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審決分類 審判    F3
管理番号 1324924 
審判番号 無効2016-880003
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 無効の審決 
審判請求日 2016-03-22 
確定日 2017-01-10 
意匠に係る物品 手帳用紙 
事件の表示 上記当事者間の意匠登録第1481853号「手帳用紙」の意匠登録無効審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 意匠登録第1481853号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 事案の概要

本件は,請求人が,被請求人が意匠権者である意匠登録第1481853号の意匠(以下「本件登録意匠」という。)についての登録を無効とすることを求める事案である。

第2 手続の経緯の概要

本件登録意匠の意匠登録第1481853号に係る手続の経緯の概要は,以下のとおりである。
平成25年 2月19日:意匠登録出願(意願2013-003312号)
平成25年 8月19日:登録査定
平成25年 9月13日:意匠権設定の登録(登録第1481853号)
平成25年10月15日:意匠公報発行
平成28年 3月23日:無効審判請求
平成28年 5月17日:請求書副本送達(被請求人)
平成28年 7月21日:書面審理通知書(請求人及び被請求人)
平成28年 8月 5日:審尋(請求人)
平成28年 8月22日:回答書及び証拠説明書の提出(請求人)
平成28年10月21日:回答書副本送達(被請求人)

第3 請求人の主張の概要

請求人は,平成28年3月22日付け審判請求書を提出し,結論同旨の審決を求めると申し立て,その理由として要旨以下のように主張するとともに,証拠方法として甲第1号証から甲第6号証を提出している。

1.無効理由の要点
本件登録意匠は,本件意匠登録出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された意匠に類似する意匠であり,意匠法第3条第1項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものである。よって,本件登録意匠は同法第48条第1項第1号に該当し,無効とすべきである。

2.本件登録意匠を無効とすべき理由
(1)本件登録意匠の要旨
本件登録意匠は,意匠登録第1481853号の意匠公報に記載のとおり,意匠に係る物品を「手帳用紙」とし,その形態は,基本的構成態様が,(イ)縦横比が略8対11の横長用紙であり,(ロ)用紙左半分には5列の週間予定欄が表され,用紙右半分左側には残り2列の週間予定欄が表され,その余に1列の自由記入欄が表されており,(ハ)前記各列には水平な罫線が形成されたものである。
そして,その形態の具体的構成態様は,(ニ)前記週間予定欄の第4段目から第11段目までが各列左側一文字分の細幅分を除き暗調子で表されており,(ホ)前記週間予定欄の最下段において各列左端付近に鉛筆図案が施され,(ヘ)前記水平な罫線が細線又は破線により表されたものである。
なお,本件登録意匠の裏面には表面の模様が同一に表れる。

(2)先行意匠が存在する事実及び証拠の説明
甲第1号証は,本件登録意匠の出願前,平成25年1月30日付で電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった被請求人発表のプレスリリース第1頁に記載された「手帳用紙」の意匠であって,その形態は,基本的構成態様が,縦横比が略8対11の横長用紙であり,用紙左半分には5列の週間予定欄が表され,用紙右半分左側には残り2列の週間予定欄が表され,その余に1列の自由記入欄が表されており,前記各列には水平線により段が形成されたものである。
そして,その形態の具体的構成態様は,前記週間予定欄の第4段目から第11段目までが各列左側一文字分の細幅分を除き暗調子で表されており,前記週間予定欄の最下段において各列左端付近に鉛筆図案が施され,前記水平な罫線が細線により表されたものである。
上記の甲第1号証に記載の意匠が,本件登録意匠の出願前より公知となっていた点については,甲第2号証及び甲第3号証の存在からも裏付けられるものである。
すなわち,前記プレスリリースの内容によると甲第1号証に記載の意匠は,商品名「能率手帳スコラ ライト」とよばれる学生向け手帳に採用されているものであるが,米国の第三者機関であるInternet Archiveが運営するWayback Machineにより記録,提供されている情報によれば,当該学生向け手帳は,能率手帳公式通販サイトJMAMeショップにおいて,平成25年1月31日には,販売予約(2013年2月8日発売予定)が開始されている(甲第2号証)。そして,甲第2号証には,甲第1号証に記載の意匠と実質同一の意匠が表された画像が商品説明のために用いられている(甲第3号証)。このような状況からすれば,学生向け手帳「能率手帳スコラ ライト」の販売予約が開始されていた平成25年1月31日の前日である平成25年1月30日に,被請求人が当該手帳に関するプレスリリース発表を行っていることについて不自然な点は見受けられず,本件意匠登録の出願前より甲第1号証に記載の意匠が商品実物又は電気通信回線を通じて公然知られたものとなっていたことは明らかである。
また,甲第1号証に記載の意匠をより明瞭に示すための参考資料として,株式会社能率手帳プランナーズが発行した2013年度版「能率手帳スコラ ライト」の商品実物(一部抜粋)の写しを甲第4号証として提出する。甲第1号証に記載の意匠は,当該手帳の「週間ページをつかいこなそう!【週間ページの記入例】」に表されている(甲第5号証)。

