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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 F1
管理番号 1305035 
審判番号 不服2014-24872
総通号数 190 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2014-12-04 
確定日 2015-08-10 
意匠に係る物品 レーザーポインター 
事件の表示 意願2014- 5230「レーザーポインター」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする平成26年(2014年)3月12日の意匠登録出願であり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は,「レーザーポインター」であって,複数色のレーザー光を照射し,使用の際には,照射したい色に対応した光照射ボタン部を押してレーザー光を照射するものである。
そして,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」ともいう。)は,願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものであって,「実線で表した部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(以下,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願意匠部分」という。)(別紙第1参照)
具体的には,全体形状は,略扁平直方体状であって,正面視,略縦長長方形状であり,上端に照射部を設け正面を操作面とし,その(イ)操作面の長手方向照射部寄り,幅方向中央、その幅約1/2の範囲に(ロ)略円盤状のボタン部を(ハ)ほぼ等間隔に縦3列,横3列の格子状に,合計9個配置したものであって,横方向及び縦方向のボタン部同士の間隔は,該ボタン部幅とほぼ同尺として配置したものである。
その内,本願意匠部分は,該9個のボタン部分である。

第2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであって,具体的には,「本願意匠の意匠に係る物品は「レーザーポインター」であり,意匠登録を受けようとする部分は,9つの円形の操作ボタンが,ボタンの直径と近似した間隔を開けてレーザーポインターの正面やや上寄りに正方格子状に配列されたものと認められますが,本願意匠が属する物品分野に限らず広く各種の操作ボタンを備えた物品分野においては,操作ボタンをボタン直径と近似した間隔を開けて配すること(例えば,意匠1,意匠2参照。),操作ボタンを正方格子状に配列すること(例えば,意匠3,意匠4参照。),また,操作ボタンの数を9個とすること(例えば,意匠2,意匠3参照。)の何れも,従来から広く行われていることです。
本願意匠は,レーザーポインターの正面やや上寄りに,単なる円盤状の操作ボタンをありふれた正方格子状に9つ配列したに過ぎませんので,当業者であれば容易に創作出来たものと認められます。」
としたものである。
意匠1(別紙第2参照)
特許庁特許情報課が2006年 5月31日に受け入れた
2006年 3月22日発行の大韓民国意匠商標公報
(CD-ROM番号:2006-14)に記載された
意匠登録 第 30-0409396号の
リモートコントローラの意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH18511195号)

意匠2(別紙第3参照)
特許庁特許情報課が2006年11月24日に受け入れた
米国特許商標公報 2006年10月26日06W44号
リモートコントローラ(登録番号US D531136S)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH18344675号)

意匠3(別紙第4参照)
特許庁普及支援課が2011年12月27日に受け入れた
米国特許商標公報 2011年11月29日11W48号
オーディオコントロールアクセサリー(登録番号US D649532S)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH23320579号)

意匠4(別紙第5参照)
特許庁総合情報館が1999年10月 6日に受け入れた
Gifts & Houseware Vol.4 No.5 June 1999
第210頁所載
レーザーポインターの意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HD11009227号)

