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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 C6
管理番号 1325919 
審判番号 不服2016-16322
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-11-01 
確定日 2017-02-27 
意匠に係る物品 発泡飲料注出コック用スライド弁 
事件の表示 意願2015- 21988「発泡飲料注出コック用スライド弁」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする平成27年(2015年)10月6日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は「発泡飲料注出コック用スライド弁」であり,その形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)は願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりのものであって,「実線で表された部分が,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。」としたものである(以下,本願において意匠登録を受けようとする部分を「本願意匠部分」という。)。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものであり,具体的には,この種の物品分野において,弁の液体注出孔部を円盤体に4個の小孔を形成したものとすることは,本願出願前に公然知られたことであり(下記引例意匠1),本願意匠は,本願出願前に公然知られた飲料注出コック用弁軸の意匠(下記引例意匠2)の泡注出孔部を,下記引例意匠1のように,正方形の角となる位置に4個形成したまでのものにすぎないとしたものである(当審注.原審の拒絶理由通知書において,引例意匠1を「『配管用マイクロバブル発生器』の小孔を形成する円盤体部分の意匠」としているのは,「『配水管用マイクロバブル発生器』の小孔を形成する円盤体部分の意匠」の誤記と認める。)。

【引例意匠1】(別紙第2参照)
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1503325号の意匠
「配水管用マイクロバブル発生器」の小孔を形成する円盤体部分の意匠