(3)本件登録意匠と先行意匠との対比
意匠に係る物品は,両意匠共に「手帳用紙」に関するものであり,同一の物品である。
その形態については,下記の対比図からも明らかなように,前記基本的構成態様(イ)(ロ)(ハ)及び前記具体的構成態様(ニ)(ホ)において共通する。
一方,本件登録意匠は,前記具体的構成態様(へ)に記載のとおり,水平な罫線が細線又は破線により表されているのに対して,甲第1号証の意匠は,水平な罫線が細線により表されている点において相違する。

(4)本件登録意匠と先行意匠との類否
両意匠の類否を検討すると,共通する基本的構成態様(イ)(口)(ハ)は,具体的態様(ニ)(ホ)の共通点と共に,両意匠の基調を形成している。

一方,前記(ヘ)の水平な罫線が細線で表されているか破線で表されているかの差異点については,帳面を形成する罫線枠,暗調子部分及び鉛筆図案の位置,大きさ,範囲が酷似しているという共通点がある中での差異であり,かつ,文字を水平に記載していくための補助線の線種が異なっているにすぎないものであることから,類否判断に与える影響は極めて微弱なものである。
すなわち,両意匠を意匠全体として観察する場合,両意匠の差異点は両意匠の共通感を凌駕するものではないから,両意匠は,需要者の視覚を通じて起させる美感を共通にしており,類似するものである。
なお,甲第6号証に示すように,被請求人は,甲第1号証に記載の意匠が採用されている2014年度版「能率手帳スコラ ライト」の末尾ページに「意匠登録第1481853号」と本件登録意匠番号を記載しており,被請求人自らも甲第1号証に記載の意匠が本願登録意匠と同一又は類似する意匠であると認識している点につき付言する。

(5)むすび
したがって,本件登録意匠は,意匠法第3条第1項第3号の規定により意匠登録を受ける事ができないものであり,その意匠登録は同法第48条第1項第1号の規定に該当し,無効とされるべきものである。

3.証拠方法
(1)本件登録意匠が,本件意匠登録出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似する意匠であり,意匠法第3条第1項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものであることを,甲第1号証ないし甲第6号証により立証する。

(2)証拠の表示
ア 甲第1号証:
意匠登録第1481853号と実質同一の意匠が掲載された2013年1月30日付被請求人プレスリリースのプリントアウト(情報のアドレスURL:http://www.noltyplanners.co.jp/pdf/20130130_release.pdf)の写し

イ 甲第2号証:
米国の第三者機関であるInternet Archiveが運営するWayback Machineにより記録,提供されている平成25年1月31日付「能率手帳公式通販サイトJMAMeショップ・2013年4月始まり 能率手帳スコラ ライト」商品ページのプリントアウト(URL:http://web.archive.org/web/20130131025021/http://shop.jmam.co.jp/diary/1278078_1377.html)の写し