第3 請求人の主張の要点
これに対し,請求人は,審判を請求し,要旨以下のとおり主張した。

1 本願意匠を容易に創作することができたか否かについて
(1)意匠1乃至3の物品分野について
はじめに,意匠法第3条第2項は,公知の形態に基づいて当業者の立場からみて創作が容易であるか否かを問題とするものである。そのため,本願意匠の創作の容易性の有無を判断するに当たっては「レーザーポインター」の属する分野を踏まえた上での検討がされなければならない。
そこで,本件について検討するに,本願意匠に係る物品である「レーザーポインター」は,「レーザーを利用し,離れた場所のある一点を光で指し示すための装置」であり,「小型で携帯性に優れ,教育やプレゼンテーションの現場でよく用いられる」ものである。そのため,「レーザーポインター」にかかる意匠が創作されるに当たっては,上記のような用途や機能が考慮され,これによる一定の制約の下に創作されるものである。
まず,意匠1及び2は意匠に係る物品を「リモートコントローラ」とするものであり,「リモートコントロール」とは,「機器などを,離れた所から操作すること」を意味しており,したがって「リモートコントローラー」は,機器などを離れたところから操作するための機器を意味するものと考えられ,意匠3は,「オーディオコントロールアクセサリー」とするものであって,音響再生装置を制御するための附属品であると考えられる。
確かに原査定に記載のとおりいずれの物品も片手で保持して何らかの機能を発揮させるためにボタン部を押下して使用する電子機器である点では共通する面があるものの,レーザーポインターは,プレゼンテーション等において任意の場所をレーザー光で指し示すために使用されるという機能・用途を有しており,そのためにボタン部を押し続けて使用するものであるのに対して,リモートコントローラやオーディオコントロールアクセサリーは,任意の場所をレーザー光で指し示すという基本的な機能・用途を有さず,特定の機器の様々な機能を発揮させたり停止させたり選択したりするという機能・用途を有しており,ボタン部をごく短時間押すことで使用するものであり,レーザーポインターと意匠1乃至3に係る物品の機能等は大きく異なっている。そのため,レーザーポインターの当業者の立場に立つと,リモートコントローラやオーディオコントロールアクセサリーのボタン部の形態を採用して本願意匠のボタン部の形態を創作する理由は存在していない。
また,原査定においてはリモートコントローラやオーディオコントロールアクセサリーの形態に基づいてレーザーポインターの意匠を創作することがレーザーポインターの当業者にとってありふれた手法によってなされるものであるという具体的な事実は提示されていない。
以上より,本願意匠は,意匠1乃至3に表れた形態に基づいて当業者が容易に創作することができたものとは言えない。
なお,本願意匠は,願書の意匠に係る物品の説明に記載したように,複数色のレーザー光を照射することができるものであり,使用の際には,照射したい色に対応したボタン部を押してレーザー光を照射するものである。従来,レーザーポインターは単一もしくは二色のレーザー光を照射するものであり,三色以上のレーザー光を照射することは,内蔵する光源モジュールの機能上の制約から不可能であった。そのため,レーザー光を照射するためのボタン部を多数備えたレーザーポインターは存在していなかった。すなわち,本願意匠は,複数色(三色以上も可能)のレーザー光を選択的に照射するという新しい機能に起因して,新しい独自の発想に基づいて創作がなされた特徴的な意匠であり,公知の形態から容易に想到できるものではない。

(2)意匠4について
意匠4は,平成26年7月28日発送の拒絶理由通知において,ボタンを「正方格子状に配列すること」が従来から広く行われていることを示すために引用されたものである。
ところが、原査定においては,「意匠4についてはそれぞれの突起が個別に作動するボタンであるとまではいえないものの・・・」としている。
意匠4に表れた突起が個別に作動するボタンであるとはいえない場合,「ボタンを正方格子状に配列すること」が従来から広く行われていることを示すものということはできない。
意匠4においては,確かに,16個のドット状の部位が看取される。しかし,レーザーポインターという物品の特性上,レーザー光を照射するためには親指等でボタン部を押下するものであるが,意匠4に表れている1つ1つのドット状部は親指等で押下するには小さ過ぎるものであり,1つ1つのドット状部が個別のボタンとしての機能を果たすと認めることは困難である。 したがって,意匠4はボタンを「正方格子状に配列すること」を示すものということはできず,意匠4は本願意匠が当業者にとって容易に創作することができたことの根拠とすることはできないものである。

