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審決分類 審判 査定不服  1項2号刊行物記載(類似も含む) 取り消して登録 F4
管理番号 1330160 
審判番号 不服2017-150
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 意匠審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2017-01-05 
確定日 2017-06-13 
意匠に係る物品 包装用容器 
事件の表示 意願2016- 8833「包装用容器」拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の意匠は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願意匠
本願は,物品の部分について意匠登録を受けようとして,平成28年(2016年)4月21日に意匠登録出願されたものであり,その意匠(以下「本願意匠」という。)は,願書の記載によれば,意匠に係る物品を「包装用容器」とし,その形態を,願書及び願書に添付した図面に記載されたとおりとしたものであり,「実線で表された部分が,部分意匠として登録を受けようとする部分である。一点鎖線は,部分意匠として意匠登録を受けようとする部分とその他の部分との境界のみを示す線である。」(以下,本願において,意匠登録を受けようとする部分を「本願部分」という。)としたものである。(別紙第1参照)

第2 原査定における拒絶の理由及び引用意匠
原査定における拒絶の理由は,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠(先行の公知意匠に類似するため,意匠登録を受けることのできない意匠)に該当するとしたものであって,拒絶の理由に引用された意匠(以下「引用意匠」という。)は,特許庁普及支援課が2008年9月4日に受け入れた大韓民国意匠商標公報2008年7月17日08-14号に掲載の登録番号30-0498521の「包装用容器」の意匠(特許庁意匠課公知資料番号第HH20432764号)であり,その形態は,同公報に掲載されたとおりとしたものである。(別紙第2参照)

第3 当審の判断
以下,本願意匠が意匠法第3条第1項第3号に規定する意匠に該当するか否かについて,本願意匠と引用意匠(以下「両意匠」という。)を対比し,両意匠の共通点及び相違点の認定,評価を行うことにより,本願意匠が引用意匠に類似するか否かを検討し,判断する。
なお,両意匠の対比にあたっては,意匠に係る物品はもとより,本願が物品の部分について意匠登録を受けようとするものであるから,本願部分と引用意匠のそれに相当する部分(以下「引用部分」という。)について,その用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲を対比し,それらを踏まえて,本願部分と引用部分(以下「両部分」という。)の形態を対比する。

1.共通点及び相違点の認定
(1)共通点の認定
意匠に係る物品については,両意匠ともに「包装用容器」であるから,共通し,また,両部分の用途及び機能,並びに位置,大きさ及び範囲については,両部分が販売等において液体等を入れて使用する容器の,周側面の下方寄りの,全周にわたり帯状に区切った縮径した部分(以下「縮径部」という。)であるから,共通する。
その形態については,主に,以下の(A)及び(B)の点が共通する。
(A)縮径部を正面視横長帯状とし,そこに縮径部の縦幅に対して片寄りなくほぼ一杯に延びる,縦長で同形同大の多数の浅い凹部(以下「凹部」という。)を,横方向へ等間隔に連続して配したものである。
(B)凹部の形態を,開口部の外形は略縦長長円形状とし,底部の外形は開口部の外形よりも一回り小さい略縦長長円形状とした,底部に向けて少しすぼまる凹部としたものである。

(2)相違点の認定
形態について,主に,以下の(a)ないし(e)の点が相違する。
(a)縮径部の全体形状を,本願部分は,正面視左右側辺を凹弧状に絞り込んだ糸巻き状としたものであるのに対して,引用部分は,円筒状としたものである。
(b)縮径部の縦横比について,本願部分は,約1対1.5としたものであるのに対して,引用部分は,約1対3としたものであり,両部分の縮径部の縦の長さを同じ長さにそろえた場合,引用部分の縮径部の方が本願部分のそれよりも,約2倍,横に長い。
(c)凹部の縦横比について,本願部分は,約5対1としたものであるのに対して,引用部分は,約4対1としたものであり,両部分の凹部の横の長さを同じ長さにそろえた場合,本願部分の凹部の方が引用部分の凹部よりも,約1.25倍,縦に長い。
(d)隣り合う凹部の間隔について,本願部分は,凹部の横幅と同程度としたものであるのに対して,引用部分は,凹部の横幅の約1.5倍としたものである。
(e)凹部の縦幅と縮径部の横幅の比率について,本願部分は,約1対2としたものであるのに対して,引用部分は,約1対4としたものである。

