 |
斉藤 孝恵 |
特許庁審判官 |
橘 崇生 宮田 莊平 |
登録日 | 2015-06-19 |
登録番号 | 意匠登録第1529504号(D1529504) |
代理人 | 松井 重明 |
代理人 | 村上 加奈子 |
代理人 | 稲葉 忠彦 |
代理人 | 稲葉 忠彦 |
代理人 | 倉谷 泰孝 |
代理人 | 松井 重明 |
代理人 | 倉谷 泰孝 |
代理人 | 村上 加奈子 |