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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C5
管理番号 1319220 
審判番号 不服2016-3215
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-03-02 
確定日 2016-08-01 
意匠に係る物品 調理器具用柄 
事件の表示 意願2015-1862「調理器具用柄」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,2014年7月30日のアメリカ合衆国の出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,部分意匠として意匠登録を受けようとする,平成27年(2015年)1月30日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「調理器具用柄」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「実線で表された部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(別紙第1参照)。

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,特許庁普及支援課が2014年5月27日に受け入れた「米国特許商標公報 2014年5月27日」に記載された「調理器具用サイドハンドル(登録番号US D705596S)」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH26309675号)(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同公報に記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,意匠に係る物品については,本願意匠は「調理器具用柄」であり,引用意匠は「調理器具用サイドハンドル」であるが,共に調理器具の側面に取り付けられる取っ手であるから,共通している。

(2)形態について
両意匠は共に取付け部の穴を除く部分意匠であるが,その形態を対比すると,その形態には,以下に記す主な共通点と相違点が認められる。
なお,引用意匠の向きを,本願意匠の向きに合わせて認定する。

(2-1)共通点
基本的構成態様において,両意匠は,(ア)全体形状が,平面視において略倒コ字状であって,(イ)平面視で略横長長方形の持ち手部の,(ウ)左右両端にそれぞれ腕部を設けたものであり,(エ)当該腕部は,前方に下がっていく態様で,(オ)その2本の腕部の先端に取付け部を設けた点で共通する。
具体的構成態様においては,(カ)持ち手部,腕部及び取付け部は,おおむね平板状であるから,それらの切断面形状は,略横長長方形状を現すものであり,(キ)持ち手部は,(キ-1)上下面共に,緩やかな上に凸の曲面とし,(キ-2)上面は,手前に下る緩斜面であって,(キ-3)外側角を角丸とした点,(ク)腕部は,(ク-1)全体が,下に向かって湾曲し,(ク-2)先端部で急に曲がって,垂直の取付け部につなげている点,(ケ)取付け部は,略角丸四角形である点,が共通する。

(2-2)相違点
それに対して,(a)全体については,各部の肉厚が,本願意匠は相対的に引用意匠より厚いのに対して,引用意匠は,一様に薄いものである点,(b)持ち手部については,(b-1)本願意匠は,上面の曲率よりも下面の曲率が大きく,それに伴って持ち手部の厚みが,中央部分よりも左右端の方が厚くなっているのに対して,引用意匠は,同じ曲率で,厚さが一定である点,(b-2)前後の辺縁につき,本願意匠は,前後共に後方に向かって湾曲しているのに対して,引用意匠は,前方に向かって僅かに湾曲している点,(b-3)外側角の角丸につき,本願意匠は小さいのに対して,引用意匠は大きい点,(c)腕部については,(c-1)厚みにつき,本願意匠は,先端部に向かって漸次小さくなっているのに対して,引用意匠は,全体が薄く厚みが一定である点,(c-2)平面視における態様につき,本願意匠は,左右の腕部が平行にしてあるのに対して,引用意匠は,先端に向かって広がり,持ち手部と併せて等脚台形状となるように配置している点,(c-3)右側面視の態様につき,本願意匠は,湾曲しているのに対して,引用意匠は,曲がり具合がかすかであって,ほぼまっすぐである点,(d)取付け部について,(d-1)本願意匠は,やや肉厚であるのに対して,引用意匠は,薄いものであって,(d-2)本願意匠は,略正方形であるのに対して,引用意匠は,略縦長長方形である点,で相違する。

(3)類否判断
基本的構成態様の共通点は,この種物品分野においては,極普通のありふれた形態であり,この点によって,両意匠の類否判断に与える影響はない。
また,具体的構成態様における各共通点は,本願意匠のものも,引用意匠のものも,それぞれ,この種物品分野において過去より数多く見られる態様であり,これらの点を含めて検討しても,両意匠の類否判断に与える影響は一定程度にとどまるものと認められる。

しかし,これに対して,相違点(a),(b-1)及び(c-1)によって,引用意匠が,一定厚の金属板を,打ち抜き,曲げて成形したものと思わせる美感をもたらす形態であるのに対して,本願意匠は,全体に厚ぼったく,各部において厚さが異なることから,引用意匠と同様の材料・加工方法とは異なるものと思わせる美感をもたらす形態と認められるものであるから,これらの相違点は,需要者に対して,両意匠は異なる印象を与えるものであって,両意匠の類否判断に多大な影響を及ぼすものである。
そうすると,その他の相違点も加えて,総合して評価すると,全ての共通点から醸し出される共通感を越える異なった印象を両意匠に与えるものであるから,需要者に両意匠が別異であると認識させるものといえる。

したがって,両意匠の意匠に係る物品は共通し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が一致しているが,両部分の形態は,上記検討のとおり,類似しないから,両意匠は,類似しているとはいえない。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-07-20 
出願番号 意願2015-1862(D2015-1862) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C5)
最終処分 成立 
前審関与審査官 内藤 弘樹 
特許庁審判長 本多 誠一
特許庁審判官 刈間 宏信
橘 崇生
登録日 2016-09-02 
登録番号 意匠登録第1560016号(D1560016) 
代理人 弟子丸 健 
代理人 倉澤 伊知郎 
代理人 松下 満 
代理人 田中 伸一郎 
代理人 西島 孝喜 
代理人 井野 砂里 
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