2.共通点及び相違点の評価
以下,共通点及び相違点が存在する形態について,その共通点及び相違点の評価を行う。
(1)共通点についての評価
共通点(A)は,両部分を概括した態様に止まるものであり,共通点(B)の凹部の形態は,この物品分野の周側面に形成される凹部として,ありふれたものであるから,いずれも両部分の類否判断に及ぼす影響は小さく,これら共通点が相俟っても両部分の類否判断を決するものとはいえない。

(2)相違点についての評価
相違点(a)の縮径部の正面視左右側辺を凹弧状としたか,それとも垂直状としたかの相違は,どちらの態様も当該物品分野において従来から見られるものであるとしても,一見して気が付く相違であり,手に持つ際の握りやすさにも影響を与え,需要者が注視する部分といえるから,相違点(a)が両意匠の類否判断に及ぼす影響は,大きい。
相違点(b)の縮径部の縦横比の相違は,単なる構成比率の相違に止まらず,相違点(c)ないし(e)を生じさせる要因となっているものであるから,相違点(b)が両部分の類否判断に及ぼす影響は一定程度認められる。
相違点(c)の凹部の縦横比の相違は,本願部分の凹部が引用部分の凹部よりも,縦に約1.25倍長い点が,相違点(e)の凹部の縦幅と縮径部の横幅の比率の相違によって強調され,目立つものとなっているから,相違点(c)が両部分の類否判断に及ぼす影響を軽視することはできない。
相違点(d)の隣り合う凹部の間隔の相違は,その広狭の差により,凹部と凹部の間に更に同形同大の凹部を設けることができるものと,できないものという相違となり,本願部分は凹部を詰めて配したもの,引用部分は凹部をゆとりを持って配したもの,との異なる印象を需要者に与えるから,相違点(d)が両部分の類否判断に及ぼす影響を軽視することはできない。
相違点(e)の凹部の縦幅と縮径部の横幅の比率の相違は,相違点(c)と相俟って両部分が別異のものであることを強調するものであるから,相違点(e)が両部分の類否判断に影響を及ぼす影響は一定程度認められる。

以上の相違点を総合すると,凹部の縦横比の相違点(c)と,隣り合う凹部の間隔の相違点(d)とにより,本願部分は,縦に長い凹部を間隔を詰めて配したもの,引用部分は,縦に短い凹部を間隔を広く空けて配したもの,という異なる特徴を生じさせ,この特徴の相違は,相違点(b)や相違点(e)の影響も加わり,そして,縮径部の全体形状の相違点(a)と相俟って,両部分の形態に異なる印象,すなわち,本願部分は,縮径部の全体形状を糸巻き状とした点と相俟って,引き締まった印象,引用部分は,縮径部の全体形状を本願部分の縮径部よりも横に約2倍長い円筒状とした点と相俟って,緩い印象,を需要者に与えるから,これらの相違点は,両部分の類否判断を決するものである,といえる。

3.類否判断
両意匠は,意匠に係る物品については共通し,両部分の用途及び機能,並びに位置等についても共通するものであるが,両部分の形態の相違点が相俟って生じる視覚的効果は,共通点のそれを凌駕するものであって,需要者に異なる美感を起こさせるものである。
したがって,本願意匠は,引用意匠に類似しないものと認められる。

第4 むすび
以上のとおりであって,本願意匠は,原査定の引用意匠に類似する意匠ではなく,原査定の引用意匠をもって意匠法第3条第1項第3号に掲げる意匠に該当するということはできないから,同法同条同項の規定によって本願を拒絶すべきものとすることはできない。
また,当審において,更に審理した結果,他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲
審決日 2017-05-30 
出願番号 意願2016-8833(D2016-8833) 
審決分類 D 1 8・ 113- WY (F4)
最終処分 成立 
前審関与審査官 並木 文子 
特許庁審判長 温品 博康
特許庁審判官 正田 毅
江塚 尚弘
登録日 2017-07-07 
登録番号 意匠登録第1582523号(D1582523) 
代理人 杉村 憲司 
代理人 村松 由布子 
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