【引例意匠2】(別紙第3参照)
特許庁発行の意匠公報記載
意匠登録第1422869号の意匠
「飲料注出コック用弁軸の意匠」

第3 請求人の主張の要点
これに対し,請求人は,審判を請求し,要旨以下のとおり主張した。

1 本願意匠が登録されるべき理由1
(1)原審の物品分野についての判断の誤りについて
原審の拒絶理由においては,「この種の物品分野において,弁の液体注出孔部を円盤体に4個の小孔を形成したものとすることは,本願出願前に公然知られたこと(引例意匠1)」としている。すなわち,原審は「この種の物品分野において公然知られたこと」として,本願意匠と引例意匠1(以下,「意匠1」という。)を同種の物品と捉えており,意匠の属する分野を広く捉えているように解される。
まず,本願意匠の意匠に係る物品は「発泡飲料注出コック用スライド弁」であって,発泡飲料注出コックに取り付けて,発泡飲料の注出および発泡体(泡)の生成・注出を制御する弁としての用途・機能を有するものである。
一方,意匠1の意匠に係る物品は「配水管用マイクロバブル発生器」であって,同意匠公報に記載の意匠に係る物品の説明においては,「この物品は主に水道水などが一定以上の圧力でこの器具を通ると,節水効果とともに水道水などに含まれている含有空気をマイクロバブル化して発生させることができる構造を有している。本願物品は入り口側から出口側に向かって鼓状に流水路が形成され,さらに入り口部には流水に回転を加えて流速を早くするため,4つの偏芯した開口を持った円盤状のプレートを取り付けてある。」との記載がある。この内容からは具体的な用途が不明であるため,意匠1に関連する公開特許公報(特開2016-2196号)を参照することにする。特開2016-2196号においては,意匠1の創作者を発明者とし,意匠1と同じ物品である配水管用マイクロバブル発生器を備えたシャワーヘッドについて特許出願がなされたものである。具体的には,内部にマイクロバブル生成器と,水道水を旋回させ流速を上げる偏芯穴を備えるトルネードプレート等を備えるシャワーヘッドであり,これらを備えたことで散水板を備えていなくてもシャワー体感を得られるシャワーヘッドについて特許出願がなされたものである。また,意匠1の創作者が取締役社長を務め,かつ,特開2016-2196号の出願人にもなっている株式会社micro-bubのウェブページを見ても,主にマイクロバブルを発生させるシャワーヘッドを中心とした製品を製造・販売する会社であることが分かる。すなわち,意匠1は,シャワーヘッドに取り付けて,節水効果とともにマイクロバブルを発生させる用途・機能を有するものと言える。すなわち,本願意匠と意匠1とは,物品の用途・機能が全く異なるものであって,物品分野が共通するものではない。このことは,特許庁の意匠分類において,本願意匠が属する分類が「C6-69 食品供給機部品及び付属品」であるのに対し,意匠1が属する分類は「M2-5900 バルブ等部品及び付属品」であるところ,意匠分類定義カードにおいて双方の分類を互いに参考分類として掲げていない点を見ても,本願意匠の属する分野「発泡飲料注出コック用スライド弁」と意匠1の属する分野「配水管用マイクロバブル発生器」とは別異の物品と考えられるものである。
したがって,本願意匠と意匠1の物品を「この種物品分野において」とひとくくりに捉え,これを前提に本願意匠の創作容易性を判断した原審の判断は,前提において誤りがあると言える。
現に,引例意匠2(以下,「意匠2」という。)について見ても,同意匠公報の参考文献として意匠2の注出孔と近似した構成の3つの小孔を並列した意匠登録第1218052号が示されているにも係わらず,引用されることなく登録に至っている。ここで,意匠登録第1218052号とは,意匠に係る物品を「流量制限コマ」とし,意匠に係る物品の説明において「この意匠に係る流量制限コマは,水道栓の吐水口管内に取り付け,通過する水の流量を制限することによって節水効果をもたらすものである。」との記載があり,属する分類は「M2-5912 バルブ用弁体」とするものである。すなわち,意匠登録第1218052号と意匠1とは同じ「バルブ部品」の分類に属する物品であり,本願意匠と意匠1の物品分野をひとくくりとした原審の判断に従えば,意匠2の審査においても意匠登録第1218052号が当然に参酌されるべきものであるところ,引用されることなく登録に至っている。このことから,特許庁の審査例に照らしても,原審のように物品を広く捉えるのは誤りというべきである。
(2)ありふれた手法でないことについて
意匠審査基準23.7においては,「意匠法第3条第2項の規定により拒絶の理由を通知する場合は,当業者にとってありふれた手法であることを示す具体的な事実を出願人に提示することが必要である」とされている。
上述したとおり,本願意匠と意匠1とは物品分野が共通しないものであるから,本願意匠が他の物品分野の意匠の形状に基づいて容易に創作することができたというためには,本願意匠が属する物品分野「発泡飲料注出コック用スライド弁」において,「配水管用マイクロバブル発生器」の分野における意匠の形状を用いることがありふれた手法であることの根拠が必要であるところ,原審においてはそのような根拠も示していない。
本願意匠は,主に発泡飲料注出コックに取り付けて用いるものであることから,その当業者は,「発泡飲料注出コック」の製造,販売,譲渡等をするに当たっての通常の知識を有する者であるところ,本願意匠と意匠1とは,その使用場面が全く異なるうえ,孔部の用途・機能も異なるものであるから,本願意匠の当業者にとって意匠1の形状は参考になりえないものである。
したがって,本願意匠が属する物品分野「発泡飲料注出コック用スライド弁」において「配水管用マイクロバブル発生器」の分野における意匠の形状を用いることは,ありふれた手法ということはできない。
(3)結論
本願意匠と意匠1の物品分野が共通しないにもかかわらず,本願意匠と意匠1の物品を「この種物品分野において」とひとくくりに捉えた原審の判断は誤りであり,かつ,本願意匠の物品分野において意匠1の物品分野の形状を用いることはありふれた手法ではなく,その根拠も示されていないことから,本願意匠が意匠1に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものということはできない。

