• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M2
管理番号 1310767 
審判番号 不服2015-14834
総通号数 195 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-03-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-07 
確定日 2016-01-08 
意匠に係る物品 四方切換弁 
事件の表示 意願2014-18242「四方切換弁」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,2014年4月25日の中華人民共和国の出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,意願2014-18241(審判番号;不服2015-14833)の意匠を本意匠とする関連意匠の意匠登録出願であって,平成26年(2014年)8月21日付けで意匠登録出願され,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「四方切換弁」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁意匠課が,2001年7月27日に受け入れた,日本ランコ株式会社から発行された内国カタログ「GENERAL CATALOG」の第20ページに記載の,コイル部を除く四方切換弁の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HN13007726号)(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同カタログに記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,意匠に係る物品は,共に「四方切換弁」で,一致している。

(2)形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。

(2-1)共通点
基本的構成態様において,(ア)水平方向にした本体部を円柱形状とし,(イ)本体下側中央に,垂直にした継手を3本長手方向に並べ(以下,「各部の機能を示す参考斜視図」のとおり,正面図左から順に「E,S及びC継手」という。),本体上側略中央に,倒立略「J」字状の継手(以下「D継手」という。)を垂直に接続し,(ウ)本体側面中央にブラケットを設け,それを介して,パイロット・スイッチ部及び電磁部を設け,(エ)2本のキャピラリによって,本体左右両端とパイロット・スイッチ部間を結んだものである。
そして,具体的構成態様においては,(オ)本体の小口面に中央を突出させた蓋(ふた)を設けている点,(カ)各継手の端部を僅かに拡開させている点,(キ)電磁部を本体より小さい径の円柱形状としている点,で共通する。

(2-2)相違点
それに対して,具体的構成態様においては,(a)D継手の位置について,本願意匠は,本体中央よりやや左寄りで,E継手と同軸になるように接続しているのに対して,引用意匠は,本体中央で,S継手と同軸になるように接続している点,(b)本体の左右両端及び蓋の突出部について,本願意匠は,本体両端部が約45度の面取りをした態様で,かつ,突出部端部も約45度の面取りをした態様であるのに対して,引用意匠は,本体両端部が丸面取りをした態様で,かつ,突出部は,付け根にへこみ曲面の裾部を設け,端部を極小さな丸面取りをした態様である点,(c)ブラケット部について,本願意匠は,水平に設けているのに対して,引用意匠は,やや下方向に設けている点,(d)パイロット・スイッチ部について,(d-1)本願意匠は,継手の直径程の幅で,電磁部と同等の奥行きのもので,その容積は,引用意匠の2分の1以下の小さなものであるのに対して,引用意匠は,継手の直径の2倍強の幅の大きなものである点,(d-2)本願意匠は,ブラケット内に収まった,四角柱であるのに対して,引用意匠は,太い円柱状で,左右端部を丸面取りした態様である点,(e)キャピラリについて,(e-1)Dキャピラリにつき,本願意匠は,パイロット・スイッチ部の上面から出て,2か所で直角に曲がって,D継手付け根近傍内側につながるよう配設しているのに対して,引用意匠には,無い点,(e-2)E,S及びCキャピラリにつき,本願意匠は,パイロット・スイッチ部の奥側側面から出た,E,S及びCキャピラリを,へんぺいな下半切(半截)「*」字状に配設しているのに対して,引用意匠は,パイロット・スイッチ部上側から出た,E及びCキャピラリが略倒「L」字状にして本体に沿うように配設し,パイロット・スイッチ部下側から出たSキャピラリと併せて,略横長「T」字状に配設している点,で相違する。

(3)類否判断
基本的構成態様の共通点及び具体的構成態様の共通点によって,両意匠の全体的な共通感を醸し出しているものの,これらは従来から見られる態様の範囲のものであって,両意匠の類否判断に一定程度の影響を与えるにとどまると認められる。
しかし,これに対して,相違点(d)によって,パイロット・スイッチ部について,本願意匠は,小型化したシャープな印象より,最新式のものというイメージがわくのに対して,引用意匠は,大きくて,全体的に丸みのある印象より,旧来タイプのものという感じを醸し出すものであるから,両意匠の類否判断に影響を与えるものである。
そして,相違点(b)及び(d-2)によって,本願意匠は,全体にシャープな印象を得るのに対して,引用意匠は,全体に丸みのある印象を得るものであるから,両意匠の類否判断に影響を与えるものである。
加えて,正面視で,引用意匠では,パイロット・スイッチ部がD継手に重なって見えるのに対して,本願意匠においては,引用意匠とは異なるパイロット・スイッチ部の態様が,相違点(a)により,より見えやすくなることから,両意匠の類否判断に影響を与えるものとなっている。
そうして,その他の相違点を評価してゆくと,それぞれは細々とした相違であっても,上記相違点(a),(b)及び(d)を含めて総合して判断したときに,全ての共通点から醸し出される共通感を越える異なった印象を与えるものであるから,これらの相違点がもたらす印象は,共通点が醸し出す印象をしのいでいると認められ,見る者に両意匠が別異であると認識させるものであるといえる。
したがって,両意匠の意匠に係る物品は一致しているが,形態は類似しないから,両意匠は,類似しているとはいえない。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2015-12-22 
出願番号 意願2014-18242(D2014-18242) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木村 恭子下村 圭子 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 刈間 宏信
橘 崇生
登録日 2016-02-05 
登録番号 意匠登録第1545295号(D1545295) 
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社   サービスに関しての問い合わせ