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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 D6
管理番号 1320261 
審判番号 不服2016-7513
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-05-23 
確定日 2016-10-05 
意匠に係る物品 傘立て 
事件の表示 意願2015- 15553「傘立て」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする平成27年(2015年)7月13日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「傘立て」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下,「形態」ともいう。)は願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものであって,「実線で表した部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。背面図は正面図と対称に表れるので省略する。一点鎖線は部分意匠として登録を受けようとする部分の境界のみを示すものである。」としたものである。(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分の意匠を「本願意匠部分」という。)(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下,「引用意匠」という。また「本願意匠」と併せて「両意匠」といい,本願意匠部分に相当する部分の意匠を,「引用意匠部分」といい,本願意匠部分と併せて「両意匠部分」という。)は,平成19年(2007年)2月23日に独立行政法人工業所有権情報・研修館が受け入れた
Kebin iron goods vol.2 2007-2009
第22頁所載の衣服掛けの意匠の内,右側の支柱の本願意匠に相当する部分
(特許庁意匠課公知資料番号第HC18068162号)としたものであって,その形態は,当該ページ所載の写真版に現されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
1 本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,「傘立て」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「衣服掛け」であって,両意匠の意匠に係る物品は,一致しない。
(2)両意匠部分の用途及び機能並びに位置,大きさ,範囲
本願意匠部分は,略短円支柱状の台部の中央から鉛直方向に延びた棒状支柱部の略倒Sの字状に形成した先端フック部分であるのに対して,引用意匠部分は、台部に複数設けられた棒状支柱部の内,台部の右端寄りから鉛直方向に延びた棒状支柱部の略倒Sの字状に形成した先端フック部分であるから,台部に対する棒状支柱部の取付け位置は,一致するとはいえないが,台部から鉛直方向に延びた棒状支柱部の略倒Sの字状に形成した先端フック部分である点においては共通する。大きさについては,両意匠部分は鉛直方向に延びた棒状支柱部の略倒Sの字状に形成した先端フック部分であり,片手で保持したものを掛けるのに適した程度の大きさであって,おおむね共通する。範囲については,物品全体において,本願意匠に係る物品の使用態様から床面から略長傘より多少長い程度の高さのものである「傘立て」と引用意匠に係る物品の使用態様から少なくとも肩より高い箇所に衣服を掛けるものと認められる「衣服掛け」とでは全体の寸法から大きく相違し,その中での台部から鉛直方向に延びた棒状支柱部の略倒Sの字状に形成した先端フック部分であるから,物品全体の中に占める両意匠部分の範囲は,大きく異なっている。
そして用途及び機能については,引用意匠部分は衣服をハンガーなどを介して掛けるものであるのに対し,本願意匠部分(略倒Sの字状に形成した先端フック部分)については,その願書及び願書に添付した図面にはその用途,機能及び大きさ(高さ)は明らかには示されていない。
しかし,本願意匠に係る物品は「傘立て」であって,物品全体の大きさは,その使用態様から床面から略長傘より多少長い程度の高さのものであるから,その先端フック部分である本願意匠部分の大きさはおおむね認定でき,用途及び機能については,先端フック部分であるから傘立ての持ち手部及び何らかの小物の掛け部として用いることが可能であると認められるが,もとより,台部上に傘を立てるものであるから,その傘が邪魔になって衣服は掛けづらく,そもそもその物品全体の大きさ(高さ)から衣服を掛けるには高さが足りないので,本願意匠部分は衣服を掛けるものではなく,折り畳み傘の紐や靴べらなど玄関回りの小物などを掛けるものと推認される。
そうすると,両意匠部分の用途及び機能は共通するものとはいい難い。
(3)形態
本願意匠部分と引用意匠部分の形態を対比すると,主として,以下の共通点と相違点が認められる。
(ア)共通点
基本的構成態様として,
台部から鉛直方向に延びた棒状支柱部の略倒Sの字状に形成した先端フック部分である構成態様が共通する。
(イ)相違点
具体的構成態様として,
台部から鉛直方向に延びた棒状支柱部の略倒Sの字状に形成した先端フック部分について,その支柱部からの湾曲態様(Sの字の下半部に相当する部分の態様)において本願意匠部分はなめらかな円弧状であるのに対し引用意匠部分はやや角張った隅丸倒コの字状である点。
2 両意匠の類否
以上の共通点及び相違点が両意匠部分の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠部分の意匠全体としての類否を検討し,判断する。
両意匠は,意匠に係る物品は一致せず,また,本願意匠の「傘立て」自体の機能以外の機能を有する本願意匠部分の機能及び用途を考慮に入れても物品が類似するということもできない。また,両意匠部分の機能及び用途においても共通するものとはいえず,両意匠部分の位置及び大きさについてはおおむね共通するものの,その範囲については,共通するものとはいえない。
次に,形態についても検討すると,両意匠部分の共通点は,鉛直方向に延びた棒状支柱部の略倒Sの字状に形成した先端フック部分であるところ,略倒Sの字状に形成した先端フック部分は,この種物品分野に限らず広く,掛け部を略倒Sの字状フックとすることは特段特徴のあるものではないから,共通点が類否判断に与える影響は小さい。これに対して,相違点について,略倒Sの字状に形成した先端フック部分の支柱部からの湾曲態様(S字下半部分に相当)は,本願意匠部分はなめらかな円弧状であるのに対し,引用意匠部分はやや角張った隅丸倒コの字状である点は,看者が掛け部として使用する場合注意して観察するフック部近傍の支柱部からの具体的湾曲態様の相違であるから,両意匠部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度あるものといえる。
そうすると,形態についての共通点は類否判断におよぼす影響は小さく,相違点は類否判断に与える影響が一定程度あるものであり,相違点は,共通点を凌駕して,両意匠部分を別異のものと印象づけるものであるから,本願意匠部分が引用意匠部分に類似するということはできない。
(3)小括
したがって,以上の点を総合して,両意匠の類否を検討すると,両意匠は,意匠に係る物品が異なり,両意匠部分は,たとえ位置及び大きさについて共通する点があったとしても,その範囲は異なり,用途及び機能について共通せず,形態についても相違点は,共通点を凌駕して両意匠部分を別異のものと印象づけるものであるから,全体的に見れば非類似の意匠であると認められる。

第4 むすび
以上のとおりであって,原査定の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,原査定の拒絶の理由によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2016-09-14 
出願番号 意願2015-15553(D2015-15553) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (D6)
最終処分 成立 
前審関与審査官 越河 香苗 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 渡邉 久美
刈間 宏信
登録日 2016-10-21 
登録番号 意匠登録第1563447号(D1563447) 
代理人 特許業務法人レガート知財事務所 
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