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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 F4
管理番号 1315710 
審判番号 不服2016-57
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-01-04 
確定日 2016-05-24 
意匠に係る物品 ボトル 
事件の表示 意願2014- 23638「ボトル」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成26年(2014年)4月22日の域内市場における調和のための官庁(商標及び意匠)への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴って,同年10月22日に意匠登録出願されたものであり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「ボトル」とし,その形態を,願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,この意匠登録出願の意匠は,下記に示すように,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には以下のとおりである。(なお,「(別紙○○参照)」は当審が付したものである。)

「この意匠登録出願の意匠に係る「包装用容器」の分野に於いては,自然物である竹を模して容器の形状とすること(例えば,下記の意匠1,意匠2,意匠3,意匠4,意匠5,意匠6及び意匠登録第486415号の意匠),その上面を斜状にすること(例えば,前掲意匠1,2,3)が,本願出願前より極く一般的に行われています。
そうすると,本願出願前に公然知られた前掲意匠4に観られる竹を模した略円筒形状の上方,約1/6の部分を,例えば,前掲意匠2に観られるような上面を斜状にした蓋に形成したに過ぎない本願の意匠は,当業者であれば,容易に創作することができたものです。

意匠1(別紙第2参照)
特許庁普及支援課が2012年12月4日に受け入れた
アメリカ合衆国特許庁発行の米国特許商標公報2012年12月4日
化粧品容器(登録番号US D671836S)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH24322598号)

意匠2(別紙第3参照)
特許庁総合情報館が1992年1月27日に受け入れた
ノルウェー王国特許庁発行のノルウェー意匠公報
1992年1月15日2号22巻 第24頁所載
化粧品包装用瓶の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH04037330号)

意匠3(別紙第4参照)
独立行政法人工業所有権総合情報館が2003年9月11日に
受け入れた株式会社小学館発行の
和樂 2003年10月1日10号3巻 第165頁所載
包装用容器の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HA15022066号)

意匠4(別紙第5参照)
特許庁普及支援課が2008年4月24日に受け入れた
アメリカ合衆国特許庁発行の
米国特許商標公報 2008年4月1日08W14号
化粧品容器(登録番号US D565797S)の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH20309585号)

意匠5(別紙第6参照)
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1281844号の意匠

意匠6(別紙第7参照)
特許庁総合情報館が1998年1月19日に受け入れた
大韓民国特許庁発行の
大韓民国意匠公報 1997年11月4日1597巻 第80頁所載
包装用容器の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HH12000867号) 」

第3 請求人の主張の要点
請求人は,本願意匠は,意匠4に意匠2の蓋を組み合わせても,本願意匠と実質的に同一の意匠は構成されないのみならず,類似の意匠も構成されるものではなく,引用されたいずれの意匠に基づいても容易に創作をすることができたものではない旨主張した。

第4 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か,すなわち,本願意匠が,この意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」ともいう。)が容易に創作することができたものであるか否か,について検討する。

1 本願意匠の認定
意匠に係る物品は「ボトル」であって,全体として自然物である竹を連想させるものであるが,その形態は,容器本体部と蓋部とからなる全体を,縦横比を約11対3とする略円筒形状とし,容器本体部と蓋部の縦の長さの比率を約6対1としたものであり,容器本体部は,周側面を側面視凹弧状とする同程度の大きさの筒状体を上下2段に重ねた構成とし,その境界となる節状部分(以下,「節部」という。)は垂直面を有する細幅帯状とし,底部寄りは尻すぼみとした細幅帯状部とし,また,蓋部は,略斜切円筒形状とし,径の大きさを容器本体の上端部と同程度としたものである。