ウ 甲第3号証:
米国の第三者機関であるInternet Archiveが運営するWayback Machineにより記録,提供されている平成25年1月31日付「能率手帳公式通販サイトJMAMeショップ・2013年4月始まり 能率手帳スコラ ライト」商品画像ページのプリントアウト(URL:http://web.archive.org/web/20130131025047/http://shop.jmam.co.jp/diary/1278078_1476.html)の写し

エ 甲第4号証:
被請求人((旧)株式会社能率手帳プランナーズ。その後,商号変更により,株式会社NOLTYプランナーズ。)が販売した2013年度版「能率手帳スコラ ライト」(一部抜粋)の写し

オ 甲第5号証:
被請求人が販売した2013年度版「能率手帳スコラ ライト」週間ページをつかいこなそう!【週間ページの記入例】の部分拡大写真の写し

カ 甲第6号証:
被請求人が販売した2014年度版「能率手帳スコラ ライト」(一部抜粋)の写し

第4 被請求人の答弁

特許庁より被請求人に対し,平成28年5月18日に審判請求書を送達し,期間を指定して答弁書の提出を求めたが,被請求人からの応答はなかった。

第5 当審の判断

1.本件登録意匠
本件登録意匠は,平成25年(2013年)2月19日に意匠登録出願(意願2013-3312号)され,同年9月13日に登録の設定(意匠登録第1481853号)がなされ,同年10月15日に意匠公報が発行されたものであって,願書及び願書に添付された図面の記載によれば,意匠に係る物品を「手帳用紙」とし,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)を,願書及び願書に添付した図面に表されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

2.請求人が主張する無効の理由
請求人が,意匠法第48条第1項第1号の規定に基づき本件登録意匠について主張する意匠登録無効事由は,以下のとおりである。

本件登録意匠は,本件意匠登録出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった甲第1号証に記載された意匠(以下「イ号意匠」という。)に類似する意匠であり,意匠法第3条第1項第3号の規定により意匠登録を受けることができないものである。
よって,意匠法第48条第1項第1号により,その登録は無効とされるべきものである。

3.イ号意匠
イ号意匠は,株式会社能率手帳プランナーズが公開した2013年1月30日付けのプレスリリースに記載の「能率手帳スコラ ライト」における「手帳用紙」の意匠(情報のアドレスURL:http://www.noltyplanners.co.jp/pdf/20130130_release.pdf)であって,その形態は,同社のホームページ内に掲載された写真により現されたとおりのものである。(別紙第2参照)
なお,イ号意匠は,甲第2号証及び甲第3号証によれば,米国の第三者機関であるInternet Archiveが運営するWayback Machineにより記録,提供されている平成25年1月31日付「能率手帳公式通販サイトJMAMeショップ・2013年4月始まり 能率手帳スコラ ライト」の商品ページ及び商品画像ページに掲載された手帳の意匠と実質同一のものであるから,平成25年1月31日以降には公知となったものと認められる。

4.無効理由の検討
請求人の主張を踏まえ,本件登録意匠が,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するか否かについて,本件登録意匠とイ号意匠(以下「両意匠」という。)を対比し,両意匠が類似するか否かについて,以下検討する。

(1)両意匠の対比
両意匠の意匠に係る物品は,いずれも「手帳用紙」であるから,両意匠の意匠に係る物品は一致する。

次に,両意匠の形態を対比すると,形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。
なお,イ号意匠では,綴じられた左右2枚の用紙からなる見開きの2頁が写真に現れているが,この手帳用紙の分野では,用紙の表面及び裏面を見開き2頁と同様の形態とし,それを複数枚綴じることで,見開きの状態では,用紙表面の右側と次の用紙裏面の左側が見開き2頁として表れるように構成されることが通常なされるところであるから,イ号意匠についても,本件登録意匠と同様に,左右2枚の用紙からなる見開き2頁と同様の形態が,手帳用紙1枚に施されたものであるとして,以下対比する。
また,イ号意匠における手書きによる文字及び図形の記載は,手帳用紙に後から記載された部分であるから,これらを類否判断の対象とはしない。

