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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 H7
管理番号 1323546 
審判番号 不服2016-12144
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-08-10 
確定日 2016-11-22 
意匠に係る物品 携帯情報端末 
事件の表示 意願2015- 12993「携帯情報端末」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,2014年(平成26年)12月31日の大韓民国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴う,物品の部分について意匠登録を受けようとする平成27年(2015年)6月11日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は「携帯情報端末」であり,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)は,願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものであって,「実線で表した部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下,本願において意匠登録を受けようとする部分を「本願意匠部分」という。)。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠(先行の公知意匠に類似する意匠)に該当するため,同条同項柱書の規定により意匠登録を受けることができないとしたものであって,拒絶の理由に引用した意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と合わせて「両意匠」という。)は,本願についての優先権の主張の基礎とされた大韓民国への出願の日である2014年(平成26年)12月31日(以下「本願の優先日」という。)よりも前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載され,又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった,下記の意匠である。(以下では,引用意匠のうち,本願意匠部分に対応する部分を「引用意匠部分」といい,本願意匠部分と合わせて「両意匠部分」という。)

【引用意匠】(別紙第2参照)
特許庁発行の意匠公報(発行日:平成26年7月14日)記載
意匠登録第1502483号
(意匠に係る物品,携帯電話機)の意匠(操作ボタン,スピーカー孔,カメラ部等を除く,正面パネル部分)

第3 当審の判断
1 両意匠の対比
(1)両意匠の意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,ともに電話機能を有する携帯可能な情報機器である点において共通するといえるから,両意匠の意匠に係る物品は類似する。
(2)両意匠部分の用途及び機能
両意匠部分は,いずれも,情報機器の表示部を含むフロントパネルの部分と認められるから,両意匠部分の用途及び機能は一致する。
(3)両意匠部分の位置,大きさ及び範囲
両意匠部分は,いずれも,正面側のほぼ全面を占める部分であるから,両意匠部分の位置,大きさ及び範囲は,おおむね一致する。
(4)両意匠部分の形態
両意匠部分の形態を対比すると,主として,以下のとおりの共通点及び相違点が認められる。
<共通点>
(A)中央部分が平坦で左右両端部分が背面側に湾曲し,正面視において略縦長隅丸長方形状を呈する略板状体のフロントパネルである点
(B)フロントパネルの中央に,上下に若干の余地部を残し,左右にごく僅かな余地部を残して,中央部分が平坦で左右両端部分が背面側に湾曲し正面視において略縦長長方形状を呈する表示部を,フロントパネルと面一となるように設けた点
<相違点>
(ア)本願意匠部分では,正面視において,フロントパネルの四隅の曲率半径が比較的大きく,斜視においてフロントパネルの四隅がなで肩状に表れるのに対し,引用意匠部分では,正面視におけるフロントパネルの四隅の曲率半径が比較的小さく,斜視においてフロントパネルの四隅がいかり肩状に表れる点
(イ)正面視におけるフロントパネルの上下辺の形状に関し,本願意匠部分では僅かに外側に膨らんだ曲線状であるのに対し,引用意匠部分では直線状である点
(ウ)平面視におけるフロントパネルの形状に関し,本願意匠部分では,左側端部,中央の平坦部,及び右側端部の,横方向の長さの比率が約1:8:1であり,左右両端部が略円弧状であるのに対し,引用意匠部分では,上記比率が約1:4:1であり,左右両端部が正面側に僅かに膨らんだ略直線状である点

2 両意匠の類否判断
上記1(1)ないし(3)のとおり,両意匠は,意匠に係る物品は類似し,両意匠部分の用途及び機能は一致し,両意匠部分の位置,大きさ及び範囲はおおむね一致するが,形態については,以下のとおりである。
(1)共通点について
共通点(A)及び(B)は,いずれも,目に付きやすい部位に係るものである。しかしながら,共通点(A)については下記参考意匠1及び2に,共通点(B)については下記参考意匠3及び4にそれぞれ見られるように,いずれも,当該物品分野において公然知られた態様であるから,需要者に対して新規な印象を与えるものではない。
したがって,共通点(A)及び(B)が両意匠の類否判断に与える影響は小さく,共通点全体があいまって生じさせる美感を考慮しても,両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものである。

【参考意匠1】(別紙第3参照)
独立行政法人工業所有権情報・研修館が平成23年(2011年)1月12日に受け入れた
Trade Media Holdings Ltd.が発行した外国雑誌
Global Sources Computer Products 3号 28巻
第41頁所載
「デジタルオーディオプレーヤー」の意匠
(特許庁意匠課公知資料番号第HB22008373号)

【参考意匠2】(別紙第4参照)
特許庁が平成21年(2009年)10月8日に発行した公開特許公報
特開2009-230341号
図6及び図7並びに関連する記載に示された「携帯情報端末」の意匠

【参考意匠3】(別紙第5参照)
特許庁が平成26年(2014年)7月14日に発行した意匠公報記載
意匠登録第1502484号に示された「携帯電話機」の意匠

【参考意匠4】(別紙第6参照)
特許庁が平成25年(2013年)6月10日に発行した公表特許公報
特表2013-521554号
図3及び関連する記載に示された「携帯電子機器」の意匠

(2)相違点について
相違点(ア)ないし(ウ)は,いずれも,目に付きやすく需要者の注意を強くひく部位に係るものであり,また,これらの相違点があいまって生じさせる美感を考慮した場合,本願意匠部分は曲線的でソフトな印象を与えるものであるのに対し,引用意匠部分は角張ったシャープな印象を与えるものであるといえるから,両意匠の類否判断に与える影響は大きい。

(3)小括
上記1(1)ないし(3)のとおり,両意匠は,意匠に係る物品は類似し,両意匠部分の用途及び機能は一致し,両意匠部分の位置,大きさ及び範囲はおおむね一致するものの,形態においては,上記(1)のとおり,共通点が両意匠の類否判断を決定付けるまでには至らないものであるのに対して,上記(2)のとおり,相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きく,意匠全体として見た場合,相違点の印象は,共通点の印象を凌駕(りょうが)し,両意匠は,視覚的印象を異にするというべきであるから,本願意匠は,引用意匠に類似するということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠をもって,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同条同項柱書によって,本願意匠を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-11-08 
出願番号 意願2015-12993(D2015-12993) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (H7)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木村 智加 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 江塚 尚弘
須藤 竜也
登録日 2017-01-06 
登録番号 意匠登録第1568541号(D1568541) 
代理人 特許業務法人三枝国際特許事務所 
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