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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H7
管理番号 1322341 
審判番号 不服2016-7168
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-05-17 
確定日 2016-11-02 
意匠に係る物品 スピーカー 
事件の表示 意願2015-6999「スピーカー」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2014年(平成26年)10月1日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴い,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成27年(2015年)3月31日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「スピーカー」とし,形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって,「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。各図の表面部に表された細線は,いずれも立体表面の形状を表す線である。」としたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分を「本願実線部分」という。)。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠は, 独立行政法人工業所有権情報・研修館が2014年1月31日に受け入れた, LSシリーズカタログ Vol.1の 第3ページ所載のスピーカーボックスの意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HC26002082号,以下「引用意匠」といい,本願意匠と合わせて「両意匠」という。)の背面及び底面の接続部等を除いた部分の意匠であって,その形態は,同カタログの写真版に現されたとおりのものである(以下,引用意匠において,本願実線部分に相当する部分を「引用相当部分」といい,本願実線部分と合わせて「両意匠部分」という。)。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
1.本願意匠と引用意匠の対比
(1)両意匠の意匠に係る物品
本願意匠の意匠に係る物品は,「スピーカー」であり,引用意匠の意匠に係る物品は,「スピーカーボックス」であって,両意匠の意匠に係る物品は,用途及び機能を共通にすることから,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

(2)両意匠部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲
本願実線部分は,背面及び底面の外部端子接続用の部位などが除かれているが,放音部などの主要な部位は残されており,スピーカーとしての主たる用途及び機能を有しており,引用相当部分も同様であるから,両意匠部分の用途及び機能は共通する。
そして,本願実線部分は,スピーカーの背面視の中央下端から底面視の中央下端にわたる部分,背面の左右寄りの略トラック状の部分及び中央寄りの円形部分を除いた,スピーカーのほぼ全体を占めるものである。
これに対して,引用意匠の底面及び背面の態様は不明であるものの,引用相当部分が,スピーカーのほぼ全体を占めるという限りにおいては,両意匠部分の位置,大きさ及び範囲は,おおむね共通すると推認できる。

(3)両意匠部分の形態
両意匠部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。(以下,対比のため,本願意匠の図面における正面,平面等の向きを,引用意匠にもあてはめることとする。)

<共通点>
(A)横長角棒状のスピーカー筐体(以下「筐体」という。)の左右両端部にリング状の別部材を設けた点。
(B)筐体の正面側略全体をスピーカー部とした点。

<相違点>
(ア)本願実線部分の筐体は,正面視での縦横比が略1:5であるのに対して,引用相当部分の筐体は,縦横比が略1:10である点。
(イ)本願実線部分は,底面から背面にわたる,略L字形柱状の台座部を備えているのに対して,引用相当部分は,そのような台座部を備えていない点。
(ウ)本願実線部分の筐体は,側面視で,各辺の中央部が外側にやや膨出したような,隅丸の略縦長矩形状であるのに対して,引用相当部分の筐体は,各辺の中央部が外側にやや膨出したような,隅丸の略正方形状である点。

2.両意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠部分の類否判断に及ぼす影響を評価及び総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

両意匠は,意匠に係る物品が共通し,両意匠部分の用途及び機能が共通すると認定でき,また,両意匠部分の位置,大きさ及び範囲が共通すると推認できるところ,形態については,以下のとおりである。

(1)両意匠部分の形態についての共通点の評価
共通点(A)及び共通点(B)は,スピーカーの物品分野において,他にも見られる形態であるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は,それ程大きなものとはいえないし,共通点(A)及び共通点(B)があいまった視覚効果を考慮しても,両意匠部分の類否判断を決定付けるまでには至らないものである。

(2)両意匠部分の形態についての相違点の評価
これに対して,相違点(ア)は,筐体の正面視での縦横比に関するものであって,非常に目に付きやすい上に,一見して気付く相違であるから,相違点(ア)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいというべきである。
また,相違点(イ)は,底面から背面にわたる略L字形柱状の台座部に関するものであって,スピーカーを設置する際には当然に気付くものである。また,この台座部を備えた本願実線部分の筐体は,設置面から若干浮き上がったように見える視覚効果を有するのに対して,台座部を備えていない引用相当部分の筐体は,そのような視覚効果を有しないことから,相違点(イ)は,両意匠部分が異なっていることを強く印象づけるものである。
さらに,相違点(ウ)は,筐体の左右端の形態の相違に関するものであって,側面視においては容易に気付くものであるから,両意匠の類否判断に及ぼす影響は一定程度あるものといえる。
そして,相違点(ア)ないし(ウ)があいまった視覚的効果を考慮すると,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕して,両意匠部分は,視覚的印象を異にするというべきである。

(3)小括
したがって,両意匠は,意匠に係る物品が共通し,両意匠部分の用途及び機能が一致する上に,両意匠部分の位置,大きさ及び範囲が共通するが,形態においては,共通点が未だ両意匠部分の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して,相違点が両意匠部分の類否判断に及ぼす影響は共通点のそれを凌駕しており,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕し,両意匠部分は視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,原査定の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,原査定の拒絶の理由によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-10-18 
出願番号 意願2015-6999(D2015-6999) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 石坂 陽子藤原 宗久良 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 刈間 宏信
渡邉 久美
登録日 2016-12-02 
登録番号 意匠登録第1566495号(D1566495) 
代理人 久保 怜子 
代理人 小暮 理恵子 
代理人 行田 朋弘 
代理人 阿部 達彦 
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