まず,共通点として,
(A)全体は,縦横比を約1:1.4とする横長長方形状とし,その四辺の縁部分,及び中央の縦方向に渡って細幅帯状の余白を設け,この余白以外の部分(以下「記入部分」という。)に縦横の枠線及び罫線からなる線模様,並びに図形及び文字を用紙の表面及び裏面に表したものであり,この記入部分は,左右を約7:3に分け,その左側には毎日の予定及び学習時間を記入する部分(以下「スケジュール記入欄」という。)とし,その右側には文章を記入する部分(以下「自由記入欄」という。)とする構成としている点,
(B)余白で囲まれた用紙の左半分側は,縦長長方形枠状の平日の予定を記入する記入欄(以下「平日予定欄」という。)を5列設け,左右両端部の平日予定欄においては,この予定欄を構成する外側の枠線のみ施されていないものであって,
(B-1)平日予定欄は,上から順番に,略正方形枠状の日付及び曜日を記入する記入欄(以下「日付欄」という。),欄の左側に6から8の数字を縦方向に略等間隔に施し,7及び8の数字の右側に水平方向の罫線(以下「横罫線」という。)を設け,その下側には,その欄の縦幅分の約3/8の範囲に,7本の横罫線により8つに等間隔に区切られた,7及び8の数字の間隔よりその幅が狭い記入欄を設け,さらにその下側に,7及び8の数字の間隔と同様の形態で,4から11の数字及びその右側の横罫線を設けた構成からなる,略縦長長方形枠状の一日のスケジュールを記入する記入欄(以下「平日時系列欄」という。),等間隔に設けられた6本の横罫線により7つに区切られている略縦長長方形枠状の記入欄(以下「メモ欄」という。),及び欄の左端付近に「鉛筆」の図形及び「学習時間」の文字,右端付近に「分」の文字が施された略横長長方形枠状の学習時間の合計を記入する記入欄(以下「学習時間欄」という。)を配置した構成としている点,
(C)余白で囲まれた用紙の右半分側は,その左側に休日の予定を記入する縦長長方形枠状の記入欄(以下「休日予定欄」という。)が2列設けられ,その右側に自由記入欄が設けられており,左側の休日予定欄においては,この予定欄を構成する左側の枠線のみ施されておらず,自由記入欄には,上から,自由記入欄の約1/6.5を占める略横長長方形枠状の今週の目標を記入する記入欄(以下「目標欄」という。),自由記入欄の約1/3.5を占める略横長長方形枠状の今週することを記入するマス目が施された記入欄(以下「今週すること欄」という。),自由記入欄の約1/2.4を占める略横長長方形枠状の一週間の振り返り,(うまくいったこと)及び(うまくいかなかったこと)について記入するマス目が施された記入欄(以下「一週間振り返り欄」という。),及び自由記入欄の約1/7を占める略横長長方形枠状の先生からのコメントを記入するマス目が施された記入欄(以下「コメント欄」という。)を設けたものであって,用紙の右半分側上方に「〔 〕まで あと〔 〕週」と記載されている点,
(C-1)休日予定欄は,平日予定欄の8と4の数字の間の部分にも,9から12及び1から3の数字並びに各数字の右側に横罫線を施した構成とし,その余は,平日予定欄と同様な形態としている点,
が認められる。

他方,相違点として,
(ア)横罫線の態様について,本件登録意匠は,破線からなるものに対して,イ号意匠は,細線からなる点,
(イ)休日時系列欄の8の数字右横の罫線から4の数字右横の横罫線で囲まれた範囲及び平日時系列欄における休日予定欄の上記範囲に該当する範囲の色彩の有無について,本件登録意匠は,当該範囲の左端部に僅かな余地を残して薄い灰色が施されているのに対して,イ号意匠には,そのような色彩が施されていない点,
が認められる。

