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審決分類 審判 査定不服  2項容易に創作 取り消して登録 L2
管理番号 1329159 
審判番号 不服2017-2158
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-02-15 
確定日 2017-06-09 
意匠に係る物品 側溝用ブロック 
事件の表示 意願2015-28329「側溝用ブロック」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとする,平成27年(2015年)12月21日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書及び願書に添付した図面の記載によれば,意匠に係る物品は,「側溝用ブロック」であり,形態は,願書の記載及び願書に添付した図面に表されたとおりのものであって,「六面図において,破線で示された部分を除く部分が部分意匠として意匠登録を受けようとする部分である。また,一点鎖線は登録を受けようとする部分とそれ以外の部分との境界のみを示すものである。」としたものである(以下,本願について意匠登録を受けようとする部分を「本願実線部分」という。)。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が,出願前にその意匠の属する分野における通常の知識を有する者が日本国内又は外国において公然知られた形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合(以下「形態」という。)に基づいて容易に意匠の創作をすることができたものと認められるので,意匠法第3条第2項の規定に該当するというものである。
具体的には,本願意匠は,側溝用ブロックに係るものであって,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分を,左側面視において右上端部に表された,水平部分にV字状の条溝を有するL字状の切り欠き部とするものであるが,この種,舗装路における歩道と車道の境界等に敷設される境界ブロックや側溝ブロックの分野において,長手方向上端部に水平部分にV字状の条溝を有するL字状の切り欠き部を設けることは,本願出願前より公然知られており,本願意匠はいわゆるボックス型側溝ブロックの長手方向上端部に,当業者にとってありふれた手法で,公然知られた態様である水平部分にV字状の条溝を有するL字状の切り欠き部を設けた程度であって,容易に創作をすることができたものと認められる,というものである。
そして,原査定における拒絶の理由で示した,公然知られた態様は,特許庁発行の公開実用新案公報記載 昭和61年実用新案出願公開第40405号 第2図ないし第8図に表れた,水平部分にV字状の条溝を有するL字状の切り欠き態様である(以下,同公報の第2図ないし第8図に表された意匠を「引用意匠」といい,水平部分にV字状の状溝を有する右側面視略L字状の部分を「引用部分」という。)。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
本願意匠の意匠法第3条第2項の該当性,すなわち,本願意匠が容易に創作することができたか否かについて,検討し,判断する。

1.本願実線部分
(1)本願実線部分の用途及び機能
本願の願書の記載によれば,本願実線部分は,舗装材の膨張及び収縮に起因する,舗装材と側溝用ブロックとの隙間を生じにくくさせ,この隙間での雑草の生育を防止する用途及び機能を有しているといえる。

(2)本願実線部分の位置,大きさ及び範囲
本願実線部分は,側溝用ブロックの正面側上端に位置し,左側面視略L字状で,水平面に略V字状の溝のある切り欠き部を含む部分であって,本願実線部分の大きさ及び範囲は,切り欠き部よりも正面視若干下方から,切り欠き部の上端にわたるものである。

(3)本願実線部分の形態
本願実線部分の形態については,主に以下の点を認めることができる。
(a)本願実線部分の切り欠き部は,垂直方向の長さが水平方向の長さよりも略1.5倍長い略L字状である点。
(b)略V字状溝の底角は略90度である点。
(c)略V字状溝は,切り欠き部の水平面の背面寄りに設けられており,左側面視左側(背面側)水平面の幅:略V字状溝の幅:右側(正面側)水平面の幅の比率が,略1:8:3である点。

2.引用部分
(1)引用部分の用途及び機能
原査定における拒絶の理由で示した公報に係る明細書の記載によれば,引用部分は,舗装材と縁石との隙間へ水や雑草の種子が流入することを防止する用途及び機能を有しているといえる。

(2)引用部分の位置,大きさ及び範囲
引用部分を認定するにあたっては,本願意匠の図面における正面,平面等の向きを,引用意匠にもあてはめることとする。
引用部分は,縁石の正面側上端に位置し,左側面視略L字状で,水平面に略V字状の溝のある切り欠き部を含む部分であって,引用部分の大きさ及び範囲は,切り欠き部よりも正面視若干下方から,切り欠き部の上端にわたるものである。

(3)引用部分の形態
引用部分の形態については,主に以下の点を認めることができる。
(a’)引用部分の切り欠き部は,垂直方向の長さが水平方向の長さと略等しい略L字状である点。
(b’)略V字状溝の底角は略70度である点。
(c’)略V字状溝は,切り欠き部の水平面の略中央に設けられており,左側面視左側(背面側)水平面の幅:略V字状溝の幅:右側(正面側)水平面の幅の比率が,略1:1:1である点。

3.本願意匠の創作容易
舗装路における歩道と車道の境界等に敷設される境界ブロックや側溝ブロックの分野(以下「この種物品分野」という。)において,舗装材とブロックとの隙間での雑草の生育を防止する機能が生じるように,ブロックの正面側上端に略L字状の切り欠き部を設けることは,ありふれた手法ということができ,引用部分の形態(a’)に基づけば,本願実線部分の形態(a),すなわち略L字状切り欠き部の垂直方向の長さが水平方向の長さよりも略1.5倍長い点は,舗装材の厚みに応じて,当業者が多少の改変を加えた程度のものといえる。
また,本願実線部分の形態(b),すなわち略V字状溝の底角が略90度である点も,引用部分の形態(b’)において底角が略70度であることが表れていることから,やはり,当業者が容易に創作できたものというべきである。
しかし,本願実線部分の形態(c),すなわち略V字状溝が,切り欠き部の水平面の背面寄りに設けられており,背面側水平面の幅:略V字状溝の幅:正面側水平面の幅の比が,略1:8:3である点は,引用部分の形態(c’)とは全く異なるものであって,本願実線部分独特の態様といえるものである。また,この種物品分野において,略L字状切り欠き部に略V字状溝を設けるにあたり,切り欠き部の垂直面からそのまま略V字状溝につなげるように設けることは,よく見られる手法であるが,本願実線部分のように,切り欠き部の垂直面の近傍に,垂直面との間に僅かな水平面を残すように設けることが,ありふれた手法であるということはできないから,本願実線部分の形態(c)について,引用部分の形態(c’)から当業者が容易に創作することができたものということはできない。
したがって,本願意匠は,引用意匠に基づいて,当業者が容易に創作することができたということはできない。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原審が示した理由によっては意匠法第3条第2項に規定する意匠に該当しないものであり,その拒絶理由によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-05-30 
出願番号 意願2015-28329(D2015-28329) 
審決分類 D 1 8・ 121- WY (L2)
最終処分 成立 
前審関与審査官 木村 恭子 
特許庁審判長 小林 裕和
特許庁審判官 刈間 宏信
渡邉 久美
登録日 2017-06-23 
登録番号 意匠登録第1581491号(D1581491) 
代理人 羽鳥 亘 
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