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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 C5
管理番号 1329160 
審判番号 不服2017-2909
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-02-28 
確定日 2017-06-06 
意匠に係る物品 ビアカップ 
事件の表示 意願2016-933「ビアカップ」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 1.本願意匠
本願は,平成28年(2016年)1月20日の意匠登録出願であって,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,意匠に係る物品を「ビアカップ」とし,その形態を願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものである(別紙第1参照)。

2.原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するとしたもので,拒絶の理由に引用された意匠は,1973年9月10日に受け入れた「ART&DECORATION」に所載の「コーヒーわん及び受皿の意匠」(特許庁意匠課公知資料番号第HG20958896号)のコーヒーわんの意匠(以下「引用意匠」といい,本願意匠と併せて「両意匠」という。)であって,その形態は,同カタログに記載されたとおりのものである(別紙第2参照)。

3.当審の判断
(1)意匠に係る物品について
両意匠を対比すると,意匠に係る物品については,本願意匠は「ビアカップ」であり,引用意匠は「コーヒーわん」であるが,共に飲料を飲む際に用いる容器であるから,共通している。

(2)形態について
両意匠の形態を対比すると,その形態には,以下に示す主な共通点と相違点が認められる。

(2-1)共通点
(ア)略上半分の拡開部と,略下半分の有底円筒部から成るものであって,(イ)拡開部は,その略上半分が,截頭半球面状で,略下半分が,なだらかに円筒部につながるもので,(ウ)全体が明度の高い色調で,口部には,全周にわたり,やや明度を落とした帯状模様を施した点で共通している。

(2-2)相違点
それに対して,(a)全体の比率(プロポーション)につき,本願意匠は,相対的にやや細長いのに対して,引用意匠は,やや短い点,(b)円筒部につき,本願意匠は,半分強が円筒部であるのに対して,引用意匠は,略半分が円筒部である点,(c)口部の模様につき,本願意匠は,外周面及び内周面に,拡開部の3分の1程もある太いものであって,金色の,(直線でない)不規則な下縁のものであるのに対して,引用意匠は,外周面のみに,やや細い,平滑面である,暗調子の色(色相が不明)の,下縁が直線のものである点,(d)表面態様につき,本願意匠は,ざらつきのある凹凸面で,マット(matte)な印象を与え,帯状模様部分は更に粗く形成されているものであるのに対して,引用意匠は,光沢をもった平滑面である点,(e)全体の表面につき,本願意匠は,極小の茶色い斑点を散在させているのに対して,引用意匠は,そのような斑点がない点,で相違する。

(3)類否判断
この種物品分野の意匠においては,その意匠が持つ視覚に訴えるテクスチャも含めて,類否判断をするのが相当であると考える。
以下,検討をすると,全体形状について,略截頭半球面状の拡開部が,その下の円筒部になだらかにつながり,円筒部は,全高の半分程もある長い垂直周面をもった態様で,一見両意匠に共通感が生じている。
しかし,一方で,相違点(a)及び(b)によって,本願意匠は,全体に背が高いスマートな印象を与えるのに対して,引用意匠は,低くてずんぐりとした印象を与えるものであって,これらの相違点は,手に持つときの握りやすさや内容量に関わる点であるから,両意匠の類否判断に一定程度の影響を与えている。
次に,相違点(d)については,本願意匠は,質朴な印象を与えるのに対して,引用意匠は,冷たい印象を与えるものであって,表面態様であるから,全体形状に従属するものであるとはいえ,全面の態様であるから,両意匠の類否判断に僅かであっても影響を与えるものと認められる。
相違点(c)については,この種物品分野において,口部に帯状模様を入れることは,ありふれた手法であるが,よく目に付く部分の態様であるから,具体的に検討をすると,本願意匠は,不規則な下縁のため,ざらつきのある複雑な表面と相まって質朴で柔らかみのある印象を与えるのに対して,引用意匠は,平滑であり,光沢を持っていることから,冷たく硬い印象を与えるものであって,この相違点が両意匠の類否判断に与える影響は大きい。
相違点(e)については,斑点の有無に関するものであるが,斑点が極小であって,斑点の有無に関心を持って,注視して初めて分かる相違点であるから,全体観察による両意匠の類否判断に与える影響は,ほとんどない。
よって,相違点(e)が両意匠の類否判断に与える影響がほとんどないとしても,相違点(a)ないし(d),とりわけ相違点(c)がもたらす印象で,共通点が醸し出す印象をしのいでおり,見る者に両意匠が別異であると認識させるものであり,両意匠の形態は類似しないといえる。
したがって,両意匠の意匠に係る物品は共通しているが,形態は類似しないから,両意匠は,類似しているとはいえない。

4.結び
以上のとおりであって,本願意匠は,引用意匠に類似せず,原査定の引用意匠をもって,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできず,本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審が更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-05-23 
出願番号 意願2016-933(D2016-933) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (C5)
最終処分 成立 
前審関与審査官 油科 壮一内藤 弘樹 
特許庁審判長 刈間 宏信
特許庁審判官 橘 崇生
正田 毅
登録日 2017-06-16 
登録番号 意匠登録第1581054号(D1581054) 
代理人 遠藤 聡子 
代理人 筒井 宣圭 
代理人 有吉 修一朗 
代理人 森田 靖之 
代理人 梶原 圭太 
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