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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 M2
管理番号 1311891 
審判番号 不服2015-15912
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-08-27 
確定日 2016-02-09 
意匠に係る物品 給水給湯管 
事件の表示 意願2014-22013「給水給湯管」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成13年(2001年)9月4日に出願した特願2001-267153号の一部を,平成17年3月7日に特願2005-62579号として新たに出願し,さらにその一部を,平成25年7月5日に特願2013-141798号として新たに出願し,さらにその一部を,平成26年3月6日に特願2014-44121号として新たに出願し,さらにその一部を,平成26年9月3日に新たに出願した特願2014-179356号の特許出願を,意匠法第13条第1項の規定により,意願2014-22013号として意匠登録出願に変更した,平成26年10月2日の出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「給水給湯管」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりとしたものであり,「この意匠は、正面図において左右にのみ連続するものである。」としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであって,具体的には,以下のとおりである。

「この意匠登録出願の意匠は,意匠に係る物品を「給水・給湯管」としたものですが,この種物品を含む各種断熱管の分野において,流体を輸送する管に当該管径より小径の管を並置させ,それらの周囲を均一の厚さの断熱材で断面形状が略たまご形となるように覆うことは,下記意匠2及び3に見られるように,本願出願前よりごく一般的に行われています。
そうすると,本願意匠は,本願出願前より公然知られた下記意匠1における内管,管体及び加熱管の組合せを基本とし,その周囲を上記手法を用いて断面形状が略たまご形となるように均一の厚さの断熱材で覆っただけにすぎず,当業者であれば,容易に創作することができたものといわざるを得ません。
なお,本願意匠のヒーター管及びヒーター線の態様について,本願意匠の断面図に見られるヒーター管は長手方向に凹凸を設けて蛇腹状に形成された管ですが,この種の被覆管の分野において,上記のような蛇腹状の可撓管は下記意匠4及び7に見られるように本願出願前よりごく普通に見ることができ,また,下記意匠8を見ると,加熱用の手段を管ではなく,本願意匠に見られるようなヒーター線とすることも本願出願前より普通に行われており,それら態様により奏される作用効果はともかく,視覚的には,いずれの態様を採用することについても,当業者にとって格別の困難があったとまではいうことができません。

意匠1(別紙第2参照)
特許庁発行の公開実用新案公報記載
昭和58年実用新案出願公開第063490号
第1図,第2図及び関連する記載により表された断熱管の意匠

意匠2(別紙第3参照)
特許庁発行の公開実用新案公報記載
平成 5年実用新案出願公開第094652号
【図1】(C)及び関連する記載により表された給水配管材の意匠

意匠3(別紙第4参照)
特許庁発行の公開実用新案公報記載
昭和62年実用新案出願公開第097396号
第1図及び関連する記載により表された配管の意匠

意匠4(別紙第5参照)
特許庁総合情報館が1989年11月14日に受け入れた
`sanfix´-Rohr-im-Rohr-Systemfu¨rdieTrinkwasserinstallation 第4頁所載
断熱管の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HD02001100号)

意匠5(別紙第6参照)
特許庁総合情報館が1993年 8月26日に受け入れた
CormaInc.第2頁所載
波形プラスチック管の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HD05027194号)

意匠6(別紙第7参照)
特許庁総合情報館が1995年 2月 8日に受け入れた
HauptkatalongElektro-Installationsrohre 第6頁所載
電線管の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HD07003944号)

意匠7(別紙第8参照)
特許庁意匠課が1996年 2月16日に受け入れた
給水給湯配管システムEASYパイピング(電波新聞1995,9,28P17) 第1頁所載
配管用管の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HN08009231号)

意匠8(別紙第9参照)
特許庁発行の公開実用新案公報記載
昭和61年実用新案出願公開第060494号
第1図及び関連する記載により表されたパイプ加熱装置の意匠 」

なお付言すると,原査定における拒絶の理由の記載のうち,「下記意匠4及び7に見られるように」との記載は,引用されている意匠の形態からみて,「下記意匠4から7までに見られるように」との誤記であることは明らかである。また,「(別紙第2参照)」から「(別紙第9参照)」までについては,当審で付したものである。

第3 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か,すなわち,本願意匠が,この意匠の属する分野における通常の知識を有する者が容易に創作することができたものであるか否かについて検討する。

1.本願意匠
本願意匠の意匠に係る物品は「給水給湯管」であり,本願意匠の形態は,次のとおりである。
(A)全体の形態
全体は,略肉厚円筒形状の流水管の上方に,ヒータ線を内部に収容するコルゲート管状のヒーター管を隣接して配置し,これらを均一で肉厚の断熱管で被覆して,側面視略卵形状としたものである。
(B)ヒーター線及びコルゲート管状のヒーター管の形態
ヒーター線を,中実円柱形状で,被覆のない単一材料のものとして構成し,ヒーター管の表面波形状部分を,長手方向断面視で,凹部を平たんとし,凸部を略U字状としたものである。

2.創作非容易性の判断
円筒形状の流水管と,この流水管を加熱するヒーター管を隣接して配置することは,意匠1及び2に示すように本願の出願前に公然知られており,これらの管を断熱材で被覆して,側面視略卵形状とすることは,意匠2に示すように本願の出願前に公然知られているということができる。
しかし,意匠1から8までを見る限り,流水管を加熱するヒーター管を,コルゲート管状に構成すること,ヒーター線を被覆のない単一材料のものとして構成すること,及びヒーター管の表面波形状部分を,長手方向断面視で,凹部を平たんとし,凸部を略U字状とすることについては,いずれも,本願の出願前に公然知られているということはできない。
すなわち,意匠1から3までにおけるヒーター管は,コルゲート管状でない上に,ヒーター線を内部に収容するものでもなく,意匠4から7までにおけるコルゲート管は,ヒーター管ではない上に,その表面波形状部分が,長手方向断面視で,凹部を平たんとし,凸部を略U字状となるよう形成したものでもない。さらに,意匠8におけるヒーター線は,被覆を有する上に,コルゲート管に収容されているわけでもない。
したがって,原査定における拒絶の理由で引用された,意匠1から8までに基づいて,当業者が容易に本願意匠の創作をすることができたということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項が規定する,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において公然知られた形状の結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものに該当しないので,原査定の拒絶の理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-01-26 
出願番号 意願2014-22013(D2014-22013) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (M2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 中村 純典下村 圭子 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 江塚 尚弘
刈間 宏信
登録日 2016-03-04 
登録番号 意匠登録第1547246号(D1547246) 
代理人 永芳 太郎 
代理人 永芳 太郎 
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