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審決分類 審判 査定不服  1項柱書物品 取り消して登録 F2
管理番号 1319234 
審判番号 不服2016-2567
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-10-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-02-19 
確定日 2016-08-25 
意匠に係る物品 ペーパーナイフ 
事件の表示 意願2015- 9140「ペーパーナイフ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2015年(平成27年)4月6日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,本願意匠という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「ペーパーナイフ」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」ともいう。)を願書及び願書に添付した図面に記載したとおりとしたものである。(別紙参照)
すなわち,基本的構成態様として,ペーパーナイフ部とグリップ部からなり,下方右隅を斜状に切り欠いた正面視略横長直方体形状のグリップ部のその左端方上部より角状のペーパーナイフ部が斜めに立ち上がり,全長約3分の1でグリップ部と平行に屈曲してなり,そのペーパーナイフ部との間に狭いスリット状の間隙を空けてグリップ部上面の右端から約3分の2に渡って細長略台形状部が形成されているものであって,具体的構成態様として,ペーパーナイフ部のグリップ部から右方斜めに立ち上がる部位の内側には細幅斜面状にペーパーナイフ刃部が形成され,グリップ部の両端寄り正面及び背面には略円板状の浅い凹部が設けられ,その内周面に沿って四方に極小の略半円孔が設けられたものである。

第2 手続の経緯
本願については,平成27年9月24日付けで,
(a)平面図,正面図,右側面図,背面図,底面図及び左側面図と,各断面図との間で縮尺が相違する。
(b)各断面図において,切断面しか記載されておらず,切断面を描いた方向に表れる物品の外観が記載されていない。
(c)右側面図において,図形中に符号及び指示線が表れている。
(d)B-B断面図における刃部の形状と,右側面図及び左側面図における当該箇所の形状,及び背面図における当該箇所の形状とがそれぞれ相互に一致しない。
などとして,上記(a)?(d)の理由により,願書の記載及び願書に添付した図面の記載を総合的に判断しても,一の意匠を特定することができず,意匠が具体的でないものであるから,意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない旨の拒絶理由が通知された。
これに対して,請求人は,応答期間内に応答しなかったため,その後,上記の平成27年9月24日付けで通知した拒絶理由により,平成27年12月28日付けで,拒絶査定がなされたが,請求人は,これを不服として平成28年2月19日に審判請求をし,同日付けで,添付図面を補正対象とする,手続補正書により,全図を変更する手続補正を行った。

第3 請求人の主張
請求人は,審判請求書において,おおむね,次の主張をした。
1 本願意匠が登録されるべき理由
(1)本願意匠の要旨
本願は,物品について意匠登録を受けようとする意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「ペーパーナイフ」とし,その形態を,願書及び願書に添付した図面に示したものである。
しかし拒絶の理由に記載の通り,各図面の縮尺や整合性に不一致があり,本審判請求書と同日付で提出する手続補正書にて,図面の不一致を解消した。
2 むすび
以上のとおり,本願意匠は意匠法第3条第1項柱書に該当するとして,意匠登録することが出来ないものであるとした原査定の理由は解消されたものと考える。その結果,他にその登録の妨げとなるべき理由がなく,本願意匠は,登録されるべきものであると思料されるので,請求の趣旨のとおり,「原査定を取り消す,本願の意匠は登録すべきものとする」との審決を求める。

第4 当審の判断
そこで,請求人の主張を踏まえ,本願意匠が工業上利用することができる意匠であるかについて検討する。

本願は,原審において,一の意匠を特定することができず,意匠が具体的でないものであるから,意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない旨の拒絶理由が通知されたものであるが,これに対して,請求人は,平成28年2月19日に審判請求を行い,同日付けの手続補正書により,添付図面を補正対象として全図を変更する手続補正を行った。
平成28年2月19日付け手続補正書による補正後の意匠は,主に正面図を出願当初の右側面視のものから正面視のものに変更し,縮尺を調整し,出願当初のB-B断面図に表されたペーパーナイフ刃部の断面態様が片方のみに傾斜面のある片刃のものであったのに対し,傾斜面が両側に設けられ中心で合わさる両刃のものに変更したものである(補正後のB-B端面図)が,出願当初の右側面図及び左側面図(補正後の正面図及び背面図)には,ペーパーナイフ基部よりペーパーナイフ刃部の傾斜面へ変化する箇所の稜線がともに表されているものと認められ,出願当初の背面図(補正後右側面図)にはペーパーナイフ部下方の刃部にあたる箇所に中心で合わさった稜線と認められる縦線が見受けられ,添付図面の記載を総合して判断すれば,出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面から本願意匠は両面に刃のついた両刃のペーパーナイフ刃部を備えたものであったと認められるから,補正後の意匠は,当業者であれば,出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面から当然に導き出せる範囲の補正を施したにすぎないものと認められ,平成28年2月19日付け手続補正書による補正は,出願当初の願書の記載及び願書に添付した図面の要旨を変更するものではない。
そうすると,本願意匠は,願書及び願書に添付された図面から一の意匠を特定することができないものとはいえず,本願意匠は具体的に表された意匠であると認められる。

第5 結び
以上のとおり,本願意匠は,意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当し,原査定の拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-08-12 
出願番号 意願2015-9140(D2015-9140) 
審決分類 D 1 8・ 13- WY (F2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 奈良田 新一 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 渡邉 久美
刈間 宏信
登録日 2016-09-09 
登録番号 意匠登録第1560339号(D1560339) 
代理人 日高 一樹 
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