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審決分類 審判    B5
管理番号 1317044 
審判番号 無効2015-880009
総通号数 200 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-08-26 
種別 無効の審決 
審判請求日 2015-08-11 
確定日 2016-06-15 
意匠に係る物品 靴中敷き 
事件の表示 上記当事者間の登録第1421693号「靴中敷き」の意匠登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 登録第1421693号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 手続の経緯
意匠登録第1421693号の意匠(以下,単に「本件登録意匠」ともいう。別紙第1参照)は,平成22年(2010年)11月24日に意匠登録出願(意願2010-029662)されたものであって,審査を経て平成23年7月29日に意匠権の設定の登録がなされ,平成23年8月29日に意匠公報が発行されたものである。
これに対して,請求人から平成27年8月11日付けで本件登録意匠について無効審判が請求され,被請求人に対して同年9月18日に無効審判請求書の副本の送達がなされたが,指定期間内に被請求人から応答がされなかったものであって,その後の手続の経緯は,おおむね次のとおりである。

平成27年12月 2日(起案日)審尋(請求人に対して)
平成27年12月17日(受付日)上申書(請求人)
平成28年 1月15日(起案日)審尋(請求人に対して)
平成28年 1月29日(受付日)回答書(請求人)
平成28年 2月29日(起案日)無効理由通知書(職権審理結果通知書)
平成28年 3月25日(受付日)意見書(請求人)
平成28年 4月14日(起案日)審理終結通知書

なお,被請求人からは,無効理由通知書に対して応答がなく指定期間が経過し,審理終結通知書に対しても応答がなかった。

第2 請求人の申立及び理由
請求人は,「登録第1421693号意匠の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求める。」と申し立て,その理由として,要旨以下のとおり主張し,証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証の書証を提出した。

1.意匠登録無効の理由の要点
本件登録意匠(意匠登録第1421693号の意匠)は出願前に公然知られた甲第3号証の意匠と同一又は類似するものであるため,意匠法第3条第1項第1号又は同条項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものであるから,同法第48条第1項第1号に該当し無効とされるべきである。

2.証拠方法
(1)審判請求書の添付書類(以下,全て写し)
甲第1号証 意匠登録第1421693号の意匠登録原簿
甲第2号証 意匠登録第1421693号公報
甲第3号証 請求人が販売等している靴中敷き及び同中敷きを装着した靴
本体(写真)
甲第4号証 シューズショップAlto Libro(請求人直営店)
ウェブページ
http://www.rakuten.ne.jp/
gold/mini-shu
甲第5号証 請求人作成にかかる新井商店に対する外註加工依頼書(控え)
甲第6号証 新井商店作成にかかる請求人からの受注内容等を記した書類
甲第7号証 引用意匠に係る商品を購入した消費者のレビューが掲載された
ウェブページ
http://review.rakuten.co.jp/
item/1/215744_10000732/1.1/
?12-id=item_review
甲第8号証 カタログ誌d-BEAUTY(2009WINTER)
甲第9号証 フジテレビ いいものプレミアム(2010年4月16日放送
)
甲第10号証 フジテレビ いいものプレミアム(2010年9月28日放
送)
甲第11号証 テレビ東京 7スタBratch(2010年10月18日
放送)
甲第12号証 請求人作成にかかる展示会用資料
甲第13号証 請求人作成にかかる引用意匠に関する商品等についての受注
及び出荷等の台帳
甲第14号証 一般財団法人化学物質評価研究機構による検査報告書
甲第15号証 引用意匠に係る商品に関する返品伝票
甲第16号証 引用意匠に係る商品を装着した靴本体に関する返品伝票
甲第17号証 引用意匠に係る商品を装着した靴本体に関する返品シール

なお,甲第4号証ないし甲第17号証は,甲第3号証の意匠が本件登録意匠の出願前に公然知られたものであることを示すために提出された。
ただし,甲第8号証の4枚目は撤回する旨上申書にて表明した。

(2)上申書の添付書類(全て写し)
甲第8号証の1 カタログ誌d-BEAUTY 2009WINTER
裏表紙
甲第8号証の2 カタログ誌d-BEAUTY 2009WINTER
最終頁(裏表紙の裏)
甲第8号証の3 カタログ誌d-BEAUTY 2009WINTER
最終頁(見開き)

第3 被請求人の答弁及び理由
特許庁より,被請求人に審判請求書の副本を送付し,期間を指定して答弁書の提出を求めたが,請求人の申立及び理由に対して,被請求人からの応答はなかった。

第4 当審による無効理由通知及び職権審理通知
平成28年2月29日付けで当審による無効理由通知を被請求人に通知し,同日付けで同内容の職権審理結果を請求人に通知した。無効理由通知及び職権審理通知の内容の要点は次のとおりである。

本件登録意匠は,その出願前に国内において頒布された刊行物に記載の意匠(審判請求人が審判請求書及び審尋に対する上申書に添付した甲第8号証の意匠)に類似するものであるから,意匠法第3条第1項第3号に該当する。
したがって,その意匠登録は,同法第同条の規定に違反してされたものであるから,意匠法第48条第1項第1号の規定により,その意匠登録を無効とすべきである。

