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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1324930 
審判番号 不服2016-13401
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-03-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-09-07 
確定日 2017-02-13 
意匠に係る物品 包装用容器 
事件の表示 意願2015- 16482「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとして,平成27年(2015年)7月23日に意匠登録出願されたものであり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形態を,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりとしたものであり,「実線で表された部分が、部分意匠として意匠登録を受けようとする部分であり、破線部分は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分以外の部分である。」(以下「本願部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由および引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由として引用した意匠は,本願出願前,日本国特許庁発行の意匠公報(意匠公報発行日:平成15年(2003年)10月27日)に記載された意匠登録第1188248号(意匠に係る物品,包装用容器)の意匠における容器胴部に配された小凸部の形状(以下「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報の図面に記載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するか否かについて,本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)を対比し,両意匠の共通点及び相違点の認定,評価を行うことにより,本願意匠が引用意匠に類似するか否かを検討し,判断する。

なお,両意匠の対比にあたっては,意匠に係る物品はもとより,本願が物品の部分について意匠登録を受けようとするものであるから,本願部分と引用意匠のそれに相当する部分(以下「引用部分」という。)について,用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲を対比し,それらを踏まえて,本願部分と引用部分(以下「両部分」という。)の形態を対比する。

1.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,まず,意匠に係る物品について,いずれも包装用容器であるから,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

(2)部分意匠としての用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲について
両部分の用途及び機能は,食品等を収容し,使用後は主に使い捨て用い廃棄されるカップ型の包装用容器であって,共通する。
両部分の位置,大きさ及び範囲については,本願部分が,容器側周面の壁部(以下「側壁部」という。)であり,正面視略中央の位置における,立体模様が表れた,略台形状に示される範囲であるのに対し,引用部分は,原査定における拒絶の理由通知書の記載によると「容器胴部に配された小凸部」であり,その位置や範囲を特定していないが,両部分を対比した場合の認定及び判断の付記の内容から,本願部分に相当する部分であると認めることができるから,両部分の位置,大きさ及び範囲も共通する。

(3)形態について
両部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び相違点がある。
<共通点>
両部分の全体にわたり,多数の略同形同大の四角錐(以下「四角錐」という。)を連続配列した立体模様を形成し,その配列は,各四角錐の底面のそれぞれの辺が,隣り合う別の四角錐の底面のそれぞれの辺と接するよう,格子状に配置した点,
が認められる。

<相違点>
(ア)各四角錐の立体形状について,本願部分は,容器外側へ突出した四角錐状の凸部であり,その四角錐の底面を略正方形に形成しているのに対し,引用部分は,容器内側にくぼんだ四角錐状の凹部であり,その四角錐の底面を縦長の略菱形に形成した点,

(イ)各四角錐の配列態様について,本願部分は,全ての四角錐の凸部を同じ高さに形成し配列しているのに対し,引用部分は,B-B端面図から明らかなように,四角錐の凹部が深いものと浅いものを組み合わせて配列した点,

(ウ)各四角錐の配列のピッチについて,本願部分は,各四角錐を縦9個,横12個のピッチで配しているのに対し,引用部分は,縦4個,横6個程度のピッチで配した点,
が認められる。

2.本願意匠と引用意匠の類否判断
両意匠の意匠に係る物品は同一であり,両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲は共通している。
以下,共通点及び相違点が存在する両部分の形態について,検討する。

まず,共通点について,側壁部に四角錐の立体模様を連続配列した点は,引用部分のほかにも多数見受けられ,包装用容器の構成態様としてごくありふれた態様であって,本願部分と引用部分のみが持つ共通点とはいえず,両部分の類否判断に与える影響は軽微なものにとどまるものである。

これに対して,相違点(ア)については,本願部分は,底面が略正方形の四角錐からなるピラミッド状の突出部という視覚的印象を与えるのに対し,引用部分は,底面が縦長の略菱形の四角錐からなるトランプのダイヤマーク形状のくぼみという視覚的印象を与える点で大きく異なっており,需要者にとって,両部分の類否判断に大きな影響を及ぼすものである。
また,相違点(イ)及び(ウ)についても,本願部分は,同一形状の四角錐を細かいピッチで縦横に並べた,単一的な配列という印象を与えるのに対し,引用部分は,くぼみの深さが異なる四角錐をやや大きなピッチで組み合わせた,変化のある配列という印象を与える点で異なっており,需要者にとって,両部分の類否判断に大きな影響を及ぼすものである。

そして,これらの各相違点に係る態様が相まって生じる視覚的効果は,意匠登録を受けようとする部分を全体として見た場合,上記共通点をしのぎ,需要者に別異の美感を起こさせるものであるから,本願部分は,引用部分に類似しないものということができる。

したがって,両意匠の意匠に係る物品は同一であり,両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲も共通するが,両部分の形態については,相違点が共通点をしのぎ,両部分の類否判断に大きな影響を及ぼしており,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと認められる。

第4 むすび
以上のとおりであって,原査定の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2017-01-27 
出願番号 意願2015-16482(D2015-16482) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 成田 陽一 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 正田 毅
神谷 由紀
登録日 2017-02-24 
登録番号 意匠登録第1572419号(D1572419) 
代理人 元井 成幸 
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