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審決分類 |
審判 査定不服 2項容易に創作 取り消して登録 C1 |
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管理番号 | 1310772 |
審判番号 | 不服2015-13480 |
総通号数 | 195 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 意匠審決公報 |
発行日 | 2016-03-25 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2015-07-16 |
確定日 | 2016-01-27 |
意匠に係る物品 | プリーツスクリーン |
事件の表示 | 意願2014-10558「プリーツスクリーン」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。 |
理由 |
1.本願意匠 本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとした,平成26年(2014年)5月18日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「プリーツスクリーン」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を実線で,それ以外の部分を破線で表している。二点鎖線は,意匠登録を受けようとする部分とそれ以外の部分との境界のみを表すものである。部分意匠として登録を受けようとする部分は,2枚の生地の上側約3分の2,及びヘッドボックス左端のカバーのうち2枚の生地の間の部分である。部分意匠として登録を受けようとする部分の左上を現す参考斜視図(正面図左上隅の箇所を左下前方から見た斜視図)において,部分意匠として登録を受けようとする部分を緑色で示す。」としたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)。(別紙第1参照) 2.原審の拒絶の理由 原審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には,本願意匠は,プリーツスクリーンの部分意匠に係るものであるが,この種物品分野において,一つのヘッドボックスから同じ態様のプリーツカーテンを二重に垂下してプリーツスクリーンを形成することは,出願前に公然知られたことである(引例意匠1)。 したがって,本願意匠は,出願前に公然知られたプリーツスクリーンの意匠(引例意匠2)において,プリーツ生地部を単に出願前に公然知られた態様で二重に設け,プリーツスクリーンの意匠とし,二枚のプリーツスクリーン生地本体部を,意匠登録を受けようとする部分として表したに過ぎないものであるから,本願意匠は,当業者であれば容易に創作をすることができたものと認められる,というものである。 (引例意匠1) 特許庁発行の意匠公報記載 意匠登録第1492556号の意匠 「プリーツスクリーン用ヘッドボックス材」の添付図面に表された【使用状態を示す参考図】のプリーツカーテンの意匠。(別紙第2参照) (引例意匠2) 特許庁発行の登録実用新案公報記載 実用新案登録第3174972号 「日射遮蔽装置の遮蔽材昇降装置」の実施形態である正面図及び側面図【図11,12】に表されたプリーツスクリーンの意匠。(別紙第3参照) 3.当審の判断 以下において,本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,つまり,本願意匠が当業者であれば容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。 (1)本願意匠の形態 本願意匠は,「第1 本願意匠」で述べたとおりのものであって,おおむね,横長柱状のヘッドボックス,前後二重に設けた横長長方形のプリーツスクリーン生地本体部(以下,単に「生地」という。),及び2本のボトムレールから成るものであり,当該生地は,全体に上下方向に蛇腹状で,背面側山折りの頂部に,水平突出部分を設けたもので,前方(正面側)の生地も,後方(背面側)の生地も共に,水平突出部を17段設けているものであり,後方の生地の折れ曲がりの1段(波でいうところの1波長分のこと,以下「ピッチ」という。)は,上から下まで全てを等間隔にし,前方の生地のピッチは不等間隔にして,生地の上側約3分の2の位置(本願部分の最下端の位置)で,前後の生地のピッチが,半波長分ずれるようにした上で,それより下の部分においても不等間隔にして,生地の最下端の位置では,再び前後の生地のピッチが元どおりになるようにした態様である。 そして,本願部分は,その内の,前後2枚の生地の上から水平突出部で12段分部分(上側約3分の2部分)及びヘッドボックス左端に取り付けられた側面カバーの下面の内,2枚の生地の間に相当する部分である。 本願部分の生地の形態は,不等間隔の前方生地の下端が,後方生地の11段半(正面側山折りの頂部)の位置に来るものである。 (2)本願意匠の創作の容易性について この種物品において, ア.横長柱状のヘッドボックス,前後二重に設けた横長長方形の蛇腹状の生地及び2本のボトムレールから成る態様 イ.生地全体を蛇腹状にし,背面側山折りの頂部に,水平突出部分を設けた態様 のものは,引例意匠1及び2に表れているとおり,本願意匠の出願前から見られるものであるから,それらの態様をほとんどそのまま組み合わせたに過ぎない意匠の創作は容易といえる。 しかし,前後の生地のピッチを半波長ずらして,その位置で前後の生地の間隔を小さくし,前後の生地の間の上下方向の通気性を低下させて,プリーツスクリーンによる室温保持機能を高める目的で,本願意匠のように,後方の生地のピッチを,上から下まで全てを等間隔にし,前方の生地のピッチを,不等間隔にして,生地の上側約3分の2の位置で,前後の生地のピッチが,半波長分ずれるようにした上で,それより下の部分においても不等間隔にして,生地の最下端の位置では,再び前後の生地のピッチが元どおりになるようにした態様は,本願意匠の出願前には見当たらない。 よって,本願意匠は,引例意匠1及び2をほとんどそのまま組み合わせたものとは認めることができず,公知の形態に基づいて容易に創作ができたものということはできない。 (3)結び したがって,本願意匠は,意匠法第3条第2項の規定に該当しないので,原審の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。 また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
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審決日 | 2016-01-15 |
出願番号 | 意願2014-10558(D2014-10558) |
審決分類 |
D
1
8・
121-
WY
(C1)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 内藤 弘樹 |
特許庁審判長 |
本多 誠一 |
特許庁審判官 |
刈間 宏信 橘 崇生 |
登録日 | 2016-02-12 |
登録番号 | 意匠登録第1545428号(D1545428) |
代理人 | 金子 宏 |