(3)形態について
(3-1)原査定の認定及び判断について
原査定の拒絶理由通知(平成26年7月28日発送)においては,
I)操作ボタンをボタン直径と近似した間隔を開けて配することが従来から広く行われていることを示すために,意匠1及び意匠2を引用し,
II)操作ボタンを正方格子状に配列することが従来から広く行われていることを示すために,意匠3及び意匠4を引用し,
III)操作ボタンの数を9個とすることが従来から広く行われていることを示すために,意匠2及び意匠3を引用している。(この意匠2に関しては合計14個の操作ボタンが表れており,「意匠1」の誤りであると考える。)
そして,上記の認定事実に基づいて,原査定において,本願意匠は,意匠1乃至4に基づいて容易に創作することができたものと判断している。
しかしながら,この判断は、意匠法第3条第2項の該当性について適切に検討されたものではなく,不当である。
前記のI)乃至III)のとおり,原査定は,操作ボタンをボタン直径と近似した間隔を開けて配する「こと」等が従来から広く行われている旨の事実を認定する。「こと」は,「思考・意識の対象となるものや,現象・行為・性質など抽象的なものをさす語」であり,これらの事実は具体的な「形状等」を示すものではなく,配置,配列等に関する態様を概念的・抽象的に示したものであり,いわば,「アイデア」の存在を示したものである。すなわち,意匠法第3条第2項を適用するに当たり必須の要件である「公然知られた形状等」の提示を欠くものであり,したがって,原査定の判断は不当である。
(3-2)
前記(3-1)に基づいても、原査定は取り消されるべきものと考えるが,加えて,引用された意匠1乃至4の存在によって本願意匠の創作非容易性が否定されるべきものではないことを以下に述べる。
原査定によると,本願意匠の構成態様を極めて概括的に捉えて,「レーザーポインターの正面やや上寄りに,単なる円盤状の操作ボタンをありふれた正方格子状に9つ配列したまでのもの」であると認定し,公知の形態を表した意匠1乃至4に基づいて容易に創作することができたものであると判断している。
しかしながら,本願意匠は,「9個の円形のボタンを,上段,中段、下段に分けて3個ずつレーザーポインターの正面やや上寄りに配し,左右のボタン同士の間隔は,ボタンの直径よりわずかに大きくし,上下のボタン同士の間隔は,ボタンの直径よりわずかに大きくした」構成を備える意匠であり,意匠1乃至4に表れている形態とは異なる独自の形態からなるものである。
意匠1乃至4においては,いずれも,本願意匠の構成要素である「正面やや上寄りにボタン部を配している」点,「左右のボタン同士の間隔がボタンの直径よりわずかに大きい」点,「上下のボタン同士の間隔がボタンの直径よりわずかに大きい」点が表れておらず,抽象的には「操作ボタンをボタン直径と近似した間隔を開けて配すること」,「操作ボタンを正方格子状に配列すること」,「操作ボタンの数を9個とすること」が知られているとしても,これらの公知意匠に基づいて一義的に本願意匠の「9個の円形のボタンを,上段,中段,下段に分けて3個ずつレーザーポインターの正面やや上寄りに配し,左右のボタン同士の間隔は,ボタンの直径よりわずかに大きくし,上下のボタン同士の間隔は,ボタンの直径よりわずかに大きくした」という,まとまりのある特徴的構成全体が実現されるものではない。本願意匠を創作するには,円形のボタンがとり得る様々な配置やボタン同士の間隔の中から,本願意匠に対応するものを選択し,あるいは改変し,組み合わせて形成していくことが必要であるため,当業者にとって容易に創作することができたと言えないものである。
レーザーポインターのボタン部においては,円形のボタンの配置やボタン同士の間隔について取り得る形態が様々あり,その組み合わせから創出される全体としての形態には極めて多くのバリエーションが存在する。そのような状況の中,本願意匠は「9個の円形のボタンを,上段,中段,下段に分けて3個ずつレーザーポインターの正面やや上寄りに配し,左右のボタン同士の間隔は,ボタンの直径よりわずかに大きくし,上下のボタン同士の間隔は,ボタンの直径よりわずかに大きくした」という本願意匠に特有のまとまり感のある特徴的な形態を備えており,当業者にとっては容易に創作できたものではない。

第4 当審の判断
請求人の主張を踏まえ,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,すなわち,本願意匠が容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。

1 引用意匠(意匠1乃至意匠4)について
(1)意匠1
意匠に係る物品は,「リモートコントローラ」であり,全体形状は,略扁平板状で正面視隅丸矩形状であり,操作面の長手方向略中央,幅一杯の範囲に円形のボタン部を間隔をあけて縦3列,横3列の格子状に計9個設けたものであってボタン部幅を1として,横方向間隔は約0.7 ,縦方向間隔を約1.3としたものである。

(2)意匠2
意匠に係る物品は,「リモートコントローラ」であり,全体形状は,照射部側下面が大きく刳れた正面視略細長直方体状であり,操作面の長手方向照射部側寄り,短辺側縁近くに1個,そのやや後方に4個,十字状にボタン部を配し,さらに後方,操作面の長手方向略中央,幅の約2/3の範囲に円盤状のボタン部を間隔をあけて縦3列,横3列の格子状に計9個設けたものであって,9個配置された部位のボタン部幅を1として,横方向間隔は約0.75,縦方向間隔を約1.25としたものである。

(3)意匠3
意匠に係る物品は,「オーディオコントロールアクセサリー」であり,全体形状は,略扁平長円柱状で,正面視略縦長長円形状であり,操作面の長手方向手元側寄りに円形平坦面部を設けその中央に,円形のボタン部を間隔をあけて縦3列,横3列の格子状に計9個設けたものであって,ボタン部幅を1として,横方向間隔は約0.5,縦方向間隔を約0.5としたものである。

(4)意匠4
意匠に係る物品は,「レーザーポインター」であり,全体形状は,略隅丸矩形板状で正面視隅丸矩形状であり,操作面の長手方向照射部側寄り,幅方向中央,その幅約1/3の範囲に小突出部を密集して縦4列,横4列の格子状に計16個設けたものである。