2 本願意匠が登録されるべき理由2
本願意匠と意匠1の物品分野が異なり,本願意匠が意匠1に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものではないことは既に述べたとおりであるが,各意匠の形態についても検討するものとする。
(1)本願意匠の要旨
本願意匠は,意匠に係る物品を「発泡飲料注出コック用スライド弁」とし,泡生成部となる台座部および注出孔部の表面について意匠登録を受けようとするものである。
そして,その構成態様は次の通りである。
<基本的構成態様>
泡生成部における台座部表面を小さな円形状とするとともに,その内側に円形状の4つの注出孔を極力余地部を設けないように配置した構成からなる。
<具体的構成態様>
台座部表面の径をスライド弁本体の径の約7分の1とするとともに,台座部表面の径を100とした場合の注出孔の径を31,注出孔間の距離を7,注出孔と台座部端部との距離を7として注出孔を4つ配置したものである。そして,台座部表面における4つの注出孔の面積の総和の比率は約38%である。
(2)意匠1の要旨
意匠1は,意匠に係る物品を「配水管用マイクロバブル発生器」とするものであり,その構成態様は次の通りである。
<基本的構成態様>
円盤体に,円形状の4つの小孔を中心部および孔間に余地部を設けて外周寄りに配置した構成からなる。
<具体的構成態様>
円盤体表面の径を100とした場合の小孔の径を27,小孔間の距離を13,注出孔と台座部端部との距離を6として注出孔を4つ配置したものである。そして,円盤体表面における4つの注出孔の面積の総和の比率は約29%である。
(3)意匠2の要旨
意匠2は,意匠に係る物品を「飲料注出コック用弁軸」とするものであり,その構成態様は次の通りである。
<基本的構成態様>
泡生成部における台座部表面を大きな円形状とするとともに,円形状の3つの注出孔を周囲に余地部を設けて中央寄りに縦一列に配置した構成からなる。
<具体的構成態様>
台座部表面の径をスライド弁本体の径の約3分の1とするとともに,台座部表面の径を100とした場合の注出孔の径を12,注出孔間の距離を6,注出孔と台座部端部との距離を26として注出孔を3つ配置したものである。そして,台座部表面における3つの注出孔の面積の総和の比率は約3%である。
(4)本願意匠を容易に創作することができたか否かについて
(4-1)本願意匠の特徴的構成について
本願意匠の特徴は,「泡生成部における台座部の表面積をできるだけ小さくするとともに,4つの注出孔を余地部を極力設けないような配置として,注出孔を最大限の大きさに形成した構成」にある。
この種物品において,泡生成部は注出孔を閉塞状態に保つ部材(本願意匠においてはシール面)とセットで構成されるところ,本願意匠は台座部の表面積を小さくしたことで,そのシール面をも小さく形成することにつながり,泡生成部およびシール面のコンパクト化を実現しただけでなく,コスト削減にも貢献するものである。
また,台座部の表面積をできるだけ小さくしながらも,注出孔を余地部を極力設けないような配置としたことで,注出孔を最大限の大きさに形成することを可能とし,それにより注出孔を通過する発泡飲料の流量をも最大限多くして泡の生成・注出時間の短縮化を図ったものである。
さらには,注出孔を通過する流量を多くすることは,洗浄時において流れる水量をも多くなることを意味し,効率的な洗浄にもつながるものである。
すなわち,本願意匠は,「泡生成部における台座部の表面積をできるだけ小さくするとともに,4つの注出孔を余地部を極力設けないような配置として,注出孔を最大限の大きさに形成した構成」としたことで,「泡生成部およびシール面のコンパクト化を可能としながら,作業およびメンテナンスの効率化をも追求した意匠」を実現したものである。
(4-2)本願意匠が容易に創作することができたものではないことについて
上述した通り,本願意匠の特徴は,「泡生成部における台座部の表面積をできるだけ小さくするとともに,4つの注出孔を余地部を極力設けないような配置として,注出孔を最大限の大きさに形成した構成」にあり,意匠1および意匠2に表れている形態からはありふれた手法によって想到できたとは言えない独自の形態からなるものである。
まず,本願意匠と共通の用途の物品である意匠2を比較すると,スライド弁本体の径を1とした場合の台座部表面の径を,本願意匠は約1/7としているのに対し,意匠2は約1/3としており,本願意匠の台座部表面の径は,意匠2のそれの半分以下であることから,台座部の大きさは顕著に異なる。また,台座部表面の径を100とした場合の注出孔の大きさは本願意匠は31であるのに対し,意匠2は12としており,注出孔部から台座部表面端部までの距離は本願意匠は7であるのに対し,意匠2は26としていることから,台座部表面における複数の注出孔部の面積の総和の比率の差異を見ても,台座部表面における注出孔の位置及び範囲は大きく異なる。すなわち,本願意匠と意匠2とは,「台座部表面を円形状に形成し,その内側に複数の注出孔を備えた」という大まかな構成においては共通するものの,台座部表面の大きさが顕著に異なるうえに,その内側に形成した注出孔の位置及び範囲も大きく異なる。