2 意匠1ないし意匠6及び意匠登録第486415号の意匠の認定
(1)意匠1
意匠に係る物品は,「化粧品容器」であって,全体として自然物である竹を連想させるものであるが,その形態は,容器本体部と蓋部とからなる全体を,縦横比を約4対1とする略斜切円筒形状とし,容器本体部と蓋部の縦の長さの比率を約3対1とし,どちらも周側面を側面視凹弧状とし,容器本体部と蓋部との境界部分を節部とし,節部は稜線状に隆起したものである。
(2)意匠2
意匠に係る物品は,「化粧品包装用瓶」であって,全体として自然物である竹を連想させるものであるが,その形態は,容器本体部と蓋部とからなる全体を,縦横比を約2対1とする略斜切円筒形状とし,容器本体部と蓋部(最長部分)の縦の長さの比率を約3対2とし,どちらも周側面は一定幅とし,容器本体部と蓋部との境界部分を節部とし,節部は筋状凸部としたものである。
(3)意匠3
意匠に係る物品は,「包装用容器」であって,全体として自然物である竹を連想させるものであるが,その形態は,上部が開口した縦横比を約3対1とする略斜切円筒形状とし,上下にわたり略同径とし,上下両端部寄りに節部を設け,節部は筋状凸部としたものである。
(4)意匠4
意匠に係る物品は,「化粧品容器」であって,全体として自然物である竹を連想させるものであるが,その形態は,容器本体部と蓋部とからなる全体を,縦横比を約4対1とする略円筒形状とし,容器本体部と蓋部の縦の長さの比率を約1対1とし,どちらも周側面を側面視凹弧状とし,容器本体部と蓋部との境界部分を節部とし,節部は稜線状に隆起したものである。
(5)意匠5
意匠に係る物品は,「包装用容器」であって,全体として自然物である竹を連想させるものであるが,その形態は,上部が水平状に開口した縦横比を約2対1とする略円筒形状とし,節部を上端寄り,中間部,及び下端寄りの3箇所に設け,節部間の周側面は側面視凹弧状とし,節部は稜線状に隆起したものである。
(6)意匠6
意匠に係る物品は,「包装用容器」であって,全体として自然物である竹を連想させるものであるが,その形態は,容器本体部と蓋部とからなる全体を,縦横比を約1対1とする略円筒形状とし,容器本体部と蓋部の縦の長さの比率を約1対1とし,どちらも周側面を側面視凹弧状とし,容器本体部と蓋部との境界部分を節部とし,節部は稜線状に隆起したものである。
(7)意匠登録第486415号の意匠(以下,「参考意匠」とする。別紙第8参照)
意匠に係る物品は,「包装用筒」であって,全体として自然物である竹を連想させるものであるが,その形態は,容器本体部と蓋部とからなる全体を,縦横比を約7対2とする略円筒形状とし,容器本体部と蓋部の縦の長さの比率を約4対1とし,節部を容器本体部の底部寄りと中間部,蓋部の上端寄り,容器本体部と蓋部との境界部の計4つを設け,節部は凹溝部を形成した筋状凸部としたものである。また,容器本体部の周側面は節部を除きほぼ同径とし,蓋部は節部を除き側面視凹弧状としたものである。

3 創作容易性の判断
本願意匠のように,全体として自然物である竹を連想させるものは,意匠1ないし6及び参考意匠のように,本願の出願前に既に広く知られた態様であるが,意匠4を基礎とし,その蓋部を意匠2の蓋部に置き換えたとしても,あるいは,上方を意匠1ないし意匠3のように傾斜状としたとしても,容器本体部の中間部に節部がなく,容器本体部について,周側面を側面視凹弧状とする同程度の大きさの筒状体を上下2段に重ねた本願意匠の形状とは相違している。そして,この相違を,本願の出願前から既に見られる手法を用いてわずかに改変した程度のものということもできない。
なお,その他の意匠を基礎とした場合も,次のとおり同様である。
まず,意匠1を基礎とした場合,蓋部を意匠2の蓋部に置き換えたとしても,容器本体部の中間部に節部がなく,容器本体部について,周側面を側面視凹弧状とする同程度の大きさの筒状体を上下2段に重ねた本願意匠の形状とは相違し,また,この相違を,本願の出願前から既に見られる手法を用いてわずかに改変した程度のものということもできない。
次に,意匠5を基礎とした場合,意匠2の蓋部を組み合わせたとしても,節部の形状や全体の構成比率が大きく相違し,また,この相違を,本願の出願前から既に見られる手法を用いてわずかに改変した程度のものということもできない。
それから,意匠6を基礎とした場合,蓋部を意匠2の蓋部に置き換えたとしても,容器本体部の中間部に節部がなく,全体の構成比率も大きく相違し,また,この相違を,本願の出願前から既に見られる手法を用いてわずかに改変した程度のものということもできない。
そして,参考意匠を基礎とした場合,蓋部を意匠2の蓋部に置き換えたとしても,節部の形状が相違するとともに,容器本体部について,周側面を側面視凹弧状とした本願意匠の形状とは相違し,また,この相違を,本願出願前から既に見られる手法を用いてわずかに改変した程度のものということもできない。

したがって,本願意匠は,意匠4はもとより,その他の意匠を基礎とし,公然知られた形状をありふれた手法で置換したものを既に見られる手法で改変したとしても,容易に導き出せるものではないから,当業者が容易に創作することができたものということはできない。

第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項に規定する,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができた意匠に該当しないので,原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-05-09 
出願番号 意願2014-23638(D2014-23638) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木本 直美 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
正田 毅
登録日 2016-06-17 
登録番号 意匠登録第1554011号(D1554011) 
代理人 特許業務法人栄光特許事務所 
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