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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 D3
管理番号 1311893 
審判番号 不服2015-11608
総通号数 196 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-06-19 
確定日 2016-02-25 
意匠に係る物品 フロアランプ用シェード 
事件の表示 意願2013-23017「フロアランプ用シェード」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2013年(平成25年)4月8日のイタリア共和国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,平成25年10月1日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を,「フロアランプ用シェード」とし,その形態は,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりのものである。(別紙第1参照)
具体的には,本願意匠は,
(A)シェード本体を,小径側である上面を閉塞した円錐台形状の筒状とし,
(B)本体の小径側直径,大径側直径及び高さの比を,略1:2:1.3とするものである。
また,願書の記載によれば,本願意匠に係る「フロアランプ用シェード」は,「天井からワイヤー等により吊し,床面,棚の上,テーブルの上など,シェードから離れた箇所に設置される基台から上方に向けて光を放射して用いる。」とされている。

第2 当審における拒絶の理由と引用意匠
当審における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであって,具体的には,以下のとおりである。
「本願意匠に係る物品は,『フロアランプ用シェード』であるから,当然ながらフロアランプを含む照明器具の分野に属するといえる。
そして,照明器具は,光源と当該光源が発する光を拡散するシェードとを一体化させる態様が普通であるところ,光源とシェードとを分離して配置する態様も,本願の優先日前に公知の態様である(一例として,光源とシェードとを一体化させた態様について,別紙第2の第1図を,光源とシェードとを分離させた態様について,別紙第2の第2から9図までに係る意匠1を参照されたい。)。
また,フロアランプ用シェードに関して,コードを挿通する孔を設けているものの,シェード本体を上面側を閉塞した円錐台形状の筒状とする態様は,別紙第3の意匠2に示すように,本願優先日前に公知の態様であるし,円錐台形状の筒状のシェード本体の小径側直径,大径側直径及び高さの比を,略1:2:1.3とする態様は,別紙第4の意匠3に示すように,本願優先日前に公知の態様である。
これらの公知の態様をふまえると,本願意匠は,光源とシェードとを分離して配置する照明器具のシェードとして,意匠2に示すような円錐台形状のシェードを採用し,その大径側直径,小径側直径及び高さの比を,意匠3に示すような略1:2:1.3としたものである。また,シェードにコードを挿通する必要がないことから,本体の上面側のコード挿通孔を塞ぐことは,光を効率的に拡散させるというシェードの機能からみて,必然的になされる程度の多少の改変にすぎない。
以上のとおりであるから,本願意匠は,意匠1から3までに示す公然知られた態様に基づいて,当業者が容易に創作できた意匠であると認められる。

意匠1:別紙第2参照
日本国特許庁発行の公開特許公報 特開昭56-42901号(発行日昭和56年(1981年)4月21日)の第2から9図までに記載された「照明器具」の意匠

意匠2:別紙第3参照
日本国特許庁発行の公開実用新案公報 実開昭50-60884号(発行日昭和50年(1975年)6月4日)の第2及び3図に記載された「照明器具」の意匠

意匠3:別紙第4参照
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2005年11月21日に受け入れた「フィガロジャポン」第22号第16巻第176ページ所載の「天井つり下げ灯」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA17016134号)」
(なお,下線部の順序数は,この審決における順序に合わせて,当審で修整したものである。)

第3 当審の判断
本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,すなわち本願意匠が容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。
まず,本願意匠の「フロアランプ用シェード」の機能について検討すると,一般に,「シェード」は,「電灯・電気スタンドの笠」[株式会社岩波書店 広辞苑第六版]をいうところ,そのような笠には,光を反射及び集中させて,強く照らす機能が求められるものと,光を和らげて,広い範囲を優しく照らす機能が求められるものとに大別することができる。このうち,光を反射及び集中させるための笠の形態としては,いわゆるパラボラ(放物線)状等の曲面で構成することが普通であるところ,本願意匠のシェードの形態は,そのような曲面ではなく,円錐台形状の筒状で構成されているから,本願意匠のシェードは,光を反射及び集中させる機能が求められているわけではなく,光を和らげて,広い範囲を優しく照らす機能が期待されていると解すべきである。
同様に,当審における拒絶の理由で引用した意匠1から3までのシェードに期待される機能を検討すると,意匠1のシェードの形態は,いずれも曲面を利用したものである上に,意匠1を記載した公報に,「反射板」と明記されていることから見て,意匠1のシェードは,光を反射及び集中させて,強く照らす機能が期待されていると解するほかない。
これに対して,意匠2及び3のシェードは,その形態が,円錐台形状の筒状で,光源を覆うものであることからみて,光を和らげて,広い範囲を優しく照らす機能が期待されているといえる。
当審における拒絶の理由は,本願意匠は,光源とシェードとを分離して配置する照明器具のシェードとして,意匠2に示すシェードを採用し,その大径側直径,小径側直径及び高さの比を,意匠3に示すような比率としたものである,というものであるが,「光源とシェードとを分離して配置する照明器具のシェード」として示された意匠1のシェードは,光を反射及び集中させて,強く照らす機能が期待されているのに対して,意匠2及び3のシェードは,光を和らげて,広い範囲を優しく照らす機能が期待されているのであり,シェードに求められる機能が,意匠1のものと,意匠2及び3のものでは異なるものである。よって,意匠1のシェードの形態として,意匠2及び3の形態を採用することは,当業者にとって容易であるということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項が規定する,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものに該当しないので,当審における拒絶の理由によって本願の登録を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-02-15 
出願番号 意願2013-23017(D2013-23017) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (D3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 佐々木 朝康 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
刈間 宏信
登録日 2016-03-18 
登録番号 意匠登録第1548118号(D1548118) 
代理人 大貫 敏史 
代理人 内藤 和彦 
代理人 林 美和 
代理人 江口 昭彦 
代理人 茜ヶ久保 公二 
代理人 稲葉 良幸 
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