2 本願意匠の創作容易
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとするものであって,意匠に係る物品は「レーザーポインター」であり,その形態は,前記第1のとおりのものである。
物品の部分の意匠における創作容易性の判断については,当該部分の形態が,当該意匠登録出願前に公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて当業者であれば容易に創作することができたものであるか否かを判断すると共に,当該部分の用途及び機能を考慮し,「意匠登録を受けようとする部分」を当該物品全体の形態の中において,その位置,大きさ及び範囲とすることが,当業者にとってありふれた手法であるか否かを判断することにより行うべきところ,
本願意匠部分の位置,大きさ及び範囲について検討すると,(イ)の操作面の長手方向照射部寄り,幅方向中央,その幅約1/2の範囲にボタン部を設けた点は,このレーザーポインターの物品分野において,操作面の照射部寄りの位置にボタン部を設けたものは,意匠4に見られるようにごく普通に見受けられる態様であって,大きさにおいても手元でボタン部を押下できる程度のものと推認できるので,この種レーザーポインターの分野に照らしてありふれた程度の大きさのものであるといえ,レーザーポインターを手に持って使用するときに,ボタン部を自然に押下しやすい位置及び大きさとしたまでのものといえるから,格別の創作を要したものといえず,また,本願意匠部分の範囲においても,照射色の数に応じボタン部を9個配列したことにより,自ずと操作面の照射部寄りのその幅約1/2に渡ってボタン部を配した態様となって表れた程度のものであるから,格別の創作を要したものとはいえない。
よって,本願意匠部分の当該物品の形態の中における位置,大きさ及び範囲については,当業者にとって容易に想到できたものといえる。
次に本願意匠部分の形態について検討する。
(ロ)の略円盤状のボタン部の形態については,このレーザーポインターの物品分野に限らず,よく見られ例示するまでもなくありふれた態様である。 しかしながら,(ハ)のボタン部をほぼ等間隔に縦3列,横3列の格子状に合計9個配置し縦横方向のボタン部同士の間隔を該ボタン部幅とほぼ同尺とした点について,本願意匠は,レーザーポインターの物品分野におけるそのボタン部の機能において,それぞれのボタン部に対応したレーザー光を複数色照射するという機能を考慮した上で,(イ),(ロ)及び(ハ)の具体的態様を創出したものというべきであるから,意匠1乃至意匠4に基づいて容易に想到したものとはいえない。
すなわち,意匠1については,まず,本願意匠とは,具体的なボタン部の配置間隔が相違し,置き換えて,ほとんどそのまま本願意匠が想到できるというものではなく,また,意匠1の意匠に係る物品は,本願意匠とは異なる「リモートコントローラ」であり,手で把持し,ボタンによって操作を行い何らかの機能を実現するという点において同様であるものの,そのボタン部には,それぞれのボタンによって割り当てられた離れた機器の様々の操作を行う機能があると推認され,照射したい色に対応する光照射ボタン部を押してレーザー光を照射するという本願意匠のボタン部の機能と同様の機能を当該ボタン部が有するとはいえず,意匠1をもとにして本願意匠が容易に想到されたものとはいえない。
意匠2及び意匠3についても意匠1と同様に,具体的なボタン部の配置間隔が相違し,物品はそれぞれ「リモートコントローラ」,「オーディオコントロールアクセサリー」であるから,ボタン部の機能においても本願と相違するものであって,これらをもとにしてありふれた手法に基づいて改変を行うとしても本願意匠が容易に想到できるものではない。
そして,意匠4については,そのボタン部に対応する位置に設けられた密集した突起部は,その1つずつの突出部を押下することはその密集程度から困難であると推認され,それぞれの突出部が本願のボタン部に対応するような機能を有するものとは認定し得ず,意匠に係る物品は本願と同様の「レーザーポインター」ではあるものの,同等の機能を有する物品の部分を有しないものであって,意匠4をもとにして,ありふれた手法に基づいて改変を行っても本願意匠が容易に創作できたものとはいえない。
そうすると、本願意匠のそれぞれのボタン部に対応したレーザー光を複数色照射するという機能を備えた(イ),(ロ)及び(ハ)の態様は意匠1乃至意匠4をもとにして,容易に導き出せるものではない。

したがって,本願意匠は,当業者であれば,容易に創作することができたということはできない。

第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項が規定する,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたときに該当しないので,原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-07-24 
出願番号 意願2014-5230(D2014-5230) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (F1)
最終処分 成立  
前審関与審査官 木本 直美 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 清野 貴雄
渡邉 久美
登録日 2015-09-11 
登録番号 意匠登録第1535574号(D1535574) 
代理人 野間 悠 
代理人 長谷川 芳樹 

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