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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 M1
管理番号 1325921 
審判番号 不服2016-15336
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-12 
確定日 2017-02-22 
意匠に係る物品 樹脂製バンド 
事件の表示 意願2015- 24109「樹脂製バンド」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,平成27年(2015年)10月29日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「樹脂製バンド」とし,その形態を願書及び願書に添付された図面に記載されたとおりとしたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由および引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたものであって,拒絶の理由として引用した意匠は,特許庁が平成17年(2005年)1月6日に公開した公開特許公報記載,特開2005-1679(発明の名称,「梱包用熱可塑性合成樹脂バンド」)の図1,図4及び関連する記載から導きだされる「合成樹脂バンド」の意匠(以下,「引用意匠」という。)であって,その形態は,同公報に掲載されたとおりのものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
1.両意匠の対比
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,まず,意匠に係る物品について,本願意匠は,「樹脂製バンド」に係るものであり,引用意匠は「梱包用熱可塑性合成樹脂バンド」に係るものであって,いずれも品物を梱包するために使用される樹脂製の連続する帯状のバンドに係るものであるから,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

(2)形態について
両意匠の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。
なお,両意匠を同一方向から対比するため,引用意匠の平面図を本願意匠の正面図の向きに揃えたものとして,以下,それぞれ形態を認定し,対比する。

<共通点>
(A)平坦な帯状バンドの正面及び背面全体にわたり,交差する斜めの凸条線(以下,「凸条線」という)を複数条,等間隔に設けることにより,菱形の凹部(以下,「菱形」という)を多数連ねた斜め格子模様(以下,「格子模様」という)を形成している点,
(B)正面及び背面の格子模様の配置について,正面側の各菱形の中央裏側に,背面側の各菱形の頂点が表れるよう,交差位置をずらして各面の格子模様を形成している点,
(C)各菱形の態様について,長手方向に鋭角を有する横長状に形成されている点,
が認められる。

<相違点>
(ア)凸条線の立体形状について,本願意匠は,凸部を断面視三角形状に形成しているのに対し,引用意匠は,断面視等脚台形状に形成した点,
(イ)菱形の配列間隔について,本願意匠は,正面図において各菱形を縦7.5個,横5個程度の間隔で配しているのに対し,引用意匠は,図1において,縦16個,横9個程度の間隔で配した点,
が認められる。

2.本願意匠と引用意匠の類否判断
以上の共通点及び相違点が両意匠の類否判断に及ぼす影響を評価・総合して,両意匠の類否を意匠全体として検討し,判断する。

まず,両意匠は,いずれも品物を梱包するために用いる樹脂製バンドに係るものであるから,両意匠の意匠に係る物品は共通する。

次に,共通点(A)の,正面及び背面全体に格子模様を設けた点は,梱包用樹脂製バンドの基本的構成態様としてごくありふれたものであって,両意匠の類否判断に与える影響は軽微なものにとどまるものである。
共通点(B)の,正面及び背面で格子模様の交差位置をずらした点も,梱包用樹脂製バンドの構成態様として一般的に見受けられるものであって,両意匠のみが持つ共通点とはいえず,両意匠の類否判断に与える影響は軽微なものにとどまるものである。
共通点(C)の,長手方向に鋭角を有する横長状の菱形とした点については,周辺意匠には長手方向の鋭角が60度程度の,二つの正三角形を底辺で接合したような形状の菱形が多く見られる中,両意匠はともに長手方向の鋭角が20度程度の細長い菱形となっており,類否判断に一定の影響を及ぼすものといえる。

これに対して,相違点(ア)の凸条線の断面形状については,本願意匠は,凸条の頂部が鋭く立っており,細い線との視覚的印象を与えるのに対し,引用意匠は凸条の頂部に平坦面を有しており,太い線との視覚的印象を与える点で異なっているが,どちらの態様も周辺意匠に散見され,それのみでそれぞれの意匠を特徴づけるものではなく,類否判断に与える影響はやや軽微なものである。
相違点(イ)の菱形の配列間隔については,それによって同面積に配置される菱形の大きさも異なるため,本願意匠は,より大きな菱形が配置された印象を与えるのに対し,引用の意匠は,小さく細かい菱形が配置された印象を与える点で異なっており,類否判断に大きな影響を及ぼすものといえる。

そして,意匠全体として見た場合,相違点(ア)及び(イ)に係る態様が相まって,本願意匠は,細線で粗く編まれた略網目状の視覚的印象を与えるのに対し,引用意匠は,太線の間に小さな菱形の凹部が細かく並置された,略篩(ふるい)の目状の視覚的印象を与えるものであり,これらの相違点によって生じる視覚的効果は,上記共通点(C)のそれをしのぎ,共通点(A)及び(B)が相まっても需要者に別異の美感を起こさせるものであるから,本願意匠は,引用意匠に類似しないものということができる。

したがって,両意匠は,意匠に係る物品について共通し,形態の基本的な形状に共通点が存在するものの,相違点の総合的な印象が共通点のそれを凌駕しており,意匠全体としては視覚的印象を異にするものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

第4 むすび
以上のとおりであって,原査定の引用意匠をもって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するものとすることはできないから,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。

また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲

審決日 2017-02-07 
出願番号 意願2015-24109(D2015-24109) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (M1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 樫本 光司 
特許庁審判長 斉藤 孝恵
特許庁審判官 神谷 由紀
正田 毅
登録日 2017-03-24 
登録番号 意匠登録第1574668号(D1574668) 
代理人 田中 彰彦 
代理人 鈴木 三義 
代理人 志賀 正武 
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