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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 E2 |
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管理番号 | 1307390 |
審判番号 | 不服2015-11200 |
総通号数 | 192 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2015-12-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-06-15 |
確定日 | 2015-10-13 |
意匠に係る物品 | こま |
事件の表示 | 意願2014- 21806「こま」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
第1 本願意匠 本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとする,平成26年(2014年)9月30日にされた意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付された図面によれば,意匠に係る物品を「こま」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を願書及び願書に添付された図面に表されたとおりとしたものであって,「実線で表された部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)。(別紙第1参照) 第2 原査定における拒絶の理由,及び引用意匠 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には以下のとおりである。 「本願意匠の属するおもちゃの分野において,特にコマの態様として,略半球状の胴の内部を空洞としたものは,以下の意匠1及び2に示すように,本願出願前から知られているところ,本願意匠はこれらの態様をもとに,本願意匠が属する物品分野の通常の知識を有する者が容易に創作出来たものと認められます。 意匠1 (別紙第2参照) 電気通信回線の種類:インターネット 掲載確認日(公知日):2013年10月22日 受入日:特許庁意匠課受入2013年11月 8日 掲載者:Amazon.com, Inc. 表題:Amazon.com:Plastic Neon Spin Tops With Glitter(4 DOZEN) - BULK:Toys 掲載ページのアドレス:http://www.amazon.com/Plastic-Neon-Spin-Glitter-DOZEN/dp/B004C7LS7Q/ref=zg_bsnr_166027011_96 に掲載された「こまおもちゃ」の意匠 (特許庁意匠課公知資料番号第HJ25045509号) 意匠2 (別紙第3参照) 独立行政法人工業所有権情報・研修館が2007年9月14日に受け入れた 平成20年度版 昔なつかしい 郷土玩具 第6頁所載 こまの意匠 (特許庁意匠課公知資料番号第HC19021727号)」 第3 当審の判断 以下,本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か,すなわち,本願意匠が,この意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」という。)が容易に創作することができたものであるか否かについて検討する。 1 本願意匠の認定 (1)本願意匠の意匠に係る物品 本願意匠の意匠に係る物品は,「こま」である。 (2)本願部分の位置,大きさ及び範囲,並びに用途及び機能 本願部分は,中心軸を任意に取り外し可能なこまの胴部分(以下,「胴部」という。)であり,本願意匠を回転させる際にバランスを維持する重りの役割を果たし,複数の本物品を同時に回転させることで,これらが散発的に接触し,おりんと同様の金属音を発するものである。 (3)形態の基本的構成態様 本願部分の形態の基本的構成態様は,全体を略椀形状とし,平面視中央部分に中心軸を挿着するための円孔を設けたものである。 (4)形態の具体的態様 (ア)底面を半球状とし,その赤道面から上方に,円筒形状を胴部の直径の約1/4の高さで連続して形成して, (イ)胴部の厚みを,胴部の直径の約1/20の一定幅とし, (ウ)底面中央に,胴部の直径の約1/5の直径の円孔を設けたものである。 2 創作非容易性の判断 原査定は,コマの態様として略半球状の胴の内部を空洞としたものは,意匠1及び2に示すように,本願出願前から知られているところ,本願意匠はこれらの態様をもとに,本願意匠が属する物品分野の通常の知識を有する者が容易に創作出来たものと認められる,と判断している。 しかし,意匠1は,内部を空洞としてはいるものの,全体を略りんご形状とした形態であって,全体を上面が解放された略椀形状とした本願部分の形態とは全く異なるものであるから,本願意匠が容易に創作することができた意匠であるとする根拠として意匠1の提示は適切ではない。 また,意匠2は,上面がすり鉢状にくり抜かれた形態であって,胴部の厚みを胴部の直径の約1/20の一定幅とした本願部分の形態とは全く異なるものであるから,本願意匠が容易に創作することができた意匠であるとする根拠として意匠2の提示は適切ではない。 そうすると,原査定において示された意匠1及び意匠2によって,本願意匠が容易に創作することができたということはできない。 第4 むすび 以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2015-09-28 |
出願番号 | 意願2014-21806(D2014-21806) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(E2)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 石坂 陽子 |
特許庁審判長 |
小林 裕和 |
特許庁審判官 |
久保田 大輔 江塚 尚弘 |
登録日 | 2015-11-27 |
登録番号 | 意匠登録第1540790号(D1540790) |
代理人 | 宮田 信道 |