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審決分類 審判 査定不服  意9条先願 取り消して登録 C3
管理番号 1315698 
審判番号 不服2015-20542
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-11-18 
確定日 2016-05-10 
意匠に係る物品 電気洗濯機 
事件の表示 意願2014-25737「電気洗濯機」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,意匠法第4条第2項の規定の適用を受けようとし,意願2014-6666(意匠登録第1518968号)の意匠を本意匠とした関連意匠の意匠登録を受けようとする出願であり,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成26年(2014年)11月19日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「電気洗濯機」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたもので「実線で示した部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

第2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は意匠法第9条第2項後段の規定する意匠に該当するとしたもので,本願意匠と類似する意匠として意願2014-025738及び意願2014-025742の意匠を挙げ,かつ,願書記載の本意匠とは類似していないとしたものである(本意匠については,別紙第2参照)。

第3 当審の判断
原審は,本願の願書に記載の本意匠とは類似していないことを前提に,本願意匠と類似する意願2014-025738の意匠及び意願2014-025742の意匠に係る意匠登録出願人との協議が成立しなかったものとして,本願意匠が,意匠法第9条第2項後段の規定する意匠に該当すると判断している。そこで,前提となっている,本願意匠が本意匠と類似しているか否かについて検討をする。

1.本願意匠と本意匠との対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠は「電気洗濯機」であって,本意匠は「電気洗濯乾燥機」であるから,両意匠の意匠に係る物品は,共通する。

(2)両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能は,共に,縦型の電気洗濯機又は縦型の電気洗濯乾燥機における,本体の上部に設けたトップカバーとトップカバー上面に設けた蓋部及び板状部材から成るトップ部であるから共通する。
本願部分は,上端面が水平な本体に取り付けるトップ部で,下端面が水平で,後の方では,相当な厚さがあるのに対して,本意匠は,本体前面に飾り板(以下「エプロン」という。)を備えた本体を持つ電気洗濯乾燥機であって,本意匠部分は,上端面が前傾斜の本体から一段低いエプロンにかけて取り付けるトップ部で,後の方まで余り厚さが変わらない,前端部が(エプロン上端まで)垂下した態様の部分であるから,位置は共通するが,大きさ及び範囲がやや異なる。

(3)両部分の形態について
両部分の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。

(3-1)共通点について
(ア)トップ部は,手前から順に,操作・表示部,蓋及び板状部材でおおむね成り立っており,全体として前方に下り傾斜としている点,
(イ)蓋は,本体前後長において中央やや手前に設けてある,横長長方形の一枚扉であって,その表面が透明素材のものである点,
(ウ)トップカバー左右端には,前後にわたって,突条部(以下「トップカバー左右突条部」「左右突条部」又は「突条部」という。)を設けてあり,その上面を緩やかな前傾斜面としている点,
(エ)トップカバー左右突条部の前端部が,蓋の前端の位置から前傾斜が強くなっている点,
(オ)トップカバー左右端に,突条部を設けた結果,トップカバーは,正面視において凹字状を成している点,
(カ)トップカバー前端に設けた操作・表示部は,正面視凹字状トップカバーのくぼんだ部分の上面に位置する点,
(キ)蓋及び後方の板状部材が,トップカバー左右突状部の横幅の約半分ほどを覆いかぶさった態様としている点,
(ク)正面視凹字状のくぼんだ部分に位置する操作・表示部と,左右突条部の上面に覆いかぶさっている蓋との段差を用いて,蓋前端の,左右突条部間を広く指掛け部としている点,
において主な共通点が認められる。

(3-2)相違点について
(ア)トップカバー下端部の側面視における形状について,本願意匠は,水平な本体上端面に載置するように水平であるのに対して,本意匠は,前傾斜した本体上端面に合うように,後側が上がる傾斜になっており,かつ,前側は,半径の大きな4分の1円弧として垂下部の奥の辺を構成している点,
(イ)本願意匠は,トップカバーの奥(背面側)に凸部を有し,その上面がトップカバー上面よりも一段下がった位置であるのに対して,本意匠は,相当する凸部が無い点,
(ウ)左右突条部前端の態様について,本願意匠は,トップカバー側面が前面になだらかにつながるようにしているのに対して,本意匠は,突条部上面がエプロン前面になだらかにつながるようにしている点,
(エ)操作・表示部の態様について,本願意匠は,区画線等が見られないのに対して,本意匠は,前端角部を曲面とした上で,操作・表示部の平面視左寄りに垂直方向に区画線を設け,下方寄りに2本の水平線を設けた態様である点,
において主な相違点が認められる。

2.本願意匠と本意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価し,総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

(1)両部分の形態について
上記の共通点を評価すると,通常の使用状態において,一番目に着くトップ部の上面全体の基本的な態様,使用時に目が行く操作・表示部の位置,並びに,蓋の開閉の度に手指がゆく蓋の指掛け部の位置及び態様が共通し,これら共通点から生じる共通感は類否判断に大きく影響するものである,といえる。
これに対し,相違点は,後方の見えづらい部分の相違(相違点(イ)),側面視で認識する部分の相違(相違点(ア)),又は部分的な細部の相違(相違点(ウ)及び(エ))と認められるものであって,類否判断に及ぼす影響は微弱である。
よって,両部分の形態においては,相違点の印象は,共通点の印象を覆すには至らないものであるから,本願部分と本意匠部分は類似するものである。

(2)両意匠の類否
以上のとおり,本願部分と本意匠部分は類似するものであり,その上,両意匠は,意匠に係る物品が共通し,両部分の用途及び機能が共通し,両部分の位置が共通するところである。
一方,トップカバー下端部の形態の相違により,両意匠の大きさ及び範囲にやや異なる点が認められるものの,その点は,前傾斜面としたトップ部上面において,手前から,左右突状部に挟まれた一段低い位置の操作・表示部,透明素材の一枚扉とした蓋,板状部材を並べた構成とし,その蓋と板状部材が左右突状部の一部に覆いかぶさっている状態とした両部分の共通感を上回るほどのものではないと認められるものであるから,本願意匠と本意匠とは類似する。

第4 結び
したがって,本願意匠を本意匠の関連意匠として登録するのが妥当であると認められる。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-04-25 
出願番号 意願2014-25737(D2014-25737) 
審決分類 D 1 8・ 4- WY (C3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 八重田 季江 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 刈間 宏信
橘 崇生
登録日 2016-06-10 
登録番号 意匠登録第1553897号(D1553897) 
代理人 井上 学 
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