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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C6
管理番号 1306428 
審判番号 不服2015-7814
総通号数 191 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2015-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-04-27 
確定日 2015-10-06 
意匠に係る物品 冷蔵庫 
事件の表示 意願2013-19836「冷蔵庫」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,意願2013-19835号(審判番号;不服2015-7813号)の意匠を本意匠とする関連意匠に係る,平成25年(2013年)8月29日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「冷蔵庫」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
平成26年9月29日付けの,原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,独立行政法人工業所有権情報・研修館が2013年4月26日に受け入れたカタログ「▲龍▼▲■▼系列▲經▼▲濟▼款 立式▲發▼泡▲門▼冷藏&冷▲凍▼▲櫃▼ LZ/LZG系列」の第1ページに所載の「冷蔵庫」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HD25001860号)(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同カタログに記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,意匠に係る物品は,共に「冷蔵庫」で,一致している。

(2)形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。
(2-1)共通点
奥行きの短い,縦長直方体状の本体正面に上下2段,左右2列の,田の字状に扉を4枚設け,その上に,略扁平(へんぺい)直方体状の機械室を配したものであって,本体下側に4本の脚部を設けたもので,冷蔵室の扉に,開閉用取っ手を設けたり,装飾を設けたりせず,シンプルにした点。

(3-2)相違点
それに対して,基本的構成態様において,(ア)本願意匠は,本体の周囲に継目が表れているとおり,冷蔵室の上に機械室を載せた態様であるのに対して,引用意匠は,左右側面に,冷蔵庫上端から下端にまで至る側板を配した,大きな一体型のものに,下に冷蔵室を,その上に機械室を配した状態としたものである点,
具体的構成態様において,(イ)扉の位置について,本願意匠は,冷蔵室本体の前に,突出して貼り付けたように取り付けているのに対して,引用意匠は,前面が側板前面と位置レベルを合わせて面一(つらいち)として,本体に埋め込んだように配している点,(ウ)機械室正面の位置について,本願意匠は,前面に,突出して貼り付けたように化粧パネルを配しているのに対して,引用意匠は,左右側面に挟まれるようにして配している点,(エ)機械室正面パネルの態様について,本願意匠は,中央下方に小さい横長長円形の凹部を配しているのに対して,引用意匠は,左右側板まで接するように上下2本の水平溝を設け,黒色の横長長方形を左右に2つ並べた,上下辺を緩やかな凸弧状とする略横長長方形部をパネルの中央に配した点,(オ)手掛け形状について,本願意匠は,全ての扉の左側面(端面)に,水平断面形状を奥の隅を曲面とした略「レ」字状とした溝を扉の上端から下端まで連続して設けているのに対して,引用意匠は,手掛け用溝の形状は不明であり,観音開きと思われるが,扉の開閉の向きが明らかでない点,(カ)脚部の態様について,本願意匠は,柱状の脚としているのに対して,引用意匠は,キャスターとしている点,で主な相違が認められる。

(4)類否判断
両意匠は共に,通常の使用状態においては,正面側から見る事が一般的と考えられるものであるが,正面に上下2段,左右2列の,田の字状に扉を4枚設け,その上に略扁平直方体状の機械室を配した共通点は,この種物品においては,既にごく普通に見られる態様であるから,これらの共通性のみをもって両意匠の類否判断を決することはできない。
そして,冷蔵室の扉について,取っ手を設けたり,装飾を設けたりせずに,シンプルにした共通点は,両意匠の類否判断に若干の影響を与えていると認められる。
これに対して,基本的構成態様における相違点(ア)は,両意匠の類否判断に強く影響を与えるものであり,具体的構成態様の相違点(イ)及び同(ウ)から,本願意匠は,箱状本体の前に,機械室化粧パネルと扉を貼り付けたと認識する態様であるのに対して,引用意匠は,前面が門形状の本体に埋め込むように扉を配した態様であるから,両意匠の類否判断に強く影響を与えるものである。
そうすると,その他の相違点を挙げるまでもなく,相違点(ア)ないし(ウ)がもたらす印象は,共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである。
したがって,両意匠の意匠に係る物品は一致しているが,形態は類似しないから,両意匠は,類似しているとはいえない。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-09-24 
出願番号 意願2013-19836(D2013-19836) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C6)
最終処分 成立  
前審関与審査官 宮田 莊平伊藤 宏幸 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 橘 崇生
刈間 宏信
登録日 2015-10-23 
登録番号 意匠登録第1538815号(D1538815) 
代理人 渡邉 知子 
代理人 原田 雅美 
代理人 松原 美代子 
代理人 原田 雅美 
代理人 川越 弘 
代理人 松原 美代子 
代理人 渡邉 知子 
代理人 川越 弘 

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