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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1324920 
審判番号 不服2016-10577
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-13 
確定日 2017-01-16 
意匠に係る物品 包装用容器 
事件の表示 意願2015-15723「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成27年(2015年)7月15日付けの意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形態を願書の記載及び願書に添付した図面代用の写真に現されたとおりとするものである(別紙第1参照)。

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,独立行政法人工業所有権総合情報館が2003年3月7日に受け入れた「製菓製パン 2003年3月5日3号」の第28ページに所載の,包装用容器として右下方向に掲載されている黒色矩形状容器の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HA15001250号。以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同カタログに記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,意匠に係る物品は,共に「包装用容器」で,一致している。

(2)形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。

(2-1)共通点
シート材をプレス成形することにより形成した,基本的構成態様を,底面部と周側面部から成る上方開口部に向かって広がるカップ状とし,平面視で略角丸四角形としたものであって,四隅に位置するコーナー部の周側面に外方を山折りとしてとがらせたひだを設けた態様が共通している。

(2-2)相違点
それに対して,基本的構成態様において,(a)平面視の全体形状につき,本願意匠は,約8対5の比率とした横長の角丸長方形を基本としているのに対して,引用意匠は,角丸正方形を基本としている点,具体的構成態様において,(b)底面部の角のR(半径)及び周側面上端部の角のRにつき,本願意匠は,比較的大であるのに対して,引用意匠は,比較的小である点,(c)角のコーナー部ごとのひだの数につき,本願意匠は,5つであるのに対して,引用意匠は,4つである点,(d)各コーナー部におけるひだの振幅につき,本願意匠は,比較的大であるのに対して,引用意匠は,比較的小である点,(e)各コーナー部におけるひだの内方の形状につき,本願意匠は,内側に凸の湾曲線(二次曲線)状であるのに対して,引用意匠は,内方を谷折りとしてとがらせたV字形状である点,(f)各辺の周側面上端部の形状につき,本願意匠は,内側に凸の湾曲線状であるのに対して,引用意匠は,直線状である点,(g)各辺の端部とひだ部のつながりにつき,本願意匠は,ひだの最内方の位置から各辺がつながっているのに対して,引用意匠は,不明である点,で相違する。

(3)類否判断
ア.この種物品分野においては,シート材をプレス成形することにより形成した上方開口部に向かって広がるカップ状のもので,底面部を円形,長円形や角丸長方形などの周知形状とし,周側面の直線部分を平面にすることも,コーナー部に折ひだを形成することも,ありふれた態様であるから,これらの共通性のみをもって両意匠の類否判断を決することはできない。
イ.それに対して,各相違点については次のように評価できる。
すなわち,
(ア)相違点(a)及び(b)により,本願意匠の左右の周側面上端部の形状は,平面視において,上下のコーナー部における縦の長さと短辺の長さの比が,約1:1:1と成り,
(イ)(ア)の態様と,相違点(e)ないし(g)によって,本願意匠は,平面視で上下のコーナー部のひだと短辺が一体につながって見える形状に成っており,
(ウ)また,四隅に着目すると,相違点(d)(e)及び(g)によって,平面視において本願意匠は,各コーナー部が四辺より飛び出して,水かきが付いたカエルの手などを想起させる形状になっているものである。
ウ.これに対して,引用意匠は,本願意匠に内在する(ア)ないし(ウ)の態様を持ち合わせていない。
エ.そうして,これらの相違は,両意匠の類否判断に大きな影響を与えるものと認められる。
オ.よって,相違点(c)が両意匠の類否判断に与える影響が限定的だとしても,相違点(a)(b)及び(d)ないし(g)がもたらす印象で,共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものであり,両意匠の形態は類似しないといえる。
したがって,両意匠の意匠に係る物品は一致しているが,形態は類似しないから,両意匠は,類似しているとはいえない。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2016-12-20 
出願番号 意願2015-15723(D2015-15723) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 成田 陽一 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 刈間 宏信
橘 崇生
登録日 2017-02-03 
登録番号 意匠登録第1570739号(D1570739) 
代理人 山本 直樹 
代理人 葛西 泰二 
代理人 葛西 さやか 
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