第5 無効理由通知及び職権審理結果通知に対する当事者の応答
請求人は,平成28年3月24日付けの意見書を提出し,職権審理結果通知書に記載の無効理由の妥当性を認める一方で,被請求人は,何らの応答をすることがなく,指定期間が経過した。

第6 当審の判断
以下,本件登録意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するか否かについて,本件登録意匠と無効理由通知において引用した甲第8号証の意匠(以下,「引用意匠」,また,本件登録意匠と引用意匠とを「両意匠」という。)を対比し,両意匠の共通点及び相違点の認定,評価を行うことにより,本件登録意匠が引用意匠に類似するものであるか否かを検討し,判断する。

1.本件登録意匠
本件登録意匠は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「靴中敷き」とし,その形態を願書に添付された図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.引用意匠
株式会社ディノスが発行した(発行日2009年10月1日)内国カタログ「d-BEAUTY(2009WINTER)」の第99頁右下に掲載されている,製品名を「Re:getA Loupe」(リゲッタルーペ)とする「靴中敷き」の意匠(別紙第2参照)

3.共通点及び相違点の認定
(1)共通点の認定
意匠に係る物品について,両意匠ともに「靴中敷き」であるから,一致し,その形態についても,主に次の(A)ないし(D)の点が共通する。
(A)全体は横長で,その外形状は平面視において,踵側は端部が半円形の舌片形状に形成され,爪先側に向かって,上辺縁部(土踏まず寄り端部)は緩やかな略「へ」の字形の凸弧状,下辺縁部は略逆向き「へ」の字形の凹弧状とし,爪先側には大小2つの凸状部(上側の凸部が鈍角状に突き出ており,また,下側の凸部が大きな弧状で突き出ている)が形成されている。
(B)踵部は周縁に浅い傾斜した壁部のあるすり鉢状とし,その平面視略中央に略円形状の貫通孔が形成されている。
(C)土踏まずと接する部分は大きく隆起している。
(D)爪先側には上方(土踏まず寄り)に平面視略横長楕円形状のサポート部,下方に平面視略雫形状のサポート部がそれぞれ設けられている。

(2)相違点の認定
(イ)爪先側の2つのサポート部について,本件登録意匠は,桃色とするものであるのに対して,引用意匠は,黒色とし,略雫形状のサポート部には文字を施したものである。
(ロ)底面について,本件登録意匠は,底面図において横方向に7本の溝部を設け,この7本の溝を貫く横方向に延びる1本の溝が形成され,7本の溝は下端揃えで右端の溝から左端の溝へ向けて徐々に長くしたものであるのに対して,引用意匠は,上方斜め方向からの写真のみによって現され,底面の態様が不明なものである。

4.共通点及び相違点の評価
以下,共通点及び相違点が存在する形態について,その共通点及び相違点の評価を行う。
(1)共通点についての評価
共通点(A)ないし(D)からなる態様は,両意匠の全体の形状を特徴付けるものであり,両意匠の類否判断に大きな影響を及ぼすものと認められる。

(2)相違点についての評価
相違点(イ)は,爪先側の2つのサポート部に係るものであるが,色彩の相違については,ありふれた改変ないし選択に過ぎず,また,文字の有無の相違については,文字自体の形状は意匠の構成要素として評価できないものであり,当該部位を模様として見たとしても,その態様に格別の創作は認められず,意匠の構成要素として評価できるものではないから,相違点(イ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
相違点(ロ)は,背面の態様に係るものであるが,使用状態において目に触れない部位の相違であることを考慮すると,溝の有無の相違は,相違点としてさほどの評価をすることができず,相違点(ロ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さい。
そうすると,相違点(イ)及び(ロ)は,いずれも両意匠の類否判断に及ぼす影響は小さく,これら相違点が相俟ったとしても,両意匠を非類似とするものではない。

5.類否判断
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致するとともに,その形態についても,共通点が生じさせる視覚的効果が相違点のそれを凌駕し,全体として看者に共通の美感を起こさせるものであるから,本件登録意匠は,引用意匠に類似する意匠と認められる。

第7 むすび
以上のとおりであって,本件登録意匠は,引用意匠に類似し,意匠法第3条第1項第3号に該当するものであり,本件登録意匠は同法第同条の規定に違反してなされたものであるから,意匠法第48条第1項第1号の規定によりその登録を無効とすべきものである。
審判に関する費用については,意匠法第52条で準用する特許法第169条第2項でさらに準用する民事訴訟法第61条の規定により,被請求人が負担すべきものとする。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審理終結日 2016-04-14 
結審通知日 2016-04-19 
審決日 2016-05-06 
出願番号 意願2010-29662(D2010-29662) 
審決分類 D 1 113・ 113- Z (B5)
最終処分 成立 
前審関与審査官 神谷 由紀 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 正田 毅
江塚 尚弘
登録日 2011-07-29 
登録番号 意匠登録第1421693号(D1421693) 
代理人 松田 裕史 
代理人 辻本 希世士 
代理人 辻本 良知 
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