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審決分類 審判 査定不服  意10条1号類似意匠 取り消して登録 F4
管理番号 1315712 
審判番号 不服2015-22852
総通号数 199 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-07-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-12-25 
確定日 2016-06-03 
意匠に係る物品 包装用押し出しチューブ 
事件の表示 意願2014- 28550「包装用押し出しチューブ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとし,平成26年(2014年)12月19日に意匠登録出願されたものであり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用押し出しチューブ」とし,その形態を,願書及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものであり,「赤色で着色した部分以外の部分(キャップ部)が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」(以下,当該部分を「本願部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び本意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠は願書に記載した本意匠に類似する意匠とは認められず,意匠法第10条第1項の規定に該当しない,としたものであって,本意匠は,物品の部分について意匠登録を受けようとして,平成26年12月19日に意匠登録出願され,平成27年7月3日に意匠権の設定の登録がなされ,平成27年8月3日に意匠公報が発行された意願2014-28549号(意匠登録第1530123号)の意匠であり,意匠に係る物品を「包装用押し出しチューブ」とし,その形態は,願書及び願書に添付された図面に記載されたとおりのものであり,「赤色で着色した部分以外の部分(キャップ部)が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」(以下,当該部分を「本意匠部分」という。)としたものである。(別紙第2参照)

第3 手続の経緯
原査定の拒絶の理由に対して,請求人は意見書を提出し,本願意匠は本意匠に類似する意匠であって,意匠法第10条第1項の規定に該当する旨主張したが,平成27年10月19日付けの拒絶の査定がなされたため,同査定を不服として平成27年12月25日に審判を請求した。
その後,平成28年4月26日に手続補正書を提出して,本願の願書に記載していた「本意匠の表示」の欄を削除した。

第4 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第10条第1項の規定に該当するものであるか否かを,主に,本願意匠と本意匠(以下「両意匠」という。)を対比し,両意匠の共通点及び相違点の認定,評価を行うことにより,本願意匠が本意匠に類似するか否かについて検討し,判断する。
なお,両意匠の対比にあたっては,意匠に係る物品はもとより,本願部分と本意匠部分(以下「両部分」という。)について,その用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲を対比し,それらを踏まえて,両部分の形態を対比する。

1.共通点及び相違点の認定
(1)共通点の認定
意匠に係る物品については,両意匠ともに「包装用押し出しチューブ」であるから一致し,また,部分意匠としての用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲については,両部分ともに,ヒンジ式の開閉機能を備えた基部及び蓋部からなるキャップ部に係るものであり,チューブ本体の一端に設けたキャップ部の外側部分について意匠登録を受けようとするものであるから,一致する。
そして,両部分の形態については,主に,以下の(A)ないし(C)の点が共通する。
(A)全体は,略柱形状とし,高さの中間付近から蓋部が開閉するものである。
(B)上面は,頂点を前方に向けた平面視略五角形とし,その前方に向けた頂点及び前方の左右両辺部分が鍔状に少し張り出し,上面中央に左右幅を少し狭めた略五角形の平坦面(頂面)が残るように,前方及び後方の左右両端寄りを緩やかな下り傾斜に形成したものである。
(C)背面は,ヒンジ式の開閉機構部及びその周囲を,側面視緩やか凹弧状の凹部としたものである。
(2)相違点の認定
形態について,主に,以下の(イ)ないし(ハ)の点が相違する。
(イ)周側面の形状について,本願部分は上面側の五角柱状から下端に向かって徐々に円柱状に変化させたものであるのに対して,本意匠部分は全高にわたり略五角柱状のままとしたものである。
(ロ)上面の平面視形状について,本願部分は背面側の一辺が他辺より極端に短い五角形としたものであるのに対して,本意匠部分は背面側の一辺が他辺より少し短い五角形としたものである。
(ハ)背面の凹部について,本願部分は正面視扁平な雫型としたものであるのに対して,本意匠部分は正面視略長方形状としたものである。

2.共通点及び相違点の評価
以下,共通点及び相違点が存在する両部分の形態について,その共通点及び相違点の評価を行う。
(1)共通点についての評価
共通点(A)は,全体の基本的な構成に係るものであるが,概括したまでのものにすぎず,共通点(A)が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度に止まる。
共通点(B)は,上面の態様に係るものであるが,前方に鍔状に張り出した態様や左右両端寄りを傾斜面とした態様は特徴的であるとしても,全体から見ると端部の部分的ないし付加的な部分の特徴に止まり,また,相違点(ロ)として挙げた背面側の一辺の長さの相違も存在することから,共通点(B)が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度に止まる。
共通点(C)は,背面の態様に係るものであるが,極めて部分的であり,看者が強く注意を惹く部分ともいえないから,共通点(C)が両部分の類否判断に及ぼす影響は小さい。

そうすると,共通点(A)ないし(C)は,いずれも両部分の類否判断に大きな影響を及ぼすものではなく,これらの共通点が相俟っても,両部分の類否判断を決するものであるとはいえない。

(2)相違点についての評価
相違点(イ)は,周側面の形状に係るものであるが,上半部を略五角柱状,下半部を略円柱状としたものと,全体を五角柱状としたものとでは,全体の基本的な構成態様が大きく異なり,別異の印象を与えるものであるから,両部分の類否判断に及ぼす影響は大きい。
相違点(ロ)は,上面の平面視形状に係るものであるが,両部分ともに五角形であるといっても,本願部分は背面側の一辺が他辺よりも極端に短く,四角形のように見えるものであるのに対して,本意匠部分は正五角形のように見えるものであるから,相違点(ロ)が両部分の類否判断に及ぼす影響を軽視することはできない。
相違点(ハ)は,背面の凹部に係るものであるが,極めて部分的であり,看者が強く注意を惹く部分ともいえないから,相違点(ハ)が両部分の類否判断に及ぼす影響は小さい。

そうすると,特に相違点(イ)が相違点(ロ)と相俟って,両部分の形態について異なる視覚的印象を看者に与え,その余の相違点(ハ)の及ぼす影響が小さいものであるとしても,これらの相違点を総合すると,相違点は両部分の類否判断を決するものであるといえる。

3.類否判断
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品については一致し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲についても一致するものであるが,両部分の形態の相違点が相俟って生じる視覚的効果は,共通点のそれを凌駕するものであって,看者に異なる美感を起こさせるものである。
したがって,本願意匠は,本意匠に類似しないものと認められる。

第5 むすび
以上のとおり,本願意匠は,本意匠に類似するものとは認められず,意匠法第10条第1項の規定に該当しないものであるから,本意匠の関連意匠として意匠登録を受けることができないものではあるが,前記第3に記載のとおり,平成28年4月26日に提出した手続補正書によって,本願の願書に記載した「本意匠の表示」の欄を削除する補正がなされているから,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-05-19 
出願番号 意願2014-28550(D2014-28550) 
審決分類 D 1 8・ 3- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 山永 滋 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
正田 毅
登録日 2016-06-17 
登録番号 意匠登録第1554183号(D1554183) 
代理人 五味 飛鳥 
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