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審決分類 審判 査定不服  意3条登録用件 取り消して登録 J5
管理番号 1323548 
審判番号 不服2016-11931
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-08-08 
確定日 2016-11-22 
意匠に係る物品 自動販売機 
事件の表示 意願2015-23131「自動販売機」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願の主な手続の経緯及び本願意匠
本願は,2015年(平成27年)4月20日のアメリカ合衆国への出願に基づくパリ条約による優先権の主張を伴い,物品の部分について意匠登録を受けようとする,同年10月20日の意匠登録出願であって,同年12月9日付けで拒絶の理由が通知され,平成28年(2016年)4月4日に,本願の願書の「意匠の説明」の欄を変更する手続補正書及び意見書が提出されたが,同年4月21日付けで拒絶査定がなされ,同年8月8日に,当該査定の取り消しを求める審判請求がなされ,さらに同年9月13日に,本願の願書に添付した図面を変更及び追加する手続補正書が提出された。
そして,本願の意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品を「自動販売機」とし,形態を願書の記載及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであって,「表示窓の前面は透明である。実線で表された部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。各図に表された略平行状,弧状の細線はいずれも模様ではなく立体表面の形状を表す線である。」としたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分を「本願実線部分」という。)。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しないというものであり,具体的には以下のとおりである。
「本願意匠の部分意匠として意匠登録を受けようとする部分は,自動販売機の前面パネルに係り,その中で,表示窓の内部の形状も,表示窓の前面が透明であり,内部が透けて見える状態となり,十分需要者の注意を惹くものです。
しかし,(1)表示窓の内部の形状は,【正面,右側面および平面を表す図】によってようやく凹凸が確認できるだけで,具体的な凹凸形状が認識できるわけではなく,かつ,その他の図によっても,表示窓の内部の形状が明確にはなりません。そして,表示窓の内部の形状を明確にするために必要な表示窓を横に切断するような断面図等もありません(意施規様式第6備考14)。
また,(2)立体を表す図面は,正面図,背面図,左側面図,右側面図,平面図及び底面図をもって一組としますが(意施規様式第6備考8),本願は,「背面図」が不足します。なお,等角投影図法による【正面,右側面および平面を表す図】によって,背面図を省略しようとしたとしても,【正面,右側面および平面を表す図】には背面を表しているものではないため,背面図を省略したものとはできません(意施規様式第6備考9)。もし,背面図が,部分意匠として「意匠登録を受けようとする部分」以外の,「その他の部分」(破線だけで描かれる部分)のみが表れる図として,背面図を省略しようとするものであれば,その旨を,例えば,『背面図は,意匠登録を受けようとする部分が表れないため省略する。』と【意匠の説明】の欄に明記する必要があります(「意匠登録出願の願書及び図面等の記載の手引き」の「第2部 部分意匠の表し方」,「2.3 図面の具体的な記載方法・留意点」の項『(8)「その他の部分」のみが表れる図を省略する場合」参照。)。
したがって,この意匠登録出願の意匠は,未だ意匠が具体的なものではありません。」

3.当審の判断
平成27年12月9日付けの拒絶の理由は,上記2.に示すとおり,(ア)本願意匠の表示窓の内部の形状が明確でなく,(イ)本願は背面図が不足するため,本願意匠が意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない,というものであるところ,平成28年4月4日にされた手続補正により,本願の願書の「意匠の説明」の欄が変更され,「背面図は、意匠登録を受けようとする部分が表れないため省略する。」との説明が追加された。
これにより,上記(イ)に係る理由で,本願意匠が意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない,ということはできない。
また,平成28年9月13日にされた手続補正により,本願の願書に添付した図面が変更及び追加されたところ,当該手続補正を踏まえて,上記(ア)に係る理由について,以下,検討する。

(1)本願意匠
本願意匠の意匠に係る物品は,「自動販売機」であり,本願実線部分は,販売する飲料等の種類を表示し,利用者の選択を可能とする用途及び機能を有し,自動販売機の正面略中央に位置し,自動販売機の正面の略3/5を占める大きさ及び範囲である。
そして,本願実線部分の形態については,以下の点を認めることができる。
(A)自動販売機の正面の隅丸縦長長方形状の前面パネルであって,その前面パネル内に,横幅が前面パネルの横幅よりもやや小さい2つの同形同大の隅丸横長長方形状表示窓が,前面パネルの左端に近接して上下に設けられており,上側の表示窓(以下「上表示窓」という。)は,前面パネル上側寄りに配されており,下側の表示窓(以下「下表示窓」という。)は,前面パネルの中心やや下寄りに配されている点。
(B)断面視正面側に略円弧状に膨出する突起部を,若干の間隔を開けて9つ横に並べた表示板が,上表示窓及び下表示窓から視認できる点。
(C)上表示窓の下側及び下表示窓の上側に,表示板の突起部に対応するように9つの円形ボタンが設けられている点。

(2)判断
上記(B)に示すとおり,本願実線部分の上表示窓及び下表示窓の内部には,断面視正面側に略円弧状に膨出する突起部を,若干の間隔を開けて9つ横に並べた表示板が設けられていることが明らかであるから,本願意匠の表示窓の内部の形状が明確でないという理由により,本願意匠が意匠法第3条第1項柱書に規定する工業上利用することができる意匠に該当しない,ということはできない。

4.むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の拒絶の理由によっては,意匠法第3条第1項柱書きに規定する工業上利用することができる意匠に該当しないものであるということはできない。
また,他に,本願を拒絶すべき理由を発見することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-11-07 
出願番号 意願2015-23131(D2015-23131) 
審決分類 D 1 8・ 1- WY (J5)
最終処分 成立 
前審関与審査官 杉山 太一 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 渡邉 久美
刈間 宏信
登録日 2017-01-13 
登録番号 意匠登録第1569072号(D1569072) 
代理人 柳田 征史 
代理人 佐久間 剛 
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