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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 B1
管理番号 1329143 
審判番号 不服2016-17685
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-11-28 
確定日 2017-05-12 
意匠に係る物品 パンツ 
事件の表示 意願2015- 25170「パンツ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,部分意匠として意匠登録を受けようとする,平成27年(2015年)11月11日の意匠登録出願であって,その意匠(以下,「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「パンツ」とし,その形態は,願書の記載及び願書添付の図面に記載されたとおりのもので,「ピンク色を付した部分以外の部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。一点鎖線は部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」(以下,本願において,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定において,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとし,その拒絶の理由として引用した意匠(以下,「引用意匠」という。)は,以下のとおりであり,その本願部分に相当する部分(以下,本願部分に相当する部分を「引用部分」という。)であって,その形態は,下記の掲載ページに写真で現されたとおりのものである。(別紙第2参照)

引用意匠:
電気通信回線の種類 インターネット
掲載確認日(公知日) 2009年2月16日
受入日 特許庁意匠課受入2009年2月20日
掲載者 株式会社セシール
掲載ページのアドレス http://www.cecile.co.jp/images/cmdty/P618/cmdty/618EN-111_l.jpg
に掲載された「パンツ」の意匠の本願意匠に相当する部分
(特許庁意匠課公知資料番号第HJ20062178号)

3.本願意匠と引用意匠の対比
(1)意匠に係る物品
いずれも,「パンツ」であるから,本願意匠と引用意匠(以下,「両意匠」という。)の意匠に係る物品は,一致する。
(2)本願部分と引用部分(以下,「両部分」という。)の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲
まず,本願部分は,パンツの左右の足が入る部位である正面視左側の足刳り部の環状部分から太もも側に突出した帯状の縁部分の外周のうち一点鎖線で囲まれた内側半分の部分(以下,この部分を「帯状部分」という。)であり,股下部であるクロッチ部から繋がる縫い目部分を除いたものであって,引用部分は,本願部分に相当する同様の部分であるから,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲は共通する。
(3)両部分の形態
また,両部分の形態については,主として,以下のとおりの共通点及び差異点がある。
(3-1)共通点
(A)部分全体を,正面視左側の脚刳り部の外周の内側半分の太幅の帯状部分としている点,
(B)帯状部分のラインが足刳り部分に沿った緩やかな円弧状にカーブしている点,
において主に共通する。
(3-2)差異点
(ア)帯状部分の幅について,本願部分は,全体に亘って同幅であるのに対して,引用部分は,上端部側がやや幅狭で,股下部であるクロッチ部の縫い目部分付近が一番幅狭で,下端部側が太幅となっている点,
(イ)帯状部分のラインの態様について,本願部分は,上下が対称状の円弧状であるのに対して,引用部分は,上方寄りが略逆U字状の急な円弧状で,下方寄りが緩やかな円弧状で上下が非対称状である点,
(ウ)帯状部分の頂点の位置について,本願部分は,円弧の頂点が縦の細幅帯状部分全体の上下の中央付近にあるのに対して,引用部分は,クロッチ部の縫い目部分付近である点,
において主な差異が認められる。

4.類否判断
(1)意匠に係る物品
両意匠の意匠に係る物品は,一致している。
(2)両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲
両部分の用途及び機能並びに位置,大きさ及び範囲は共通している。
(3)両部分の形態
以下,両部分の形態について検討する。
(3-1)共通点
まず,共通点(A)については,部分全体を,正面視左側の脚刳り部の外周の中央寄り内側半分の太幅の帯状部分としている態様については,従来から普通に見られる態様といえるもので,両部分のみに見られる特徴とはいえないものであるから,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は微弱なものである。
次に,共通点(B)については,帯状部分のラインが足刳り部分に沿った緩やかな円弧状にカーブしている態様は,この種の物品分野においては,ありふれた態様といえるもので,格別目立つ態様とはいえず,この点が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度に留まるものである。
共通点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両部分の形態の類否判断を決定付けるに至るということはできない。
これに対して,差異点に係る態様が相俟って生じる意匠的な効果は,両部分の形態の類否判断を決定付けるものである。
(3-2)差異点
差異点(ア)の帯状部分の幅については,全体に亘って同幅である本願部分の形状は,他に見られない特徴的な部分といえ,上端部側がやや幅狭で,股下部であるクロッチ部の縫い目部分付近が一番幅狭で,下端部側が太幅となっている引用部分とは,明らかに需要者に与える印象を異ならせるものであり,その差異は,両部分の類否判断に影響を与えるものといえる。
次に,差異点(イ)及び差異点(ウ)の帯状部分のラインの態様及び帯状部分の頂点の位置について,帯状部分のラインの態様が上下対称状の円弧状で,円弧の頂点が上下の中央付近にある本願部分の態様は,身頃の面積と相対的に足刳り部が広く,ゆったりした印象を与えており,それは他には見られない特徴的な態様であり,上方寄りが略逆U字状の急な円弧状で,下方寄りが緩やかな円弧状で上下が非対称状であり,円弧の頂点がクロッチ部の縫い目部分付近である引用部分は,やや尖った形状でぴったりとした印象を与えるもので,その視覚的印象が明らかに異なるもので,その差異は無視することができず,両部分の類否判断にある程度の影響を与えるものといえる。

(4)小括
以上のとおり,両意匠は,意匠に係る物品が一致し,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲が共通するものであるが,両部分の形態における差異点が看者に与える意匠的効果が共通点のそれを凌駕し,両部分全体として需要者に異なる美感を起こさせるものであるから,両意匠は類似しないものと認められる。

5.むすび
したがって,本願意匠は,意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当せず,原査定の拒絶の理由によって,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-04-26 
出願番号 意願2015-25170(D2015-25170) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (B1)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木本 直美上島 靖範 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 正田 毅
斉藤 孝恵
登録日 2017-06-09 
登録番号 意匠登録第1580534号(D1580534) 
代理人 鈴江 正二 
代理人 渡辺 容子 
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