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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効2014880019 審決 意匠
不服20153322 審決 意匠
不服201424574 審決 意匠
不服20161855 審決 意匠

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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 E1
管理番号 1304018 
審判番号 不服2014-23233
総通号数 189 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-11-14 
確定日 2015-07-06 
意匠に係る物品 組立おもちゃ用型紙 
事件の表示 意願2013- 27906「組立おもちゃ用型紙」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成25年(2013年)11月28日に出願されたものであり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書の記載及び願書に添付した図面によれば,意匠に係る物品を「組立おもちゃ用型紙」とし,その形態を,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条1項3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠は,本願の出願前に特許庁発行の登録実用新案公報に掲載された実用新案登録第3122516号(【図1】の模様や文字を除いたペーパークラフト)の意匠(以下,「引用意匠」という。)であり,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

第3 当審の判断
以下,本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)を対比することにより,両意匠の共通点及び相違点の認定,評価を行い,本願意匠が,引用意匠に類似するか否かについて判断する。
なお,本願意匠の図面の向きを引用意匠の図面の向きに合わせて認定する。具体的には,本願意匠の平面図を右に90度回転させたものを平面図として,本願意匠の他の図もそれに倣って認定する。

1.両意匠の共通点及び相違点の認定
(1)両意匠の共通点の認定
意匠に係る物品は,本願意匠が「組立おもちゃ用型紙」であり,引用意匠が「ペーパークラフト」である。両物品ともに,折り目に沿って折り曲げることにより三次元の形態を形成するためのものである点が共通する。
形態については,主に,以下の(A)及び(B)の点が共通する。
(A)全体が平面的で,六面体を組み立てることができるように,平面図において正方形の領域(以下,「正方形部」と言う。)が6つ表れたものであり,そのうちの4つは縦一列に表れ,残りの2つは上から二つめの正方形部の両側に1つずつ表れ,全体を縦横比が約4対3の略十字形状としている。
(B)上から一つめの正方形部が上辺及び左右両辺,二つめの正方形部の右側に配置された正方形部が右辺,同じく二つめの正方形部の左側に配置された正方形部が左辺,そして,三つめの正方形部が左右両辺,に突出片(以下,「糊代部」と言う。)を備えている。

(2)両意匠の相違点の認定
形態について,主に,以下の(ア-1)ないし(エ)の点が相違する。
(ア)上から一つめの正方形部について
(ア-1)上辺の糊代部は,本願意匠が略等脚台形状で,その突出の高さが正方形部の一辺の長さの約2分の1であるのに対して,引用意匠が角を丸くした長方形状で,その突出の高さが正方形部の一辺の長さの約5分の1である。
(ア-2)左右辺の糊代部は,本願意匠が略等脚台形状で,その突出の高さが正方形部の一辺の長さの約7分の3であるのに対して,引用意匠が左右非対称に表れる略直角台形状で,その突出の高さが正方形部の一辺の長さの約7分の2である。
(ア-3)上辺の中央に,本願意匠は,正方形部の一辺の約2分の1の長さのスリット状の差し込み口を備えているが,引用意匠は,備えていない。
(イ)上から二つめの正方形部の左右に配置された正方形部について
右側に配置された正方形部においては右辺の糊代部,左側に配置された正方形部においては左辺の糊代部は,本願意匠の糊代部が略等脚台形状で,その突出の高さが正方形部の一辺の長さの約6分の1であるのに対して,引用意匠の突出片が角を丸くした長方形で,その突出の高さが正方形部の一辺の長さの約5分の1である。
(ウ)上から三つめの正方形部について
その左右両辺の糊代部は,本願意匠が略等脚台形状で,その突出の高さが正方形部の一辺の長さの約7分の3であるのに対して,引用意匠が左右非対称に表れる略直角台形状で,その突出の高さが正方形部の一辺の長さの約7分の2である。
(エ)上から四つめの正方形部について
その下辺中央に,本願意匠は,略等脚台形状の係止片を備えているのに対して,引用意匠は,備えていない。

2.両意匠の共通点及び相違点の評価
(1)両意匠の共通点の評価
共通点(A)及び(B)からなる態様,つまり,全体を縦横比が約4対3の略十字形状とし,正方形部に適宜糊代部を備えた態様は,両意匠を大まかに捉えたものであり,縦横比が約4対3の略十字形状は,六面体を組み立てる平面体として普通に見られる態様であるから,特に看者の注意を惹くものとは言えず,また,正方形部に備えられた糊代の位置にも特段の特徴は認められない。
したがって,共通点(A)及び(B)が,両意匠の類否判断に及ぼす影響を大きく評価することはできない。

(2)両意匠の相違点の評価
相違点(ア-1)は,上から一つめの四角形部における上辺の糊代部が略等脚台形状であるか,それとも角部を丸くした長方形であるかという,当該物品分野における糊代部の形状としてありふれた態様の対比における相違であるものの,その突出する高さの相違が目立ち,相違点(ア-1)が両意匠の類否判断に及ぼす影響を軽視することはできない。
相違点(ア-2)の,上から一つめの四角形部における左右辺の糊代部が略等脚台形状であるか,それとも左右非対称形の略直角台形状であるかという点は,当該物品分野における糊代部の形状としてありふれた態様の対比における相違であるものの,組み立てた六面体同士を結合する際に連結具ともなる本願意匠の当該糊代部は,その突出する高さが,引用意匠のそれよりも高く突出し,特徴的なものとなっているから,相違点(ア-2)が両意匠の類否判断に及ぼす影響を軽視することはできない。
相違点(ア-3)は,差し込み口の有無であるが,折り目にスリット状に表れるものであって,あまり目立たず,ありふれた態様でもあるから,相違点(ア-3)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
相違点(イ)は,上から二つめの正方形部の左右に配置された正方形部における糊代部が略等脚台形状であるか,それとも角を丸くした長方形であるかという相違であるが,いずれも左右対称形であり,突出の高さにさほど違いはなく,略等脚台形状の内角が大きいことから,その形状の相違がさほど目立たず,また,いずれも当該物品分野における糊代部の形状としてありふれたものであることから,相違点(イ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
相違点(ウ)は,前記相違点(ア-2)の評価と同様,両意匠の類否判断に及ぼす影響を軽視することはできない。
相違点(エ)は,係止片の有無であるが,本願意匠が備えた係止片の態様に特段の形態的な特徴は認められないものの,係止片は大きく突出し,目に着きやすいことから,相違点(エ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響を軽視することはできない。

そうすると,相違点(ア-1),(ア-2),(ウ)及び(エ)は,これらが相俟って,両意匠に異なる印象を与え,その余の相違点の影響が小さいものであるとしても,相違点を総合すると,両意匠の相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいと言える。

3.両意匠の類否判断
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品については共通するものの,その形態においては,共通点は概括的なものであって,両意匠の類否判断を決するものとはならず,一方,相違点が相俟って生じる視覚的効果は,共通点のそれを凌駕するものであって,両意匠に異なる美感を起こさせるものである。
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと認められる。

第4 むすび
以上のとおり,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条同項の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-06-24 
出願番号 意願2013-27906(D2013-27906) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (E1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 石坂 陽子 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
正田 毅
登録日 2015-08-07 
登録番号 意匠登録第1532658号(D1532658) 
代理人 齊藤 整 
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