• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服  工業上利用 取り消して登録 B7
管理番号 1322348 
審判番号 不服2016-9918
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-01 
確定日 2016-11-08 
意匠に係る物品 安全かみそり用操作ボタン 
事件の表示 意願2014- 9496「安全かみそり用操作ボタン」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,アメリカ合衆国への2013年11月1日の出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,平成26年(2014年)4月30日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「安全かみそり用操作ボタン」とし,その形態は,願書及び願書に添付された図面に記載されたとおりのもので,「実線であらわした部分(参考正面図及び参考背面図において薄墨を施した部分)が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである。(別紙参照)
なお,平成28年10月5日付け手続補正書による補正は適法なものであると認められるため,本願意匠は,平成28年10月5日付け手続補正書による補正後の願書及び願書に添付された図面に記載されたとおりのものと認められる。

2.原査定における拒絶の理由及び経緯
(A)拒絶理由通知
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当せず,意匠登録を受けることができないとしたものである。
その理由として,本願意匠は,以下の点から,具体的な意匠を表しているとはいえないとしたものである。
(1)意匠の説明の欄に「本物品は,液体を供給するように構成された器具に用いるボタンである。このボタンは,前記器具の使用時に液体を供給するよう前記器具に内蔵されたポンプを作動させるために用いられるものである。」との記載があるが,その「液体を供給するように構成された器具」という記載が広範であることから,その使用目的及び使用状態が具体的に示されているとは未だいえず,明らかではない。
(2)本願意匠に係る物品の全体形状の輪郭もなす線も破線で表されているものと見受けられ,意匠登録を受けようとする部分が明らかではない。
(3)断面図等がないため,背面側の凹凸の態様が不明である。

(B)補正の却下の決定
この拒絶理由通知に対して,審判請求人は,手続補正書を提出したが,その補正は却下された。
(1)手続補正書(平成27年7月13日付け)
この拒絶の理由の通知に対応するため,請求人は,平成27年(2015年)7月13日付けで手続補正書を提出し,願書の「意匠に係る物品の説明」及び「意匠の説明」を変更し,図面を全図変更する補正をした。
(2)補正の却下の決定(平成27年9月17日付け)
この補正に対して原審は,「上記手続補正書により,願書に添付の図面の全図を変更され,意匠登録を受けようとする部分を明らかにされましたが,ボタンの上面部分の破線部を実線に変更し,当該部分も構成線または模様として含んで意匠登録を受けようとする部分に変更した補正は,この意匠の属する分野における通常の知識に基づいて,出願当初の願書の記載及び添付図面を総合して判断しても特定できなかった意匠の要旨を特定するものです。よって,上記手続補正書による補正は,出願当初の願書に添付した図面の要旨を変更するものと認められます。」との理由により,意匠法第17条の2第1項の規定に基づき,平成27年(2015年)9月17日付けで,この平成27年(2015年)7月13日付け手続補正書によりした補正を却下すべきものと決定した。

(C)拒絶査定(平成28年3月29日付け)
その後,その決定が確定したことから,本願意匠は,意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当せず,意匠登録を受けることができないものとして,拒絶の査定がなされたものである。

(D)審判請求(平成28年7月1日)
この拒絶査定を受けて,請求人は,審判請求書を提出するとともに,平成28年(2016年)7月1日付けで手続補正書を提出し,願書の「意匠に係る物品の説明」及び「意匠の説明」を変更し,図面を全図変更する補正をした。
しかしながら,依然として願書の「意匠に係る物品」及び「意匠の説明」に変更を要し,図面を変更する補正が必要なものであった。当審において,その旨を請求人に伝えた。

(E)手続補正書(平成28年10月5日付け)
請求人は,平成28年(2016年)10月5日付けで手続補正書を提出し,願書の「意匠に係る物品」及び「意匠の説明」を変更し,図面を全図変更する補正をした。

3.当審の判断
平成28年(2016年)10月5日付けの手続補正書によれば,本願意匠の「意匠に係る物品」は,「安全かみそり用操作ボタン」で,「本物品は,刃の周囲に液状潤滑剤を供給するように構成された安全かみそりに用いるボタンであって,安全かみそりに内蔵されたポンプを作動させるために用いられるものである。」という「意匠に係る物品の説明」と合致するものであり,その使用目的及び使用状態が具体的なものといえる。
次に,「意匠の説明」を「実線であらわした部分(参考正面図及び参考背面図において薄墨を施した部分)が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」と変更し,参考正面図及び参考背面図に薄墨を施した部分を設けることによって,破線部分を除いた全体を意匠登録を受けようとする部分としたものであることが明瞭となったものである。
また,「A-A線切断部端面図」の提出により,背面側が凹状であるものと認められ,背面側の凹凸の態様も具体的なものといえる。
そして,この手続補正書によるこれらの補正は,当業者の通常の知識に基づけば,本願の出願当初の願書及び図面の記載から,当然に導き出される意匠であり,この手続補正書による補正は,本願の出願当初の願書及び図面の意匠の要旨を変更するものには当たらないものであると判断することができる。

4.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当するものであるから,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-10-25 
出願番号 意願2014-9496(D2014-9496) 
審決分類 D 1 8・ 14- WY (B7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 重坂 舞 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 斉藤 孝恵
須藤 竜也
登録日 2016-12-16 
登録番号 意匠登録第1567560号(D1567560) 
代理人 永井 浩之 
代理人 副田 圭介 
代理人 佐藤 泰和 
代理人 中村 行孝 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