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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C3
管理番号 1315699 
審判番号 不服2015-21568
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-04 
確定日 2016-05-10 
意匠に係る物品 衣類乾燥機付き電気洗濯機 
事件の表示 意願2014-20048「衣類乾燥機付き電気洗濯機」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成26年(2014年)9月10日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「衣類乾燥機付き電気洗濯機」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,独立行政法人工業所有権情報・研修館が2012年3月16日に受け入れた,パナソニック株式会社が発行した「Panasonic 2012/春 洗濯機 総合カタログ」の第15ページに所載の,製品番号「NA-VX7100L」と表示された電気洗濯機の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC24002744号(平成24年度内国カタログ NO.052))(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同カタログに記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,意匠に係る物品は,本願意匠は「衣類乾燥機付き電気洗濯機」であり,引用意匠は「電気洗濯機」であって,表記は異なるが,共通していると認められる。

(2)形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。

(2-1)共通点
(ア)脚部の上に,縦長略直方体状の本体が載ったもので,(イ)本体上面から前面下端にかけて化粧パネルを設け,(ウ)化粧パネルの前面は,側面視において,前方に張り出し下部において裾すぼまりになるようにやや湾曲して,(エ)化粧パネルの上面と(以下「上面パネル」という。)前面(以下「前面パネル」という。)との間,本体前面上端部に傾斜面を設けて操作部(以下「操作部面」という。)としており,(オ)操作部面を横長の帯状とし,(カ)本体前面上側に透明部材から成る円形状の開閉扉を設け,(キ)開閉扉は,ヒンジを見えないように構成している点,(ク)開閉扉右上に僅かに突出した円弧状の取っ手を設け,(ケ)洗剤投入口を開閉扉左上側に設けている点,で共通する。

(2-2)相違点
それに対して,(a)前面パネルの平面視における態様について,本願意匠は,中央が前方にせり出すように弓孤状に湾曲しているのに対して,引用意匠は,本の僅かに湾曲しているだけでやや直線的である点,
(b)化粧パネル及び側面の面構成について,本願意匠は,上面パネルと側面の角及び前面パネルと側面の角は,共に角張っているのに対して,引用意匠は,上面パネルと側面の角及び前面パネルと側面の角は,共に円弧面によって角丸としている点,
(c)操作部面の傾斜角度について,本願意匠は,相対的に緩斜面であるのに対して,引用意匠は,相対的に急斜面である点,
(d)操作部面の平面視における態様について,本願意匠は,前面パネルと同様に中央が前方にせり出すように弓孤状に湾曲しているのに対して,引用意匠は,前面パネルと同様に本の僅かに湾曲しているだけで,やや直線的である点,
(e)操作部面と前面パネルの境界部分について,本願意匠は,曲面によってなだらかな連続面としているのに対して,引用意匠は,角張って折れ曲がっている点,
(f)洗剤投入口について,本願意匠は,操作部面内の左端に設けているのに対して,引用意匠は,操作部面の下左側に設けている点,
(g)本体上面後方の形態について,本願意匠は,段差を設けているのに対して,引用意匠は,緩斜面としている点,
(h)吸水口の位置について,本願意匠は,上面パネル内の左奥に設けているのに対して,引用意匠は,不明な点,
(i)開閉扉の外周について,本願意匠は,前面パネルとは別の円環状部品を設けているのに対して,引用意匠は,前面パネルに円環状の切り込み面を設けている点,
(j)開閉扉の取っ手の形状について,本願意匠は,三日月形状であるのに対して,引用意匠は,略台形状である点,
で相違する。

(3)類否判断
両意匠のように,斜めドラム式洗濯機においては,通常は,洗濯機の正面に正対して,洗濯物の出し入れやスイッチ操作を行うから,側面視よりも上面パネルから前面パネルにかけて,とりわけ,操作部面及び前面パネルの開閉扉下端辺りまでの態様が,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼす部分と考えられる。
そして,従来から,開閉扉に大きなヒンジを設けていて,それが外観に表れていたこの種の斜めドラム式洗濯機からすると,共通点(キ)によって,両意匠に若干の共通感が生じると認められるが,その他の共通点は,この種物品においては,極普通の態様であって,両意匠のみの特徴とはいえず,類否判断に与える影響は微小と認められる。
しかし,これに対して,相違点(a)によって,本願意匠の前面パネルは,3次元的な曲面になっているのに対して,引用意匠の前面パネルは,2次元的な曲面になっており,基本的な面構成が異なっていると認識すること,相違点(b)によって,本願意匠は,本体側面を垂直面方向に切断したような印象を与え,相違点(e)と相まって,上面パネルから前面パネルへと流れる造形を感じ取る態様であるのに対して,引用意匠は,相違点(b)により,全体に丸みのある柔らかい印象を与えつつ,上面パネルから側面,前面パネルから側面への形状的つながりによって,全体に一つの塊感を生じさせる態様であることから,これらの相違点によって,両意匠の類否判断に強く影響を与えるものである。
加えて,相違点(c)によって,本願意匠は,上方向から俯瞰(ふかん)しての操作がやりやすい態様といえるのに対して,引用意匠は,前方向からの操作がしやすい態様といえ,使用状態の操作時において重要な操作部面の態様の相違であるから,相違点(c)は,両意匠の類否判断に影響を与えるものである。
そして,前面パネルの基本的な面構成の相違である相違点(a)の流れを受けている相違点(d)は,相違点(a)の違いを強調し,なおかつ使用状態の操作時において重要な操作部面の態様の相違であるから,両意匠の類否判断に影響を与えるものである。
そうすると,その他の,部分的な相違点を挙げるまでもなく,上記相違点がもたらす印象で,共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものである。
したがって,両意匠の意匠に係る物品は共通しているが,形態は類似しないから,両意匠は,類似しているとはいえない。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-04-25 
出願番号 意願2014-20048(D2014-20048) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 八重田 季江 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 橘 崇生
刈間 宏信
登録日 2016-06-03 
登録番号 意匠登録第1553225号(D1553225) 
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