(2)両意匠の形態の評価
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価する。

まず,共通点(A)の全体の態様に加えて,共通点(B)ないし(C-1)の各部の態様までもがほぼ一致する両意匠は,意匠の基調において共通しているといえる。
とりわけ,共通点(B-1)の8と4の数字の間の部分を他より間隔を狭め,7本の横罫線により8つに等間隔に区切るといった細部の特徴的な態様までもがほぼ共通している両意匠は,需要者に対して共通した印象を更に与えるものである。
そして,これら共通点(A)ないし(C-1)が相まって生じる視覚的効果は,学生向け手帳として注視される各部位の形態の共通性と相まって需要者に共通する印象を強く与えるものであるから,上記の共通点(A)ないし(C-1)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は非常に大きいといえる。

これに対し,相違点(ア)及び共通点(イ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱にとどまるものであって,上記共通点(A)ないし(C-1)が与える強い共通の印象を覆すほどのものではない。
すなわち,請求人が主張する相違点(ア)横罫線の態様については,この手帳用紙の分野において,罫線を構成する線の種類を細線から破線へ変更することは極普通に行われており,本件登録意匠の破線の形態を特段特徴のあるものとして高く評価することはできず,それ以外の重要な各部位がほぼ一致する両意匠の共通性に埋没する程度のものであるから,この相違点(ア)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱である。
次に,相違点(イ)休日時系列欄の8の数字右横の罫線から4の数字右横の横罫線で囲まれた範囲及び平日時系列欄における休日予定欄の上記範囲に該当する範囲の色彩の有無については,手帳用紙の分野では,重要項目を見やすくするために,当該欄に薄い色を施すことは極普通に見られるところであり,その色彩が薄い灰色であることも特徴として評価をすることはできず,それ以外の各部位がほぼ一致する両意匠の共通性に埋没するものであるので,この相違点(イ)が両意匠の類否判断に及ぼす影響も微弱である。
そして,これらの相違点(ア)及び相違点(イ)が相まって生じる視覚的効果を考慮したとしても,これらの相違点は,前記共通点(A)ないし(C-1)が与える共通の印象を覆して,両意匠の類否判断を左右するほどのものとはいえない。

(3)両意匠の類否判断
上記のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,その形態においても,共通点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は大きいのに対して,相違点が相まって生じる視覚的効果を考慮しても,相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響は微弱であり,共通点が与える共通の印象を覆すには至らないものであるから,意匠全体として見た場合,本件登録意匠はイ号意匠に類似するものと認められる。

第6 むすび

以上のとおりであって,本件登録意匠は,意匠登録出願前に日本国内において頒布された刊行物に記載された意匠又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠に類似するものであり,意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当し,意匠登録を受けることができないものであるにもかかわらず意匠登録を受けたものであるから,意匠法第48条第1項第1号に該当し,その意匠登録を無効とすべきものである。

審判に関する費用については,意匠法第52条の規定で準用する特許法第169条第2項の規定でさらに準用する民事訴訟法第61条の規定により,被請求人が負担すべきものとする。

よって,結論のとおり審決する。
別掲


審理終結日 2016-10-18 
結審通知日 2016-10-21 
審決日 2016-11-29 
出願番号 意願2013-3312(D2013-3312) 
審決分類 D 1 113・ 113- Z (F3)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木本 直美 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 山田 繁和
江塚 尚弘
登録日 2013-09-13 
登録番号 意匠登録第1481853号(D1481853) 
代理人 高田 泰彦 
代理人 朝倉 悟 
代理人 宮嶋 学 
代理人 佐藤 英二 
代理人 鰺坂 和浩 
代理人 副田 圭介 
代理人 黒川 朋也 
代理人 砂山 麗 
代理人 長谷川 芳樹 
代理人 寺下 雄介 
代理人 永井 浩之 
代理人 柏 延之 
代理人 布施 哲也 
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