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審決分類 |
審判 査定不服 1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C1 |
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管理番号 | 1308367 |
審判番号 | 不服2015-11485 |
総通号数 | 193 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2016-01-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-06-17 |
確定日 | 2015-12-15 |
意匠に係る物品 | 自動車用フロアマット |
事件の表示 | 意願2014-9924「自動車用フロアマット」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,平成26年(2014年)5月8日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「自動車用フロアマット」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照) 2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠 原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁意匠課が,2000年10月19日に受け入れたカタログ「Original Accessories Origin」の第3ページに記載の,一組の自動車用フロアマットの意匠の左下側の「自動車用フロアマット」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC12008140号)(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同カタログに記載されたとおりのものである。(別紙第2参照) 3.当審の判断 (1)意匠に係る物品について 両意匠を対比すると,意匠に係る物品は,共に「自動車用フロアマット」であって,一致する。 (2)形態について 両意匠を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。 (2-1)共通点 (A)基本的構成態様において,全体が薄板状で,(B)平面視によると,本体形状を略縦長長方形状としたものであり,具体的な構成態様としては,(C)右辺につき,大部分を内側に浅くへこませている点,(D)左辺につき,上半部を内側に若干湾曲させた態様である点,において共通している。 (2-2)相違点 それに対して,具体的構成態様において, (a)上辺につき,本願意匠は,右端約4分の1の部分を薄く斜めに切欠いた切欠き部を設けているのに対して,引用意匠は,そのような切欠き部を設けていない点,(b)上辺右側の角部の位置につき,前記(a)により,本願意匠は,上辺よりもやや下方であるのに対して,引用意匠は,上辺と同じ高さである点,(c)右辺につき,本願意匠は,4本のまっすぐな辺をもって,大きな弓なりの凹部を形成し,その一番上の辺部と上辺切欠き部の辺にて本体右上角を傾斜した直角に形成したものであって,下端が,上端よりそれほど突出していないのに対して,引用意匠は,上下端部を除いて,大部分を緩やかで浅い曲線によって凹部を形成し,上端は垂直辺であるため,水平の上辺とで本体右上角を直角に形成したものであって,下端が,上端より突出したものである点,(d)縁部の態様につき,本願意匠は,縁部と本体上面との間に段差が無いのに対して,引用意匠は,毛足が長い本体を縁かがりしているために,縁部に段差が見受けられる点,(e)本体表面の態様につき,本願意匠は,何ら設けていないのに対して,引用意匠は,太幅の縦じま模様が表れ,下側中央に横長長方形状の凹部及び下辺左右角部に極小円形部を設けている点, で主な相違が認められる。 (3)類否判断 両意匠の形態を比較した場合,両意匠における共通点は,この種物品においては,既にごく普通に見られる態様であるから,これらの共通性のみをもって両意匠の類否判断を決することはできない。 これに対して,相違点(a)及び同(c)により,本願意匠は,直角の本体右上角が斜めに配してなるものとの印象を与え,かつ,略上端から大きな弓なり凹部が始まっているかのような印象を与えるのに対して,引用意匠は,上下端部を除いた略中央部の大部分を浅く曲線状凹部とした印象を与え,これらの印象の違いは,両意匠の類否判断に大きな影響を与えると認められる。 相違点(d)については,この種物品分野においては,両意匠の類否判断に大きな影響を与える。 そうすると,その他の相違点を挙げるまでもなく,これら相違点がもたらす印象は,共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである。 したがって,両意匠は,意匠に係る物品は一致しているが,その形態については,両意匠の共通点及び相違点の視覚的効果を総合的に判断すると,相違点が共通点を圧し,両意匠は,類似しないものと言える。 4.結び 以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当すると言うことはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2015-11-30 |
出願番号 | 意願2014-9924(D2014-9924) |
審決分類 |
D
1
8・
113-
WY
(C1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 内藤 弘樹 |
特許庁審判長 |
本多 誠一 |
特許庁審判官 |
橘 崇生 刈間 宏信 |
登録日 | 2015-12-25 |
登録番号 | 意匠登録第1542822号(D1542822) |
代理人 | 牛木 護 |