したがって,意匠2には本願意匠の「泡生成部における台座部の表面積をできるだけ小さくするとともに,4つの泡注出孔を余地部を極力設けないような配置として,注出孔を最大限の大きさに形成する」という創作思想は全く表れていない。
次に,本願意匠と意匠1を比較すると,台座部表面(意匠1においては円盤体表面)の径を100とした場合の孔の大きさは,本願意匠は31であるのに対し意匠1は27,孔部から台座部(円盤体)表面端部の距離は本願意匠は7であるのに対し意匠1は6,孔間の距離は本願意匠は7であるのに対し意匠1は13としている。すなわち,意匠1の4つの孔部は,円盤体において中心部および孔間に余地部を設けながら外側寄りに配置したものであって,本願意匠の台座部表面における注出孔の配置構成とは大きく異なっている。そもそも意匠1はシャワーヘッドに取り付ける配水管用マイクロバブル発生器であって,そこに形成されたトルネードプレートの孔部は水道水を旋回させて流速を上げる機能に基づき孔の位置・大きさ・範囲が決められると推測されるのであって,創作アプローチが全く異なるものであるから,当然のことながら意匠1の円盤体における孔の位置・大きさ・範囲と本願意匠の台座部における注出孔のそれとは全く構成が異なるものである。
したがって,本願意匠と意匠1とは,「4つの円形状の小孔を形成した」という大まかな点においては共通するものの,本願意匠の「注出孔を余地部を極力設けないような配置として,注出孔を最大限の大きさに形成する」という創作思想は意匠1には示されていない。
このように,意匠1及び意匠2には,本願意匠の「泡生成部における台座部の表面積をできるだけ小さくするとともに,4つの泡注出孔を余地部を極力設けないような配置として,注出孔を最大限の大きさに形成した構成」からなる創作を示唆する構成は表れておらず,意匠2の注出孔部を意匠1の小孔に変更して置き換えても,本願意匠の台座部表面の大きさおよび注出孔の配置構成を実現できるものではないのであって,意匠1および意匠2は本願意匠の創作の独自性,創作非容易性を否定できるものではない。
(5)原審における判断について
原査定では,本願意匠の「台座部の表面積をできるだけ小さくするとともに,4つの泡注出孔を最大限の大きさに形成した」点について,常とう的に行われる変更の範囲にとどまるものにすぎないと認定している。
ここで,部分意匠における意匠法第3条第2項の規定の適用についての判断は,「意匠登録を受けようとする部分」の形態のみに着目するのではなく,当該物品全体の形態の中におけるその位置,その大きさ,その範囲とすることが当業者にとってありふれた手法であるか否かを判断するとされているところ(意匠審査基準71.4.3),原査定はこの観点からの例示もなく,何ら根拠も示されていない。
上述したとおり,本願意匠の泡生成部は,コンパクト化,コスト削減,並びに作業およびメンテナンスの効率化を実現するために,台座部表面の面積をできるだけ小さくしながら注出孔の配置構成を工夫したものであり,独自の創作目的をもって検討・試行の末に具体的な形状を実現した意匠である。意匠とは,物品にかかる具体的な形状であることから,概略的に捉えた構成の共通性を基礎とすることや,異なる意匠的効果に結びつく具体的構成の相違をありふれた変更の範囲ということはできない。
そして,使用状態を見ても,本願意匠の台座部と注出孔を閉塞状態に保つシール面が,意匠2のそれに相当する部分と比較して,大幅なコンパクト化を実現していることは一目瞭然である。さらに,本願意匠は注出孔の配置構成を工夫したことで作業およびメンテナンスの効率化をも追求したものであるから,本願意匠の台座部の大きさ並びに注出孔の配置構成は,本願意匠の特徴的創作として当業者が注目する部分であって,ありふれた範囲の変更にとどまるものではない。
したがって,本願意匠の「泡生成部における台座部の表面積をできるだけ小さくするとともに,4つの注出孔を余地部を極力設けないような配置として,注出孔を最大限の大きさに形成した」点について,何ら例示・根拠を示すことなく「常とう的に行われる変更の範囲にとどまるものにすぎない」とした原審の判断は誤りである。
(6)結論
意匠1および意匠2には,本願意匠の創作的特徴を示唆する構成は表れていないため,本願意匠の創作の独自性,創作非容易性を否定できるものではなく,かつ,本願意匠の台座部の大きさ並びに注出孔の配置構成は,意匠1および意匠2のそれからありふれた範囲内の変形ということはできないことから,本願意匠が意匠1及び意匠2に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものということはできない。

