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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 H7
管理番号 1318111 
審判番号 不服2016-3667
総通号数 201 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-09-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-03-09 
確定日 2016-07-26 
意匠に係る物品 携帯情報端末 
事件の表示 意願2014- 29592「携帯情報端末」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2014年7月2日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴って,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成26年(2014年)12月29日に意匠登録出願されたものであり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「携帯情報端末」とし,その形態を,願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「一点鎖線で囲まれた部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。破線で表された部分,および,正面図上部のJマークは,その他の部分である。」(以下,意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,この意匠登録出願の意匠は,下記に示すように,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するとしたものであって,具体的には以下のとおりである。
「本願意匠の出願前から,小円形の中に三角形を表した画像が広く知られており,また,これを大円形の中央に表した画像が引用画像のように公然知られているところ,本願意匠は,縦長長方形の画像全体の中央に,無模様の大円形と,小形円の中に三角形を表した画像を表し,画像全体の上部中央には,マークの地の形状として広く知られた円形を小さく表して,携帯情報端末に係る音楽の再生及び停止のための画像として表した程度であって,当業者が容易に創作することができたものと認められます。

<引用画像> (別紙第2参照)
特許庁普及支援課が2014年 7月31日に受け入れた
大韓民国意匠商標公報 2014年 6月18日発行(14-19号)
ディスプレースクリーン用画像(登録番号30-0748092)
(特許庁意匠課公知資料番号第HH26426739号) 」

第3 請求人の主張の要点
本願意匠は,画像中央に大きな円と小さな円とを配し,画像上部に小さな円を配している。また,各円の直径の比を特定の比としている。画像中央の小円よりもわずかに大きい円を画像上部に配することにより,画像中央に配されている大きな円および小さな円の形状と相まって,形状的に「全体的なまとまり」をもたせた全体としての構成態様を具体化するに至ったものである。
また,本願意匠は,円および三角形のそれぞれの境界を濃淡のみで表現している。これにより,全体的にまとまってすっきりとした印象となり,シンプルな美感を需要者に与える。
さらに,本願意匠は,濃淡の度合について,画像中央の大きな円と画像中央の小さな円とによって囲まれた領域と,画像中央の三角形の内側の領域と,画像上部の小さな円の内側の領域とが,同程度の濃度レベル(以下,濃度レベル1といいます)であり,画像中央の大きな円の外側かつ画像上部の小さな円の外側の領域の濃度レベル(以下,濃度レベル2といいます)が,濃度レベル1より高く,画像中央の小さな円とその内側の三角形とによって囲まれた領域の濃度レベルは,濃度レベル2より高い。
本願意匠の上記特徴は引用画像には示されておらず,かつそのようにすることがありふれた手法であることも示されていない。本願意匠の円,三角形,およびテキスト部の配置の仕方,ならびに境界の表し方は,引用画像の円および三角形の配置の仕方ならびに境界の表し方をほとんどそのまま用いた,あるいは,この種物品分野においてよく見られる多少の改変を加えたとは言えないものであり,本願意匠の創作者の特徴的な着想によるものというべきである。したがって,当業者が引用画像に基づいて本願意匠を容易に創作できたものということはできない。

第4 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第3条第2項の規定に該当するか否か,すなわち,本願意匠が,この意匠の属する分野における通常の知識を有する者(以下,「当業者」ともいう。)が容易に創作することができたものであるか否か,について検討する。
なお,本願が物品の部分について意匠登録を受けようとするものであるから,意匠に係る物品はもとより,意匠登録を受けようとする部分(以下「本願部分」という。)の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲,そして形態を認定し,それらを踏まえて検討する。

1 本願意匠の認定
本願意匠は,意匠に係る物品を「携帯情報端末」とし,本願部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲を,本物品の有する機能(音楽を再生したり停止したりする機能)を発揮できる状態にするための操作の用に供される画像であって,本物品の正面全域にわたって設けた表示部の全面に表したものとし,そして,本願部分の形態については,全体は縦横比を約5対3とする縦長長方形とし,その略中央に,直径が全体の横幅の約4分の3となる大円形部を配し,その中央にも直径が全体の横幅の約6分の1となる小円形部とともに,その内側に三角形部を配し,更に,大円形部の上方中央に,直径が全体の横幅の約6分の1となる小円形部を配し,大円形部の下方中央にはテキスト部を配したものである。
また,各構成要素の領域を濃淡によって表し,大円形部の周囲は,画面の内側周囲の僅かな余地部を残してやや濃い暗調子とし,大円形部,小三角形部及び大円形部上方の小円形部は,大円形部の周囲よりも淡く,大円形部中央の小円形部は,大円形部の周囲よりも濃くしたものである。
なお,大円形部上方の小円形部内に表れている「J」は,本願部分には含まれず,また,テキスト部に具体的に表われている文字は,意匠を構成するものではない。

2 引用画像の認定
引用画像は,ディスプレースクリーンに表示される画像であって,周囲に少し余地部を残して設けた表示部の全面に表れているものであり,全体は縦横比を約4対3とする縦長長方形とし,その略中央に直径が全体の横幅の約3分の2となる大円形部を配し,その中央に直径が全体の横幅の約5分の1となる小円形部とともに,その内側に三角形部を配し,大円形部と小円形部の間の領域の四方には記号を付し,更に,大円形部の上方には中央に凹状の段差のある線を左右にわたって配するとともに,その凹状部に沿ってテキスト部を配し,また,大円形部の左下に略小三角形部,その下方にテキスト部,それより下方に大円形部の直径よりも長い直線を中央寄せで配し,そして,下端の左隅に小さな四角形を縦横に2個ずつ,下端の右隅に小さな横長長方形を3段で配したものである。

3 創作容易性の判断
携帯情報端末の物品分野の画像の意匠において,小円形部の中に三角形部を配したものは,本願出願前から広く知られたものであるといえるものであり,それを大円形部の中央に配した画像も引用画像に見られるとおり本願出願前に公然と知られたものであるといえる。また,表示部内の下方にテキスト部を配した態様もありふれたものといえる。
しかしながら,大円形部の上方に小円形部を配したものは公然と知られたものではなく,それら大円形部や小円形部等の各構成要素を垂直に整列させた態様は,各構成要素を濃淡によって表した態様と相俟って,全体的にまとまりのある構成であるから,当該物品分野の意匠において多少の改変を加えた程度のものということもできない。
そうすると,全体は縦横比を約5対3とする縦長長方形とし,その略中央に,直径が全体の横幅の約4分の3となる大円形部を配し,その中央にも直径が全体の横幅の約6分の1となる小円形部とともに,その内側に三角形部を配し,更に,大円形部の上方中央に,直径が全体の横幅の約6分の1となる小円形部を配し,大円形部の下方中央にはテキスト部を配した構成とし,各構成要素の領域を前記認定のとおり濃淡によって表した態様は,当業者が引用画像やありふれた態様に基づいて容易に創作することができたものということはできない。

第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,意匠法第3条第2項に規定する,意匠登録出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができた意匠に該当しないので,原査定の拒絶の理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-07-14 
出願番号 意願2014-29592(D2014-29592) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (H7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 中田 博康 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 江塚 尚弘
正田 毅
登録日 2016-08-26 
登録番号 意匠登録第1559549号(D1559549) 
代理人 森下 夏樹 
代理人 山本 秀策 
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