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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D4
管理番号 1320238 
審判番号 不服2016-5860
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-04-20 
確定日 2016-08-30 
意匠に係る物品 レンジフード 
事件の表示 意願2014- 22205「レンジフード」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,意匠法第4条第2項の規定(新規性喪失の例外)の適用を受けようとし,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成26年(2014年)10月3日の意匠登録出願であり,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「レンジフード」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」という。)を願書及び願書添付の図面に記載したとおりとしたものであって,「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分を「本願意匠部分」という。)(別紙第1参照)。
すなわち,本願意匠は,
(A)主にレンジ台など台上に設置される立ち上げ型のレンジフードであって,全体形状は,一体に形成された梁状部と支柱部からなる正面視略逆さL字板状で前方に向かって弧状に湾曲してなるものであり,片梁式に設けられた梁状部下面に吸い込み口を設け下辺縁寄りに照明灯部を配したものであって,
(B)具体的には,梁状部下面は斜状に形成されており,吸い込み口を設けた梁状部下面の下辺縁寄りに外方側やや内方に一つ,支柱側やや内方に一つ,併せて2つの小円形状の照明灯部を周囲と面一に形成して,配してなり,その照明灯部分が本願意匠部分である。

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は,独立行政法人工業所有権情報・研修館が2012年 1月26日に受け入れた「INTERNI Annual」号の第76頁所載の換気扇の意匠の3個の照明灯の内,左右両端それぞれに位置する2個の部分(特許庁意匠課公知資料番号第HB23006729号))であって,その形態は,当該ページ所載の写真版に現されたとおりのものである(以下,引用意匠において,本願意匠部分に相当する部分を「引用意匠部分」といい,本願意匠部分と合わせて「両意匠部分」という。)。(別紙第2参照)
また,原審において,照明灯部を本願意匠と同様に吸い込み口部の下方に配したものの例示として(参考意匠1)が,本願意匠のように片梁式で,フード部と支柱部を一体に成形し,かつ 弧状に湾曲させたものが本願出願前からこの種物品の態様として見受けられるものである例示として(参考意匠2)があげられ,参考意匠1の形態は,下記,意匠公報に記載されたとおりのものであり(別紙第3参照),参考意匠2の形態は,下記刊行物掲載ページの写真版及びその関連する記載に現されたとおりのものである。(別紙第4参照)。

参考意匠1
意匠登録第1126593号の意匠
意匠に係る物品,「換気扇用フード」
参考意匠2
独立行政法人工業所有権情報・研修館が2012年 1月26日に受け入れた
「INTERNI Annual」号
第97頁所載
換気扇の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HB23006737号)

第3 当審の判断
1 本願意匠と引用意匠の対比
(1)本願意匠と引用意匠の意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は「レンジフード」であり,引用意匠の意匠に係る物品は「換気扇」であって,表記は異なるものの,引用意匠に係る前記掲載ページの記載等を総合的に判断すれば,調理用レンジ台上に配置され,排煙を主な目的とするものであって,本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)の意匠に係る物品は,共通する。
(2)両意匠部分の用途及び機能並びに位置,大きさ,範囲
両意匠部分は,梁状部下面に配された照明灯部であって,作業を行う際等に調理用レンジ台上を照光する機能を有するから,両意匠部分の用途及び機能は共通する。
また,両意匠部分は,吸い込み口を設けた梁状部下面の吸い込み口以外の周縁部位に小さな照明灯として配したものであるから概ね大きさ及び範囲も共通する。
しかしながら,両意匠部分の位置については,本願意匠部分は全体が逆さL字状の片梁式のレンジフードの梁状部の下辺縁寄りに外方側やや内側に一つ,支柱側やや内側に一つ,併せて2つの照明灯部を配したものであるのに対して,引用意匠部分は略倒コの字状(門状)の換気扇の梁状部の吸い込み口部の間に設けられた縦長の3つの余地部のそれぞれの上辺縁寄り中央に配された3つの照明灯の内その両端の余地部に配された2つの照明灯部である点において異なる。
(3)両意匠部分の形態
両意匠部分の形態を対比すると,
(ア)共通点
基本的態様として,
機器に埋めこまれた2つの略小円形状の照明灯である点については共通する。
(イ)相違点
具体的態様として,
本願意匠部分は照光面が周囲と面一の平坦な形状であるのに対して引用意匠部分はその照光面態様は不明なものである点。
2 両意匠の類否
以上の共通点及び相違点が両意匠部分の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠部分の意匠全体としての類否を検討し,判断する。
両意匠は,意匠に係る物品が共通し,両意匠部分の用途及び機能が共通し,大きさ及び範囲が共通するが,両意匠部分の位置については,共にレンジ台と平行方向に延びる梁状部の下方傾斜面に配したものであるとしても,まず,全体が略逆さL字状の梁状部に配したものか,全体が略倒コの字状(門状)の梁状部に配したものかの点で相対的に位置が異なり,その梁状部の中で配した位置も異なるので,これらの相違は看者に両意匠部分が別異であるとの印象を与え,位置の相違点が,両意匠部分の類否判断に与える影響は大きいものといえる。加えて,本願意匠部分について吸い込み口部の下方に配したもの(参考意匠1),物品全体の形状につき,類似するもの(参考意匠2)が見受けられるとしても,その物品全体の中で照明灯部を梁状部の吸い込み口と下辺の間に下辺に沿って吸い込み口長さよりやや内方の両端に配したものは見受けられない。また,引用意匠部分の略倒コの字状(門状)の換気扇の梁状部の吸い込み口部の間に設けられた縦長の3つの余地部のそれぞれの上辺縁寄り中央に配したものについてもごく普通に見受けられるものでもないので,両意匠部分は,このレンジフードを含む換気扇の分野において照明灯部をありふれた範囲内の位置に配したものとはいえない。
そして,形態については,レンジフードなどの機器に埋めこまれた2つの略小円形状の照明灯である点については,レンジフードを含む換気扇の分野において,ごく普通に見られる照明灯の形態であるから,両意匠部分の類否判断に及ぼす影響は大きいとはいえず,類否判断を決定付けるまでには至らないものである。
これに対して,本願意匠部分における照光面が周囲と面一の平坦な形状である具体的態様は,照明灯部として重要な照光面の態様であって看者の関心をひく箇所といえ,両意匠部分の照光面が周囲と面一の平坦なものであるか不明なものであるかの相違点は類否判断に及ぼす影響は一定程度あるものといえる。
3 小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品が共通し,両意匠部分の用途及び機能並びに大きさ及び範囲が共通するが,位置については相違し,レンジフードを含む換気扇の分野において,双方共にありふれた範囲内のものであるともいえないから,具体的形態に係る相違点ともあいまって生じる視覚効果は,両意匠部分の類否判断に影響を及ぼし,看者に両意匠部分を意匠全体として別異の意匠と印象付けているというべきであって,意匠全体としてみた場合,本願意匠部分は,引用意匠部分に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,原査定の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,原査定の拒絶の理由によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

別掲
審決日 2016-08-16 
出願番号 意願2014-22205(D2014-22205) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 越河 香苗長谷川 翔平 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 渡邉 久美
刈間 宏信
登録日 2016-10-07 
登録番号 意匠登録第1562390号(D1562390) 
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