第4 当審の判断
1 本願意匠及び本願意匠部分
本願意匠は,第1に述べたとおりのものである。
すなわち,本願意匠は,「発泡飲料注出コック用スライド弁」に係るものであり,本願意匠部分は,正面側端部の台座部及び泡注出孔部の表面であり,その形態は,正面視円形状の台座部の内側に,正面視円形状の4つの泡注出孔を2行2列で配置したものである。

2 引例意匠1及び2
(1)引例意匠1
引例意匠1は,「配水管用マイクロバブル発生器」に係るものであり,流水路の入り口側に,4つの偏芯した開口を持った円盤状のプレートを取り付けたものである。
(2)引例意匠2
引例意匠2は,「飲料注出コック用弁軸」に係るものであり,正面視円形状の芯軸の中央に,小円孔状の3つの泡注出孔を縦一列に配置したものである。

3 本願意匠の創作容易性について
本願意匠の創作容易性について検討する。
本願意匠に係る物品は「発泡飲料注出コック用スライド弁」であり飲料供給器の分野に属するものであるのに対し,引例意匠1に係る物品は「配水管用マイクロバブル発生器」であり給水用配管の分野に属するものであるから,本願意匠と引例意匠1は異なる分野に属するものである。そして,本願意匠の属する飲料供給器の分野において,「配水管用マイクロバブル発生器」の形態を「発泡飲料注出コック用スライド弁」の形態に転用することが,当業者にとってありふれた手法であるということはできない。
したがって,引例意匠1の形態を「発泡飲料注出コック用スライド弁」の形態に転用することは当業者が容易になし得たことであるとはいえないから,本願意匠と引例意匠1の形態の相違について検討するまでもなく,原査定の理由をもって本願を拒絶すべきものとすることはできない。

第5 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠1及び2をもって意匠法第3条第2項に該当するということはできないから,原査定の理由をもって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-02-10 
出願番号 意願2015-21988(D2015-21988) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (C6)
最終処分 成立 
前審関与審査官 内藤 弘樹 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 江塚 尚弘
須藤 竜也
登録日 2017-03-10 
登録番号 意匠登録第1573636号(D1573636) 
代理人 野間 悠 
代理人 布施 哲也 
代理人 長谷川 芳樹 
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